行事に参加できないのはなぜ?発達障害グレーゾーンの子どもが学校行事を嫌がる本当の理由

行事に参加できない,発達障害
学校行事の練習が始まり、お子さんが行事に参加できず悩んでいませんか?発達障害グレーゾーンのお子さんが行事を嫌がる本当の理由と、親が「行事に参加するべき」を手放すための具体的な方法をご紹介
 
 

1.学校行事に参加できるかな…?と心配に感じているママはいませんか?

 
 
2学期が始まり、運動会や音楽会、発表会といった学校行事の練習が始まっている頃ですね。
 
 
「今年は行事に参加できるかな…」
「みんなと同じように楽しんでほしいけど、なかなか練習に参加ができていないみたい…」
 
 
そんなふうに、お子さんの様子を心配しているママはいませんか?
 
 
特に、発達障害発達障害グレーゾーンのお子さんを育てている親御さんにとって、学校行事は大きなハードルに感じられるかもしれません
 
 
✔️練習が始まってから、朝の登校しぶりがひどくなった
✔️行事の話をすると、すぐに不機嫌になる
 
 
もし、お子さんがそんなサインを出しているとしたら、ぜひこの記事を読んでみてください。
 
 
発達障害グレーゾーンの子どもが学校行事に参加できない本当の理由と、親がどのように関わっていけば良いのかを詳しく解説します。
 
 
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2.完璧主義な私が手放したもの

 
 
私には、発達障害グレーゾーンの息子がいます。
 
 
完璧主義な私は、「学校行事には絶対に全部参加させて、良い思い出を作らせてあげたい!」と強く思っていました。
 
 
しかし、小学校で運動会の練習が始まると、息子は朝になるとお腹が痛いと言い出したり、体操服に着替えるのを嫌がったりするようになりました。
 
「せっかくの運動会なのに、どうして楽しめないの?」
 
そんな私の焦りや不安が息子にも伝わっていたのでしょう。
 
 
ある日、息子が「運動会嫌だ。人がたくさん集まるのが苦しくなるみんなとずっと一緒に動かなきゃいけないのが苦しい体操服も苦しいから着たくない。」と涙ながらに訴えてきました。
 
 
私はその時、初めて息子の「つらさ」に気づくことができました。
 
 
「参加するべき」という私の固定概念が、息子を苦しめていたのです。
 
 
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3.親が手放すべき固定概念:「行事には参加するべき」

 
 
まず、一番大切なことをお伝えします。
それは、「行事には参加するべきだ」という親の固定概念を手放してほしいということです。
 
 
多くの親御さんは、「行事に参加することで、子どもの思い出が増える」「協調性や社会性が身につく」と考えています。
それは間違いではありません。
 
 
しかし、お子さんが行事を嫌がったり、参加したがらないのには、必ず理由があります
 
 
その理由を無視して無理に「参加しなさい」と促してしまうと、子どもの心は傷つき、「自分のつらさを分かってくれない」という不信感を抱いてしまいます
 
 
お子さんにとって、心身の安心・安全を確保することこそが最も重要です。
 
 
行事に参加しなくても、人生は決して失敗ではありません
 
 
まずは「参加しないとダメ」という考えを一旦脇に置いて、お子さんの気持ちに寄り添うことから始めましょう
 
 
感謝
 
 

4.発達障害グレーゾーンの子どもが「行事に参加できない」3つの理由

 
 
なぜ、発達障害グレーゾーンの子どもたちは、学校行事を嫌がるのでしょうか?
 
 
一見、楽しそうな行事の裏には、彼らにとって大きな負担となる要因が隠されています。
 
 
◆理由1:感覚過敏による苦痛
 
発達障害グレーゾーンのお子さんは、感覚がとても敏感な「感覚過敏」を持っていることがあります。
 
 
音:運動会のピストルの音、音楽会の大きな音、体育館に響くたくさんの声…これらが耳に突き刺さるような不快感を引き起こします。
 
 
視覚:まぶしい照明や、たくさんの人が動く様子、カラフルな装飾などが、視覚的な刺激として強く感じられます
 
 
触覚:体操服や衣装の肌触りが嫌だったり、大勢の子どもたちが密集することで圧迫感を感じたりします
 
 
他の子どもたちが気にならないような刺激でも、耐え難い苦痛になることがあるのです。
 
 
◆理由2:先の見通しが立たないことへの不安
 
発達障害の特性を持つ子どもは、見通しを立てることが苦手な場合があります。
 
 
学校行事には、以下のような見通しの立てにくい要素がたくさんあります。
 
 
・いつから練習が始まる?
・練習はいつまで続く?
・先生の指示が理解できない…
・本番ではどこに並べばいい?
 
