不登校を経験した子の8割は再登校を希望します。せっかく再登校したのなら再び不登校にはなってほしくない、そう考えるママが多いと思います。不登校の原因は様々ですが、その中でも知っているか知らないかで結果に大きな差が出るタイプの子がいます。どんなお子さんが該当するのか、どうサポートするのが良いのかご紹介していますので、参考にしていただけると幸いです。
1.不登校の後の再登校、心配していませんか?
お子さんが不登校になって、再登校したいという話が出たとき、ママの気持ちはどうでしょうか?
✔︎再登校する気になってくれてうれしい
✔︎また行けなくなったらどうしよう
✔︎無理しないでね
などと、嬉しい反面無理してほしくない複雑な心境だと思います。
再登校するからには、また不登校にならないようにと心配されるママが多いです。
この記事では、我が家の不登校になった娘が100%の再登校を果たし、安心して通えるようになった秘密をお伝えします。
同じような状況にある方の参考になれば幸いです。
2.再登校のリスク
全国の小学生の数は605万人に対して、不登校児童生徒数は小学生で10万5,112人と2023年10月に文部科学省が発表しています。
一度不登校になったものの、再登校をしたいと望む割合は8割を超えています。
しかし、せっかく再登校できても不登校の再発率は70~80%と言われています。
その理由として、保護者や先生に登校を促され根本的な問題が解決していないのに頑張ってみようと再登校するケースが少なくないからです。
頑張ったのに報われない。
その子にとって辛い環境でさらに頑張る状況になる。
自信もなくなり精神的に追い込まれて…。
こんな状況になる前に、親としてできることがあります。
再登校をするなら不登校の根本的な原因が排除されてからの登校が望ましいですよね。
3.家庭と学校では全く別人だった娘の様子
私の娘は小3の時に急に不登校になりました。
ほぼ丸1年の不登校で過ごしていましたが、毎日が暇で暇で…。
そんな時に「新学期から登校しませんか?」と小学校やお友達から再登校を促されました。
娘も再登校する気になっていましたが、一人ではあと一歩が踏み出せずにいました。
『ママとなら行けるかも』と言うので、母子登校が始まったのですが、この時はなんの解決もしていないどころか、私自身娘が何に困っているのかハッキリ分からずにいました。
娘は自分の気持ちを伝えることが苦手で、学校の様子を聞いても「分からない」の一点張り。
不登校前は学校の先生に様子を聞いても「頑張ってますよ。変わった様子はないですよ。」と言われるだけでした。
もちろん不登校になった後も何度か先生と面談をしましたが思い当たる様子はないとおっしゃられていました。
不登校になる前、少しでも学校に行けたら…と私も一緒に付き添い母子登校をしている時期がありました。
学校に行って、母子登校をしながら娘の様子を見ることになりましたが、家と学校での娘があまりにも違いすぎて、驚きの連続でした。
家では兄弟喧嘩もすれば笑ったり楽しそうに遊んだり表情豊かな娘です。
学校では家とは真逆の態度や無表情で誰とも喋らず、静かに座っていました。
お友達が手を振ってくれても、振り返せません。
授業中、順番に音読していく時や当てられても一言も発しませんでした。
そして給食の時間前になると腹痛がして、一口も食べれません。
教室にいる間は時間がただ過ぎるのを待っているかのように見えました。
また、教室が騒がしいのが苦手な様子で耳を抑えて教室を出ることがたびたびありました。
4.遠慮は無用!再登校に向けてママができること
不登校の原因は様々ですが、学校そのものに苦手意識や不安があるタイプのお子さんは再登校をする前にママにして欲しいことがあります。
このお子さんはこれからお伝えするサポートがあるかないかで結果に大きな差が出るタイプです。
サポート方法として、状況把握と環境調整をします。
◆①状況を把握する
本人がどうしたいのか、実際学校でどのような様子なのかママがしっかり理解しておくことが重要です。
✓本人はどうしたいのか?
私の娘の場合は
・学校は行きたい
・友達と遊びたい
という思いを持っていました。
✓学校でどのような様子なのか、苦手なことは何か
私の娘の場合は
・給食が食べれない
・「少なくしてください」が言えない
・注目されること
・話すこと
・先生の怒鳴り声
・大きな音
・学校が緊張する
・教室が騒がしくて我慢できない
という状況でした。
不登校の原因が分からないときは、ママが学校の授業を見学することをお勧めします。
もしくは母子登校をしてみると実際の子どもの様子が分かり、言葉では伝えられなかったことも見えてくるでしょう。
◆②環境を調整する
環境を調整するために、学校の協力が必要になってきます。
その時に、子どもの状況が分かっていると具体的に考えてもらいやすいです。
✔︎希望を伝える
私の娘の場合は
・給食は別室で食べたい
・残しやすい案はないか聞きたい
・イヤーマフをしたい
・話そうとしたら緊張して話せない
・友達と遊びたい
という本人の希望があることを学校に伝えました。
✔︎学校でできることとできないことを話し合う
私の娘の場合は
・別室で給食を食べるのはOK
・イヤーマフの使用はOK
・無理して話させようとはしない
・コミュニケーション手段や授業中の参加の方法も本人と相談して進めていく
・友達と楽しい時間にするためにも、娘が辛くない環境にする
ということを学校と話し合って決めていきました。
親が状況をしっかりと把握し、学校と環境について話し合っていくことで、先生方にも娘のことを知っていただく良い機会になりました。
何度か先生と相談を重ね、娘は100%の再登校ができています。
再登校が辛くない環境で登校を続けられるかは、環境調整や周囲の関わりが重要なポイントになります。
親がすべてを抱え込んで再登校をサポートせずに、学校の先生方も巻き込んで、色々な方からのサポートを受けて安心して再登校をさせてあげましょう。
執筆者:田中さくら
発達科学コミュニケーション リサーチャー