ASDグレーゾーンの子どもは、不安が強い子が多いようです。不安の強い子どもには、褒めて自信をつけさせてあげることが大事ですが、ただ単に褒めればいいと言うものではありません。褒め方を間違えると『白黒思考』や『完璧主義』などの思考の癖が強くなってしまいます。本記事では、ASDグレーゾーンの子どもの特性に合った脳に届く褒め方をご紹介します。
1.なぜ『褒める』ことが大事なのか?
『褒める育児』が子育ての主流になっている現代。
多くの育児本や子育て情報には「子どもを褒めて伸ばしましょう」という言葉が書いてありますよね?
なぜ、子どもを褒めることが大事なのでしょうか。
褒められて嬉しくない子どもはいません。
大人だって褒められたら「もっとがんばろう!」と次の行動への意欲が沸くものです。
子どもも同じです。
また、不安が強い自閉スペクトラム症(ASD)傾向のあるお子さんは、自分に自信を持つことが苦手です。
ですので、大好きなパパやママからたくさん褒めてもらって、成功体験を積み、自信をつけさせてあげたいものです。
繰り返すことで成功体験が蓄積されて、自ら行動できる子どもに成長していきます。
2.ASDグレーゾーンの子どもを褒めても全く効果を感じられない…。
褒めることの必要性を理解し、ちゃんと褒めてるつもり。だけど…
✔️がんばって褒めているけど、子どもに変化があまりない
✔️褒めているのに、子どもは嬉しそうではない
✔️褒めたいけど、どこを褒めたらいいのかわからない
褒めることに難しさを感じていませんか?
「出来たら褒める」には落とし穴があります。
もちろん褒めることは正解なのですが、子どもの出来た『結果』だけを褒め続けると、子どもは出来ることだけが大事だと思ってしまいます。
ASDグレーゾーンの子どもは自分の不安を補うために、思考が偏り白黒思考になったり、完璧主義になってしまう子どもも多いです。
失敗を嫌がる子どももたくさんいます。
なので、『結果』だけを褒めていると、さらにその思考の癖が強くなってしまいます。
また、褒めても嬉しそうではない子どもは、お母さんの言葉がうまく伝わっていないかもしれません。
褒められ慣れていない子どもは、「上手にできないもん」と自分のことを低く見てしまいがちです。
3.間違った褒め方をしていた過去
私は完璧主義な性格もあり「こんなことできて当たり前」という価値観がとても強く、娘ができることが当たり前だと思って接していました。
育児の中で褒めることが大切なことは理解していたつもりで、なるべく娘を褒めるようにはしていたのですが…
私は常に「出来たこと」に対して褒めていたのです。
テストの点数がよかったら「100点すごいね!」
運動会で1位だったら「1番でかっこよかったよ!」
作品を上手に作り上げたら「上手にできたね!」
自分の価値観の中で、娘にクリアしてほしい課題を見つけては、その結果に対して褒めていました。
初めは、私の喜ぶ顔を見るたびに嬉しそうにしていた娘でしたが、徐々に「ママが喜んでくれるから」と頑張るようになっていきました。
ASDグレーゾーンの特性からくる白黒思考や完璧主義も強くなっていき、失敗を嫌がり、できたことや勝つことに執着するようになってきました。
4.不安の強いASDグレゾーンの子どもの特性に合った褒め方
私は、発達科学コミュニケーションを通して
・私のこれまでの褒め方がASDグレーゾーンの子どもに合ったものではないこと
・不安が強い子どもの特性に合った褒め方があること
を知りました。
ASDの特性に合った褒め方を学んだ私は、3ヶ月間、徹底して娘の不安に寄り添った褒め方を実践していきました。
すると、娘の不安は少しずつなくなり、自信を持って行動ができるようになりました。
また、完璧主義も少しずつ和らぎ、物事を柔らかく考えることができるようになりました。
ここからは、ASDグレーゾーンの我が子に効果があった褒め方のポイントを2つご紹介します。
◆当たり前のことを褒める!
日常のどんなに小さなことでも褒めてあげると「できた!」の積み重ねが、やがて大きな自信に変化していきます。
大人にとっては、そんなのできて当然と思うことでも、ぜひ褒めてあげてください。
「おはようって言ってくれて、嬉しいな!」
「一人でお風呂に入れたんだね!」
「手洗いできたんだね!」
日常の当たり前を褒めることで、成功体験をたくさん増やしていくことができます。
◆行動の途中で褒める!
結果だけに目を向けるのではなく、行動を始めたときと途中こそが褒めるチャンスです!
プロセスを褒めることによって、
・行動できたことに本人が気づき、やる気をさらにアップさせる
・成功体験を作り出し、好ましい行動の頻度をアップさせる
こんな効果があります。
ASDグレーゾーンの子どものように、不安の強い特性を持っている子どもには、とにかく自信をつけてあげることが大切です。
そのためにも、成功体験の積み重ねが重要なのです!
日常に成功体験はたくさん存在します。
ママが子どもの行動を成功体験に変えてしまいましょう!