幼い子どもの「癇癪」や「グズリ」が怖くて外出が億劫になっていませんか?他の人に迷惑をかけられないと、どうにか子どもの気持ちを切り替えるために、とっさにスマホやお菓子を与え、なだめているママも多いかもしれませんね。本記事では外出先で幼い子どもが「癇癪」を起こした時の対応をご紹介します!
1.子どもの癇癪が怖くて外出が億劫になっているママはいませんか?
家の中での子どもの癇癪も困るけど、外出先での「癇癪」や「ぐずり」は他人の目もあり、特に困りますよね?
・レストランで順番待ちしているとき「まだ~!お腹すいた。遅い!」と機嫌が悪くなる。
・電車やバスで移動中「まだ着かないの?疲れた~!」とぐずりだす。
・スーパーでの買い物中に「これほしい~!」とその場から離れず、泣き叫ぶ。
・遊び疲れた後には「疲れた~!抱っこして~!」と抱っこしてあげるまで動かない。
気に入らないことがあると癇癪を起こすのはもちろんですが、時には予想できないようなことにスイッチが入ることも…。
外出先では周りの目も気になりますし、迷惑をかけられないと、どうにか子どもの気持ちを切り替えるために、とっさにスマホやお菓子を与え、なだめているママも多いかと思います。
こんなことが続くと、楽しいはずの外出が全く楽しめず
終いには「もうお出かけしなきゃよかった。もう二度と連れて行かない!」そんな残念な気持ちになってしまいますよね。
2.子どもが癇癪を起こす理由
癇癪とは、子どもの脳が「怒り」や「不満」といった感情をコントロールできない状態になってしまうことです。
前頭前野という感情や行動のコントロールを司る脳の部分が、まだ十分に発達していないため癇癪は起こります。
空腹や睡眠などの欲求が満たされないことによる「怒り」が原因となることが多いようです。
子どもの癇癪は、一般的に1歳を過ぎたころからはじまり、2~3歳をピークにして、4~5歳ごろに落ち着いてくるといわれています。
発達に凸凹がある子どもは、特に感情のコントロールを苦手なお子さんが多いようです。
言葉で表現したり、気分を変えたりすることが苦手なお子さんは特に、学童期になっても、癇癪が落ち着かないお子さんもいらっしゃることでしょう。
3.外出先の癇癪。他人の目に耐えられませんでした…。
子どもの癇癪がひどければひどいほど、親は他人の目が気になってしまいます。
子どもが迷惑をかけていると思い、厳しく怒ることもあるでしょう。
甘やかしていると思われたくなくて、突き放すこともあるでしょう。
また、早く治めたくて、子どもの要求をすぐに受け入れてしまうこともあるでしょう。
これらの声掛けは、癇癪を余計煽っているとも気付かずに…
私が以前、息子と娘を連れて興行施設に行ったときの失敗談をお話しますね。
お菓子のつかみ取り大会があり、兄妹で行列に並んでいた時のこと。
もうすぐ順番が回ってくるといったときに「兄と妹どっちが先にするか?」ということできょうだい喧嘩が始まりました。
じゃんけんをして、負けた妹が先にすることに決まったものの、なぜか妹は納得していない様子で、順番が来てもやろうとしません。
係りのお兄さんが何度も優しく促してくれますが、いっこうにやらず…
私も「どうして嫌なの?」「ママが一緒にやろうか」と優しく言ってみたり、「もうやらないなら帰るよ」と怒ってみたり。
妹は、「嫌だ」の一点張りで大泣きしはじめてしまいました。
仕方なく私は、妹の説得はあきらめ、兄に先にしてもらおうと促します。
するとお兄ちゃんも「僕はじゃんけんで勝ったんだから、先にやるのは絶対嫌!」と譲りません。
我が子たちのせいで、後ろには長蛇の行列が…。
すぐ後ろの子も「まだぁ?」とちょっと怒っている様子もみられ…。
耐えきれなくなった私が「後ろの人たちも待ってるから、お兄ちゃんからやって!」と怒鳴るように言うと、息子はわーんと泣き出してしまったのです。
そのまま無理やり手を引いて連れて行こうとしましたが「嫌だーするのー!」と泣きわめきながら動かず…
結局、怒りながら、泣いている2人を急がし、無理やりお菓子のつかみ取りをさせ、手をグイグイひきながら、出口の方へ出ていくのがやっとでした。
私のイライラはおさまらず…「何ですぐやらなかったの?もう来なきゃよかった!二度と連れて来ないから!」と子どもたちにひどい言葉を浴びせながら帰ったのでした。
4.癇癪を起こす前と起こした後の対応
その後、私は、発達科学コミュニケーションで癇癪が起こったときの対応を2つ学びました。
この2つのことを実践すると、外出先での癇癪がグッと減ったのです。
過去の私のように、「幼い子どもの癇癪が怖くて、外出ができない」と子連れのお出かけができなくなってしまったママへ。
とっても簡単な2つの「癇癪」への対応をご紹介します。
♦気持ちを共感してあげて!
子どもがぐずりだしたとき「そんなこと言わないで」と諭すと、子どもは「なんでママは気持ちをわかってくれないんだ!」と気持ちが逆上して、エスカレートしていき、癇癪につながることも。
ぐずり出した時に、親が適切な声かけをしてあげると癇癪に繋がらずに済みます。
ぐずり出したら、否定はNG!まずは共感することで逆上を防ぎましょう。
例えば「お腹すいた」とぐずる子どもの目的は「早く食べたい」ということ。
その気持ちに共感する「お腹すいたね。早く食べたいね」と声をかけると、子どもは「ママは気持ちをわかってくれた」と安心することができますよね。
「嫌だ!」「やりたくない!」「きつい!」「疲れた!」
これらの言葉の裏に隠された理由に気づき、共感してあげることがとても大切です。
♦その場を離れることが出来るなら離れて!
その場を離れ、その対象が目に入らなくなると、子どもはそのうち落ち着いてきます。
癇癪は脳の中で感情がヒートアップしている状態。
ですので、脳をクールダウンさせれば自然と癇癪は治るのです。
目に入るうちは、刺激が脳に届いてしまうため、刺激が入らないところに移動するのが効果的です。
癇癪が起きている時は、周りが何を言っても脳に届きません。
声をかけるのは、脳がクールダウンをしてからが鉄則です。
5.最終兵器は『ちょっとした事件』を起こすこと
最後に裏技を1つご紹介しますね!
共感の対応で、子どもが少し落ち着き、聴く耳をもつようになったら…ちょっとした事件を起こしてみましょう。
例えば
ママが「あれ?鍵がない!」とやや大げさにバッグの中などを探します。
子どもたちにとっては、「鍵がない」というちょっとした事件です!
「え。鍵ないってヤバくない?」
「ここじゃない?」
「ポケットは?」
「パパに言ったら?」
様々な状況を想定し、脳が『鍵をなくした、どうしたらいい?』ということに対して、働きはじめます。
そうしているうちに、いつの間にか気持ちを切り替えることができるのです。
電車やバスの中など、すぐにその場から移動できないような癇癪には、ちょっとした事件を作ってみるのも、おすすめですよ!
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
増満咲奈