「ブランケット症候群」とは、気に入ったブランケット(毛布)やタオル、ぬいぐるみを常に持ち歩いているという症状です。常にブランケットやタオルを離そうとしない我が子の姿を見て、心配になるママも多いのではないでしょうか?本記事では、発達障害グレーゾーンの息子の経験談を元に、ブランケット症候群になってしまう原因と治し方についてご紹介いたします。
1.ブランケット症候群とは?
✓お気に入りの毛布が手放せない
✓生まれてからずっと手放せないぬいぐるみがある
✓大好きなタオルがないと安心できないみたい…
こんなお子さんの様子を心配に思っているママはいませんか?
気に入ったタオルやブランケット、タオルやぬいぐるみを常に持ち歩かないと落ち着かない状態を「ブランケット症候群」(安心毛布)と言います。
肌身離さず持っており、それに執着しているのが特徴的です。
スヌーピーの物語に出てくるライナスがいつも毛布を持ち歩いていることから「ライナス症候群」やタオルケット症候群・安心毛布とも呼ばれています。
ブランケット症候群は年齢を問わず、生後5、6カ月以降の離乳食が始まる頃から成人まで幅広くみられます。特に幼児期にはよく現れる症状です。
男女比については女の子の方が多いという研究報告があります。
その理由は、手にする特定のアイテムがぬいぐるみなどになることが多いため、女の子が多くなるという説もあります。
ブランケット症候群(安心毛布)自体は病気ではありません。適切な育児の中で生じる健全な成長過程の一部です。
そうは言っても、ブランケットやタオルを手放せないお子さんにどう対応したらいいか心配ですよね。
本記事では、ブランケット症候群(安心毛布)の対応でお困りのママに
✓なぜブランケット症候群(安心毛布)になるのか<原因>
✓息子がブランケット症候群になった経験談<発達障害との関係>
✓ブランケット症候群のお子さんにどう関わればいいか<治し方>
についてお伝えしていきます。皆さんが安心して子育てができるお手伝いができたら嬉しいです。
2.ブランケット症候群になる原因 と発達障害との関係
子どもは生まれてから、ママからたくさんの欲求を満たしてもらい育っていきます。
お腹がすいた時は、ママからおっぱいやミルクをもらえますし、排泄した時は、ママにおむつを替えてもらえます。
赤ちゃんの時、子どもは「私とママは一心同体」と思っているわけです。
しかし、成長に伴い、徐々に子どもは母子の同一性が弱まっていきます。
子どもはすぐにはママとの同一性を捨てきれず、同一性を想起させるものがないと不安になることがあります。
そんな時、ママの代わりにブランケットやぬいぐるみなどの対象物を持つことで、子どもは落ち着くことができるのです。
発達障害や不安傾向が強い子どもはこだわりからくる執着や母親から離れることへの不安感などの発達特性から関係してブランケット症候群になってしまうことが考えられます。
お気に入りのものに執着することで安心を得ようとすること自体は、お子さんが自分の感情や不安と向き合えていること証拠ですので、決して悪いことではないということをご理解ください。
むしろ自分の気持ちと向き合っているということは、自立に向けてのスタート地点に立っている状態と捉えることもできるのです!
ブランケット症候群の原因として、親の愛情不足なんて書かれている記事もありますが、決してそうではありませんので安心してくださいね。
『育てにくさを』を感じているママ必見!!
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3.発達障害グレーゾーンの息子は、ずっとお気に入りのタオルを手放せませんでした。
私の息子は、発達障害グレーゾーンの子どもです。
幼い頃から不安傾向が強く、特に新しい場所、新しい人が苦手で、環境に慣れるのに時間のかかる子どもでした。
そんな息子は2歳の頃から大好きなタオルをずっと手放すことなく持っていました。
幼い頃はどこにでもタオルを持っていくと落ち着くことができていたので、母親の私にとってもタオルは子育て必須のアイテムでした。
近所の公園に行く時も、祖父母宅に泊りに行く時も、旅行に行く時も、そのタオルがあればとても安心して過ごすことができていました。
タオルを離す必要がなかったため、常に息子はタオルと一緒でした。
しかし、3歳になり保育園に入園することになり「さすがにタオルと一緒じゃダメかな」と思った私は、息子からタオルを取り上げてしまったのです。
息子は異常なくらい泣き、登園もしぶるようになりました。
またその頃から「ママがいい」が強くなり、家に一緒にいる時でさえ、少しでも離れると「ママ~!」「ママ~!」と泣く様子も見られるようになりました。
タオルを離そうとすればするほど、不安は強くなる一方。
「大事なタオルだからなくしたら困るでしょ?」とどんなに慰めても、「持っていきたい!」とタオルへの執着はどんどん強まっていきました。
4.ブランケット症候群の治し方
そんな息子の様子を保育園の先生に相談すると先生は
「〇〇くんはブランケット症候群ですね!園にもたくさんいますよ!無理にタオルを離すことは逆効果になるので、全然園に持ってきてください!」と教えてくださいました。
私はそれからタオルを持っていきたい時は、本人に任せて持って行かせる。あえて、タオルの話題にふれない。自然に身をまかせることにしたのです。
すると、徐々にタオルに対しての執着は消えていき、入園から1年たった5歳の頃には、タオルのことは全く気にならない様子が見られていました。
小学生になって今もそのタオルは宝物のようですが、自分の机の中に大切にしまってあります。
過去の対応を振り返り、ブランケット症候群のお子さんの対応で大切なことをまとめてみました。
◆対応1 自然に手放すまで見守る。
子どもがブランケット症候群になった時は、無理やりやめさせるのではなく、見守ることが大切です。
なかなか離せない子どもを見ると、心配になり「早く治したい!」と思ってしまう気持ちもわかりますが
子どもにとって、ママの代わりとなる安心できる対象を取り上げられることは、もっと深刻な事態を引き起こすことになってしまうこともあります。
決して急に取り上げたり、捨てたりなんてことはないようにしてくださいね。
◆対応2 同じものを用意する
例えば、対象物がタオルやブランケットだった場合、口に入れることもあるため、衛生面には気をつけなければなりません。
そのため、我が家ではタオルを4分の一に切って、小さなタオルにすることで洗い替えを作りました。
サイズは変わりましたが、手触りやにおいが大切だったようで、切ることには抵抗はありませんでした。
特に息子はタオルの「におい」に執着があったようで、同じ柔軟剤を使うようにしたところ「ママのにおい~」と喜んでいる様子が見られましたよ。
今では、4枚のお気に入りミニタオルがあるため、紛失した時も安心です。
◆対応3 保育園や学校での対応
我が子の場合、発達障害グレーゾーンの特性として新しいことに挑戦する時に不安が極端に強くなる傾向があったため、本人がどうしてもタオルを手放せない状況になるだろうなという日は先生に相談して、保育園に持って行っていました。
入園当初は毎日タオルを持っていっていましたが、徐々に持っていく回数は減っていき、入園して1年経った頃には本当に不安が強い時だけタオルをカバンに忍ばせていました。
あえてタオルについて触れないことで、徐々に本人もタオルに対しての執着は減っていきました。
特に、進級時や就学時、また引越しやきょうだいが生まれた時など、過度に子どもにストレスがかかる時期には無理に離そうとしないでくださいね。
保育園や学校の先生にも相談しておくことをおすすめします。
ブランケット症候群は、子どもが成長するために伴う変化に、適応するための行動であり、決して愛情不足で起こるのではありません。
お気に入りアイテムのおかげで安心して過ごすことができる!とブランケット症候群のメリットに目を向けて、自然に離れる日まで見守ってあげましょう。