音に敏感なHSCの子どもたちは、人が多く集まるレジャー施設などでは、子どもの泣き声や笑い声、さらに騒々しい音といった雰囲気が苦手。そんな子どもでも安心して外出ができるようになる親の上手な関わり方を本記事ではご紹介しています。
1.音に敏感な子どもに違和感を感じていませんか?
休日に、家族でお出かけ!
子どもが喜んでくれたらと、レジャー施設や複合施設などに連れて行かれる方も多いことでしょう。
しかし、せっかくお出かけに連れて行っても、人がたくさんいるような場所で騒々しい場面に遭遇すると、なぜか急に不機嫌になる子どもの対応に困ってしまった経験はありませんか?
✔️神経質で小さな音に反応してしまう
✔️人の声が混じり合う混雑した雰囲気を嫌う
✔️大きな音でバックミュージックがなっていると、耳を塞ぐ
✔️花火や飛行機の音が苦手
✔️イベントなどの大きな音を怖がる
外出先でお子さんにこのような様子があるようであれば、その問題はもしかしたら子どもの「繊細な気質」から来ているものかもしれません。
本記事では、子どもが人の多さや騒々しさに敏感に反応してしまう理由と親ができる対応策についてご紹介します。
敏感で繊細な気質を持つ子ども(HSC)をの特性を、親が理解することで、子どもの安心に繋がります。
ママは子どものサポーターです!子どもの困りごとに寄り添える一番の理解者になりましょう。

2.音に敏感で外出を嫌がっていた我が子
ゴールデンウィークに家族で屋内施設に出かけた時のこと。
お昼ご飯を食べようとレストランに入ると、そこは小さい子向けの施設だったので、泣き声やわめき声がワンワン飛び交っているような騒々しさがありました。
当時7歳の息子は「なんかここ、うるさくて嫌だ…」その騒々しさに困っていることを口にしたのです。
確かに私も騒々しいなと感じましたが、私はその場では自分と同じ感覚で騒々しいなと感じているのだろうと思い
「大丈夫、大丈夫」「あまり気にしない方がいいよ」と言って取り繕うことをしませんでした。
結局、その状況では食事はほとんど進まず、どんどん息子の機嫌は悪くなっていきました。
その後も、レストランやレジャー施設など、人が多く集まる場所へ行くと「うるさい…。」と耳を塞ぐ様子が見られるようになり、外出を嫌がるようにもなっていきました。

3.音に敏感なHSC=ひといちばい敏感な子ども
世の中には5人に一人という割合でHSC(Highly Sensitive Child)と呼ばれる子が存在します。
HSCとは「思慮深く、人の気持ちや刺激に敏感な気質の人たち」のこと。
これは、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。
HSCは男女問わず人口の15〜20%ほど存在すると言われており、後天的なものではなく、生まれ持った気質であることがわかっています。
HSCの特性として、ほかの子どもにはなんでもない刺激であっても、その刺激が積み重なることで不安になったり、疲弊したりします。
同じ刺激でも「強すぎる」と感じる子がいるのです。
HSCはまた、状況を把握し、周りに合わせることが得意でもあるため、「社会性」が強いことも挙げられます。
周りに気を遣って、自分が苦手な音があるにも関わらず、我慢していることもあるので、周りがよく様子をみてあげることが必要です。

4.音に敏感な子どもが安心して外出ができるようになる!親の上手な関わり方
私がそれに気づいてからは、人混みや騒々しい環境に行く場合は、まず事前に息子に相談をするようにしました。
その上で行くかどうかを判断してもらいます。
我が家にはきょうだいが3人いるので、音に敏感な息子の意見ばかり取り入れることはできませんが、「あなたの考えを尊重していること」を必ず伝えました。
その上で不安が残る場合には掘り下げ、抱えている不安を吐き出させてあげ、その時間では私は口を挟まず「聴く」ことを心がけました。
例えば、
長男「お昼の時もうるさかったらどうしよう」
私「そうだねぇ。〇〇はどうしたいかな?」
と聴きます。
会話しながら、
私「ほかにはある?」
と不安を全て吐き出させてあげます。
そして代替案や時間などを相談しながら、スケジュールを決めていき、安心材料を作りました。
子どもは楽しいことが大好き!ですので、「うるさいけど行ってみたい」という時もありました。
そのような時は、決して無理をさせないように「到着してみてどう感じたか?」「不快な場合は教えてね!」という態度を徹底しました。

5.おおらかに構えることが子どもの安心につながります
その対応をするようになり、実際に足を運んでみると「意外と平気だった!」という場面が何回もありました。
この経験から、親が心配しすぎず、気負わず、
「もしダメでも全然気にしないでね!」
というおおらかなスタンスで居ることが、子どもは最も安心するのかなと感じてます。
繊細気質の子は周りに気を遣うことができてしまうので、親が思っていることは自ずと伝わってしまいます。
それを感じさせてしまうのは、子どもにとっても親にとっても本意ではありません。
このようなスタンスで対応することで、「騒々しさ」へのハードルも少しづつ下がってきました。
「思ったよりも平気だった!」を体感していくことで自信にもつながっていったようです。
これからも親子の信頼関係を育んでいきながら、繊細気質の子どもに寄り添っていきたいと思います。

執筆者:いいだ まや
発達科学コミュニケーション トレーナー