「学校行きたくない…」お子さんの小学校での困りごとが増えたら、それは発達障害グレーゾーンの子どもからのSOSサインかもしれません。この記事では、診断のつかない子どもたちが抱える学校での問題と、親がすべき具体的な対応をご紹介します。
1.小学校での困りごとが多すぎる!うちの子、大丈夫かしら?
「また先生から電話だ…」
「どうしてうちの子だけ、こんなに忘れ物が多いんだろう」
「授業中に立ち歩いてしまうみたいで、集中力がないのかな…」
「不安が強く、登校しぶりがずっと続いている」
こうした問題が続くと、「もしかして、うちの子は発達障害なのかな?」と不安になりますよね。
実は、このような困りごとは、特定の発達特性を持つ子どもたちに多く見られます。
この記事では、発達障害グレーゾーンの子どもたちが学校で直面する困りごとを解説し、親としてできる具体的な対応方法についてお伝えします。

2.発達障害グレーゾーンとは?学校で理解されない子どもたちのSOS
◆発達障害グレーゾーンとは?
発達障害グレーゾーンとは、発達障害の傾向はあるものの、医師の診断基準を満たすほどではないため、診断名がつかない子どもたちのことを指します。
「障害」と診断されていないため、「単にわがままな子」「親のしつけがなっていない」と誤解されてしまい、周囲からの理解を得られにくいのが現状です。
特に学校という集団生活の場では、多くの子が難なくできることが、グレーゾーンの子にとっては大きな困難となります。
しかし、周囲からはその困難さが見えにくいため、さらに孤立しやすくなってしまうのです。
◆周囲から理解されず、二次障害になることも
診断名がないからこそ、周囲に特性を理解してもらえない。
その結果
・忘れ物が多いことを「だらしない」と怒られる
・友達とトラブルが起きるたび「協調性がない」と責められる
・落ち着きがないことに対して「わがまま」と叱責される
このように否定的な言葉をかけられることが続くと、子どもは自己肯定感を失い、「自分はダメな子だ」と感じるようになります。
こうした心の傷が原因で、二次障害として
・ 無気力
・激しい癇癪(かんしゃく)
・暴力
・不登校
といった症状を引き起こすことがあります。
学校での困りごとの裏には、子どもたちの必死なSOSが隠されているのです。

3.【実体験】給食が原因で「学校に行きたくない」と言い出したグレーゾーンの息子
私にも、自閉スペクトラム症(ASD)の傾向がある息子がいます。
偏食がひどく、特定の食材や食感が苦手です。
また、強いこだわりや潔癖な面も持ち合わせています。
小学1年生当時、学校生活で問題になったのが給食でした。
担任の先生は、息子の偏食を「わがままによる好き嫌い」だと判断し、給食の時間を過ぎても無理やり食べさせようとしました。
ついには、昼休みまでなくして食べさせるという厳しい指導が行われたのです。
さらに、クラスメイトの前で「どうして食べられないんだ!」と何度も叱責され、息子は次第に自信をなくしていきました。
ついには、「学校に行きたくない」と毎朝泣き叫ぶように…。
このとき、私は「どうして、こんなことになってしまったのだろう」と深く反省しました。
息子が給食を食べられないのは、わがままではなく、ASDの特性によるもの。
それを私が小学校入学の時に、先生にきちんと伝えられていなかったため、このような事態を招いてしまったのです。

4.親ができる対応:家庭と学校で大切な2つのこと
発達障害グレーゾーンの子どもたちの「学校行きたくない」は、単なるわがままではありません。
「学校でつらい思いをしている」 「自分のことをわかってくれる人がいない」という子どもからのSOSなのです。
このSOSに気づいたら、早めに対応してあげることがとても重要です。
◆家庭でできる対応
お子さんの困った行動には、必ず理由があります。
「この子はこういう特性があるんだ」とまずは親が理解し、ありのままの姿を肯定してあげることが、お子さんの心の安心につながります。
また、お子さんの自信を取り戻すために、できないことばかりに目を向けるのではなく、お子さんの素敵なところや、すでにできていることをたくさん見つけてあげましょう。
「否定1回に対し、肯定を4回する」くらいの割合で、ポジティブな言葉がけを意識してみてください。
もちろん、否定がゼロでもOKです。
◆小学校との連携でできる対応
小学校の担任の先生には、お子さんの特性をなるべく早めに具体的に伝え、「こんな対応をしてもらえると助かります」と協力をお願いしましょう。
もし、学校がなかなか特性を理解してくれない場合は、専門機関に頼るのも有効な手段です。
・学校のスクールカウンセラーや特別支援教育コーディネーターに相談
・発達外来を受診
・医師からの意見書をもらう
・検査結果を学校に提出する
医師からの意見書は、学校が合理的配慮を行う上で、重要な根拠となります。
専門的な視点から、お子さんに合った対応方法を伝えてもらうことで、学校側の理解も深まることが多いです。

5.対応後の変化:自信を取り戻し、笑顔が増えた息子
先生との話し合い、そして専門家からの助言をもとに、私と夫は息子の特性について小学校に詳しく伝えました。
2年生になり担任の先生が変わってから、息子は劇的に変わりました。
・無理に給食を食べさせられることがなくなり、学校に行きたくないと言わなくなった。
・苦手だった牛乳を少しずつ飲めるようになった。
・先生が息子の特性(こだわりや潔癖)を理解し、学校生活で配慮してくれるようになった。
何より、自信を取り戻し、笑顔が格段に増えました。
子どもの困りごとは、親が少し対応を変えるだけで大きく改善することがあります。
お子さんが安心して自分らしく過ごせるように、できることから一歩ずつ始めてみませんか?
