時にママをうんざりさせるゲームの勝ち負けに対する強いこだわり。この記事ではそんな子どもの“白黒思考”を緩和する声掛け術と共に、ゲームを悪者にしないで済む、ゲーム中の脳が育つ魅力的な声掛け方法を伝授します。
1.勝ち負けにこだわる子どもに、もううんざり…
毎日のように繰り広げられる『勝ち負け論争』にうんざりしているママはいませんか?
ゲームは大好きなのに勝てないと分かると、とたんに泣き喚く。
「だったらやらなければ良いのに…」
と思う親の気持ちを横目に、 またすぐに再開——そしてまた負けて泣く。
この繰り返しに、ぐったりしてしまう日もありますよね。
この記事ではゲームの勝ち負けへのこだわりを和らげる優しい秘策を伝授します。

2.勝ちしかいらない
我が家には、小学生の兄と幼稚園生の弟が二人います。
誰かがゲームを始めると、すぐにみんなが集まり、始めはワイワイと良い調子。
それがだんだんとヒートアップするにつれて、徐々に雲行きが怪しくなっていきます。
勝敗がわかった瞬間には、誰かが泣き始める始末。
特に長男と次男の時は更に激しく、次男が勝って長男が負けたらもう大変です。
休みの日には特にゲームをする時間が長く、兄弟の攻防はますます激しさを増します。
私も「こんなに泣き喚くなら、やらなきゃいいのに!」
とたまらずに口を出したこ とは一度や二度ではありません。

3.勝ち負けへの強いこだわりは”白黒思考”によるもの
そもそも、なぜここまで“勝ち”にこだわるのでしょうか。
この勝ちに対するこだわりは脳の特性によるものかもしれません。
ASDグレーゾーンの子どもたちの脳の特性として、
こだわりが強く、白黒をはっきりつけたくなる傾向(白黒思考)が出やすいといわれています。
「負けるのはイヤ!」
「次も絶対に勝たなくちゃ」
「勝った=うれしい、負けた=ダメ」
と“勝ち=全て、負け=絶対イヤ”のように受け取ってしまう子も多いのです。
子どもたちの勝ち負け論争がただのワガママだと思っていると、 ママのイライラは募るばかり。
しかし、脳の特性としてそうなりやすいと知っているだけで、受け止め方が変わります。
次の章では実際に、今の困りごとである勝ち負けに対するこだわりを和らげることを叶える優しい秘策をご紹介します。

4.勝たせてあげるということ
こだわりが強い子には、ズバリ、『とことん勝たせてあげる』ことが効果的です。
負けて悔しい思いをしている子をとことん勝たせてあげるのです。
「勝つ」という安心感や達成感が十分に満たされると、 心に余裕ができ、少しずつ「負け」を受け入れやすくなるからです。
この時のポイントは、負ける役になった人は「とにかくポジティブに振る舞う」こと。
例えば、負けた時に
「あ〜負けちゃったよ。でも大丈夫、次があるよね〜」
「悔しいなぁ!でも楽しいから、ま、いっか!!」
とあくまでもポジティブに、負け=悪いことじゃないという姿を見せてあげます。
ポジティブな姿を見せることで「負ける」ということを素直に受け入れられるようになっていきます。
更には、もっと驚きの変化も出てきます。
最初のうちは、もちろん勝てて(勝たせてもらえて)笑顔がいっぱいの子ども。
しばらくすると負け続けていたママに対して
「ママ、次は勝てるよ。大丈夫だよ!」
「次はこうしたら勝てるから!」
と励ました上にアドバイスまでくれるではありませんか。
あれほど勝ちにこだわっていた子が、 人を励ませるほどの心のゆとりを持てるようになるなんて、嬉しい変化ですよね。

5.ゲームを悪者にしない
こうして、勝ちへのこだわりが和らいでくると、ゲームを見守るママの負担もぐんと楽にな りますね。
ゲームで癇癪が起きたり、兄弟で不和が起きたりすると、ゲームを『悪者』として捉えてし まいがちですが、
脳は楽しい!と思っている時や面白い!と感じている時に、たくさん成長するということが分かっています。
だからこそ、ゲーム中は声かけのチャンス。
子どもがゲームをしているとき、怖い顔をしてやめるように注意するのではなく、こんな声 掛けをしてみることもオススメです。
「ゲームやってると楽しい〜?」
「どんなゲームなの?」
「難しそうなゲームだね」
「どんなこと考えながら、やっているの〜?教えて〜」
ママの声掛けに、自分の言葉で説明することでアウトプットをする力も伸ばすトレーニングになります。
さらに「予告」を使った声かけもおススメです。
「今ハマっているゲームのおもしろポイントって何?」
「また明日も教えてよ〜」
「明日は〇〇について聞きたいな!」
「明日話すこと」を考えることで、脳を働かせながらゲームを進めることができます。
このように、ゲームを悪者とせずに逆手にとって、我が子の脳の発達に利用してしまうという方法もあります。
この興味や関心を示す声掛けは、ゲームや動画に集中しているときに大変適しているので、子どもがゲームや動画ばかりしていて、ついイライラしてしまう時などにぜひお試しくださいね。

執筆者:小川よしこ
発達科学コミュニケーション トレーナー




