いい子だと思っていた娘は、周りに合わせて自分の気持ちを言えずにストレスをためる、過剰適応状態でした。 肯定的なかかわりをすることでストレスを取り除いて自信を育て、自分の本当の気持ちを言えるようになった記録です。
1.突然の登校渋り…もしかして過剰適応ではないですか?
学校でも家庭でも「いい子」と思われている子どもが、突然登校を渋ったり、教室へ行けなくなったりして、戸惑っているママはいませんか?
もしかしたらお子さんは、過剰適応の状態かもしれません。
過剰適応とは何か。
自分を取り巻く人や環境に合わせていく力…
つまり適応する力は、生きていく上で必要な力です。
ところが合わせようと頑張りすぎるあまり、自分自身の気持ちや意思を抑えてしまったり、無理に周囲の人が求めるいい子になろうとしてしまったりすることがあります。
そうしてストレスや不安をためこんでしまうのが、過剰適応の状態であるといえます。
我が家の娘がそうでした。

2.『いい子』だと思っていた娘は、過剰適応だった
現在小学4年生の娘は、優等生タイプで友だちとのトラブルもなく、誰にでも優しい、いわゆる『いい子』。
そんな娘が小学3年生の時、厳しすぎる担任の先生への恐怖に耐えられないということで突然登校渋りをするようになり、学校へ行くことができても教室と保健室を行き来する、といった状態になりました。
「4年生になって担任の先生が変われば、きっと元に戻る…。」
そう信じて耐えていた私でしたが、進級して担任の先生が変わっても、娘の状況は変わりませんでした。
「担任の先生は変わったのに…。」
理由がわからず私は困惑しました。
そんな娘がある日、保健室で大爆発したと学校から電話がありました。
ランドセルの中身を床にぶちまけ、上靴を投げ、大声で泣き叫ぶ…。
穏やかな娘からは想像できない姿に言葉を失いました。
きっかけは運動会練習での些細な出来事でした。
友だちのふるまいに思うところがあった娘。
そのちょっとした出来事で爆発してしまうほどストレスをためていたのだと、その時初めて気が付いたのでした。

3.自分の本当の気持ちを言えず、ストレスをためていた娘
理想像が高く、
「いい子と思われたい。」
「いい子でいなくちゃ。」
という気持ちが強い娘は、思うことがあっても自分の本当の気持ちにフタをして『いい子』を演じ、我慢に我慢を重ねながら学校生活を送っていたのです。
そしてストレスをためこみ、消化できずに限界を迎えたことで感情が大爆発してしまったのでした。
教室に行けない一因はこれだったのかと、この時初めて気が付きました。
思えば家庭でも、一番下の妹がわがまま放題をしても怒らず、けんかをめったにしない娘。
娘が優しいからけんかにならないのだとのんきに考えていた私でしたが、「お姉ちゃんだから優しくしてあげなくちゃ。」といつのまにか娘にがんばらせていたのだということに気が付きました。
娘は学校でも家庭でも、過剰適応を起こしている状態だったのです。

4.肯定的なかかわりでストレスを取り除き、自信を育てよう!
まずは家庭でも自分の気持ちを出せるようになってほしい。
そこで私は、発達科学コミュニケーション(発コミュ)で学んだ、肯定的なかかわりを徹底することにしました。
具体的には、
・実況中継をする
(例)「起きてきたんだね!」
「ごはん食べてるね!」
・感謝する
(例)「食器下げてくれるんだね、ありがとう!」
「手伝ってくれるの?助かる~!」
・興味や関心を示す
(例)「何してるの?」
「ママも一緒にやってもいい?」
「へぇ~!それは知らなかった!」
・喜ぶ、驚く
(例)「もう着替えたの??」
「早くてびっくりだよ~!」
「持ってくれてうれしいな!」
・同意する
(例)「ママもそう思うよ。」
「そうだよね。」
・スキンシップ
(例)おはようのハグ
「やったね!」「ナイス!」とハイタッチ
・ジェスチャー
(例)笑顔でうなずく
拍手
グッジョブポーズ
両手で頭の上に丸を作る
といったことをし続けました。
どんなに小さなことでも、できて当たり前なことでも、娘ができているところに目を向けて、ひたすら肯定的なかかわりをしていきます。
できていないところは指摘したくなったり、指示を出したくなったりしてしまいますが、じっと我慢します。
肯定的なかかわりをすることで、娘の脳にたまっているストレスを減らしていくことができました。
そして同時に
「ここでは、気持ちを出しても大丈夫」
「ありのままでも受け止めてもらえる」
という安心感が、家庭の中に育っていったのだと思います。
この“安心できる場所”ができたことで、娘は少しずつ自分の本当の気持ちを外に出せるようになっていきました。
自分の気持ちを出しても関係が壊れない経験を重ねる中で、娘の中に「私は大丈夫」という感覚が育っていったように感じています。

5.自信が育ち、自分の本当の気持ちを言えるようになった!
次第に娘は、学校に行きたくないという気持ちを、泣きわめいたり暴れたりして伝えてくれるようになりました。
また、きょうだいのふるまいや家族間でのできごとに対して気に入らないことがあったときには、声を荒げて怒るようになり、きょうだいげんかも増えました。
一見すると大変に見えましたが、これは「もう我慢して気持ちにふたをしなくていい」と、心が動き始めたサインだったのだと思います。
自分の気持ちを出せるようになってきた娘。
まだまだ肯定的なかかわりを続けていきます。
すると、泣きわめいたり暴れたりすることがなくなっていきました。
今では泣いたり怒ったりしながらも、自分の気持ちを言葉で伝えてくれるようになりました。
勇気を出して、「今日は学校を休みたい。」と言ってくれるようにもなりました。
少しずつ家庭で自分の素直な気持ちを言葉で伝えられるようになった娘。
学校でも少しずつ自分の気持ちを出せたり、自分の気持ちに素直になって行動できたりするようになっていきました。
「算数の授業に出るのは難しいけれど、体育は楽しいから出たい!」
「今日は出られる気分だから算数に出たよ!」
「給食はみんなと食べたいから教室に行くんだ!」
「授業は出たくないけど、放課後友だちと遊んできたいから学校に行く!」
確実に娘は過剰適応の状態から抜け出しつつあり、自信をつけてきています。
肯定的なかかわりをこれからも続けて、娘がより生き生きと自分らしく過ごせるようにしていきたいと思っています。

執筆者: くろかわ えり
発達科学コミュニケーション トレーナー