 
他の子どもたちにとっては、適当に流せることでも、特性がある子にとっては気になってしょうがないことも多いようです。
 
 
「次は何をするんだろう…」という不安が、常に行動を妨げてしまうのです。
 
 
◆理由3:集団行動が苦手
 
行事の練習は、先生の指示に従って全員が同じ動きをする「集団行動」の連続です。
 
 
・先生の指示が聞き取れない、理解できない
・周りの子と同じ動きがうまくできない
・みんなと違う自分を意識してしまい、劣等感を感じる
 
 
こうした状況が続くと、「自分はダメな子だ」と自己肯定感が低下してしまいます。
 
 
集団の中にいることが、大きなプレッシャーとなってしまうのです。
 
 
これらの理由を知ることで、「うちの子がワガママなわけじゃなかったんだ…」と、ママ自身の気持ちも少し楽になるのではないでしょうか。
 
 
運動会
 
 

5.行事参加への不安を解消する!親が子どもにできる3つのステップ

 
 
「うちの子は、この3つの理由に当てはまるかも…」と感じたママ。
大丈夫です。
お子さんの気持ちに寄り添い、少しずつ不安を解消していきましょう。
 
 
今日からできる3つのステップを試してみてください。
 
 

◆子どもの「行きたくない」を否定しない

 
お子さんが「行事の練習、行きたくない」と言ってきたとき、つい「みんな頑張ってるよ!」「参加しないともったいないよ!」と言ってしまいがちです。
 
 
しかし、まずはその言葉をぐっと飲み込み、「そっか、行きたくないんだね」と、お子さんの気持ちをそのまま受け止めてあげてください。
 
 
そして、お子さんが理由を自分から話し始めることがあったら…
 
 
「大きな音が嫌なんだ」「みんなと一緒にやるのが難しい」など、お子さんが言葉で表現できるなら、それは大きな前進です。
 
 
もし言葉にできなくても、「音が嫌なのかな?」「体操服が嫌なのかな?」と、具体的な選択肢を提示してあげるのも良い方法です。
 
 

◆学校と連携し、可能な範囲での参加を模索する

 
お子さんの気持ちを理解したら、学校の先生に相談してみましょう。
 
 
「行事に参加できない」と決めつけるのではなく、「どうすれば参加できるかな?」という視点で話し合うことが大切です。
 
 
感覚過敏への配慮:
大きな音を避けるために、練習中は体育館の外で待機させてもらったり、耳栓をさせてもらったりできないか相談してみましょう。
 
 
見通しを立てる:
練習内容を事前に教えてもらい、家で一緒に予習したり、当日のタイムスケジュールをイラストや写真で分かりやすく示す「視覚支援」の道具を作ってもらえないかお願いしてみましょう。
 
 
無理のない参加方法を考える:
全てのプログラムに参加できなくても、「この部分だけ参加してみる」というスモールステップから始めるのも有効です。
 
 
「参加しない」と「無理をして参加する」の二択ではなく、「できる範囲で参加する」という選択肢があることを親子で知ることが重要です。
 
 

◆行事に参加しなくても「いいこと」を伝える

 
もし、お子さんがどうしても行事に参加できなかったとしても、それは決して「失敗」ではありません
 
 
「行事に参加できなかったけど、ちゃんと自分の気持ちを伝えてくれてありがとう
「行事の練習は大変だったけど、少しでも参加しようとしたその気持ちがすごい!」
「練習は大変だったけど、〇〇君はよく頑張ったね。」
 
 
など、「行事に参加しなくても大丈夫」という安心感を言葉で伝えてあげてください。
 
 
そして、行事とは関係のない場所で、お子さんの得意なことや好きなことを一緒に楽しむ時間を作りましょう。
 
例えば、
・図書館に行って、好きな絵本をたくさん読む時間
・公園で思いっきり体を動かす時間
・一緒に料理をする時間
 
こうした「安心できる居場所」があることこそが、子どもの心のエネルギーをチャージし、次のステップへの原動力となります
 
 
「行事に参加できない」という事実は、親にとって辛いものです。
でも、それは「できない」のではなく、「今、その子にとって難しい」だけ。
 
 
親が「行事には参加するべき」という思い込みを手放し、「なぜ、今、参加できないのか」という子どもの気持ちに寄り添うことができれば、必ず道は開けます。
 
 
無理をさせず、できることから少しずつ。
親子の安心を最優先に、お子さんのペースでゆっくりと歩んでいってほしいと願っています。
 
 
親子で料理
 
 
 
 
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