毎日のルーティンが崩れると癇癪になる子どもにASD特性を理解した安心の対応法

毎日のルーティンが崩れると癇癪になる子どもにASD特性を理解した安心の対応法
ルーティンが崩れると癇癪になるASDの子どもに悩むママへ。 歯磨きを忘れて寝てしまった夜中の大騒ぎ体験も交え、子どもの安心につながる対応法を紹介します。
 
 

1.ルーティンが崩れると癇癪になる理由

 
 
「今日は違う道で帰ろうか」
「ご飯の前にお風呂に入ろう」
 
そんなちょっとした変更に大泣きしてしまうお子さんはいませんか?
 
 
発達特性のあるお子さんは、毎日のルーティン=安心の土台 になっていることが多いです。
 
 
そのため、順番や流れが崩れると「安心の支えが失われた」と感じ、不安や怒りが一気にあふれ出します
 
 
これは「わがまま」や「頑固」ではなく、予測通りであることが安心に直結している特性です。
 
 
そして今の季節、冬休みのように生活リズムが乱れやすい時期は、『いつも通り』を保ちづらく、ちょっとした変化がより大きなストレスになりやすいものです。
 
 
だからこそ、ルーティン崩れは子どもにとって>想像以上のストレスとなり、癇癪という形で表れるのです。
 
 
小学生が怒っている絵をもってる様子
 
 
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2.歯磨きの順番が変わるだけで大混乱…生活習慣のズレが生む癇癪

 
 
私の長女も、毎日のルーティンが少しでも崩れる大騒ぎするタイプでした。
 
 
特に困ったのが 夜の歯磨き
 
 
眠気に負けて歯磨きをせずに寝てしまうと、夜中に目を覚まして大泣き
 
 
「なんで歯磨きしてないのに寝ちゃったの!」
「やり直して!」
 
怒りで大泣きし、眠気と不安が重なって癇癪が止まらない…。
 
 
眠気と混乱で本人もつらそうだけれど、実は私もつらかったんです。
 
 
「もう夜中だよ…私だって眠いのに…」
「どうしたらいいの?」
 
そんな思いが胸に押し寄せて、親子でクタクタになってしまう日もありました。
 
 
翌朝になっても「昨日なんで歯磨きしなかったの!」と繰り返し怒ってくることもあり、私の心もすり減っていました。
 
 
大人からすれば「仕方ないじゃない」と思うことでも、子どもにとっては「絶対に守られるべき大事な流れ」。
 
 
だから、崩れた瞬間に不安と怒りでいっぱいになってしまうのです。
 
 
理解されにくい
 
 

3.「いつも通り」が安心の基盤・ルーティンが支える子どもの心と発達

 
 
なぜここまで「いつも通り」にこだわるのでしょうか。
 
 
理由のひとつは、予測できること=安心 だからです。
 
 
順番や流れが決まっていると、子どもは「次に何が起こるか」を見通せて心が落ち着きます
 
 
逆に、予定外の出来事が起きると「先が見えない」不安に襲われ、感情をコントロールできなくなります。
 
 
さらに、子どもはまだ 自己調整力(気持ちを切り替える力) が育ちきっていません。
 
 
そのため「まぁいいか」と柔軟に受け入れることが難しく、強いこだわりとなって現れるのです。
 
 
つまり、ルーティンは「安心の基盤」であり、「発達の途中で必要な支え」でもあるのです。
 
 
親子がハグしながら笑っている様子
 
 

4.ルーティンが崩れる前と後に効果的な対応方法

 
 
では、どう対応すればいいのでしょうか。
 
 
私が実際に取り入れて効果を感じたのは、予告・選択肢・肯定 の3つです。
 
 

1. 予告する

 
「今日は眠そうだから、先に歯磨きしようね」
「もし寝ちゃったら、朝起きてから磨こうね」
 
 
あらかじめ伝えておくことで、子どもが心の準備をしやすくなります。
 
 

2. 選択肢を与える

 
「夜中に起きたら磨く?それとも朝にする?」
 
子ども自身に選ばせると、「自分で決めた」納得感を持てます。
 
 

3. 肯定の声かけ

 
崩れたときも
「昨日はできなかったけど、今できたね」
「順番は違ったけど、ちゃんとできたね」
 
 
「できた」という安心感を重ねることで、少しずつ柔軟さが育っていきます
 
 
無理に「崩れても怒らないで」と伝えるのではなく、安心を積み重ねて切り替えを促すのがポイントです。
 
 
方法
 
 

5. 自己調整力(気持ちを切り替える力)が育ち始めたサイン

 
 
対応を続けていくうちに、長女にも変化が見えてきました。
 
 
・歯磨きを忘れても、翌朝に「じゃあ今する」と切り替えられるようになった
・ルーティンが崩れても、癇癪が短時間で収まるようになった
・「今日はこれでも大丈夫」と自分で言える瞬間が出てきた
 
 
これはまさに 自己調整力(気持ちを切り替える力)が育ち始めたサインです。
 
 
「絶対こうじゃなきゃダメ!」から「これでも大丈夫」に変わることは子どもにとって大きな一歩。
 
 
小さな「まぁいいか」の積み重ねが、やがて大きな成長につながっていきます。
 
 
毎日のルーティンにこだわる子どもに向き合うのは、本当に大変です。
 
 
歯磨きひとつで夜中に大騒ぎされれば、ママだって疲れ果ててしまいますよね。
 
 
でも、こだわりは「困らせたいから」ではなく、「安心したいサイン」
それを理解してあげることが、子どもの安心と成長につながります。
 
 
ママが全部を完璧に守る必要はありません。
 
 
崩れても「やり直せる」「別の方法も大丈夫」と伝えてあげるだけで十分です。
 
 
そして何より大事なのは、ママ自身がラクでいること
 
 
ママの安心は、子どもの安心の土台にもなります。
 
 
無理せず、少しずつ。
 
「昨日と違っても大丈夫」と思える体験を、親子で一緒に積み重ねていきましょう。
 
 
 
 
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執筆者:かさいさち
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
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