4歳の子どもに何度言っても指示が通らない。分かっていないから?それとも、私の伝え方が悪いの?子育て迷子の私がイライラのループを抜け出し、「あ、伝わった!」という手応えを感じられるようになった、視点の変え方をお伝えします。
1.指示が通らない4歳に、戸惑っていませんか
夕方から寝るまでの時間って、 どうしてあんなに慌ただしいんでしょう。
夕飯、お風呂、歯磨き、寝かしつけ。
やることは山ほどあるのに、 子どもはなかなか動いてくれない。
「ご飯できたよ」
「お風呂の時間だよ」
声をかけても返事はなく、 YouTubeを見続けている。
こちらは時間を気にして焦っているのに、 子どもはマイペース。
その差に、気持ちが追いつかなくなっていきます。
4歳。
どうしてこんなに指示が通らないんだろう。
この「届いていない感じ」が、 一日の中で何度も起きる。
それだけで、関わり方に迷いが生まれます。

2.対応の正解がわからず、迷いの中にいたあの頃
私は子どもが4歳のころ、「言えば分かるはず」「聞こえているはず」そんな前提で、毎日声をかけていました。
年齢的にも言葉は通じているし、簡単な会話もできる。
だからこそ、反応がないと
「分かっているのにやらない」
「わざと無視している」
そんなふうに感じてしまっていたのだと思います。
でも同時に、どこかでずっと迷っていました。
強く言えば動く。
でも、それでいいのか分からない。
見守ればいいとも聞くけれど、どこまで待てばいいのか分からない。
近づくと甘やかしになる気がして、離れると放置している気がして。
結局、 声をかけて → 反応がなくて → イライラして → 声が強くなる。
このループを一日に何度も繰り返していました。
「対応、これで合ってるのかな」
「私の関わり方が間違ってるのかな」
そんな不安を抱えたまま、毎日を回していた気がします。

3.指示が通らないのは、言葉を受け取る準備が整っていないのかも
指示が通らないたびに、「どう伝えればいいんだろう」と考えていました。
でも、発達について学ぶ中で、 少し違う問いに出会いました。
「この子は今、 言葉を受け取れる状態なんだろうか」
子どもが反応しないとき、 それは「理解していない」のではなく、 そもそも言葉が入りにくい状態なのかもしれない。
・遊びに没頭しているとき
・頭の中が自分の世界でいっぱいになっているとき
その状態の子どもに、 遠くから言葉だけを投げても、 届かないことがあります。
子どもが反応しない=理解していない、とは限りません。
「指示が通らない」のは「内容が難しい」という意味ではなく、 そもそも入力されていないことを示している場合がある。
この視点を知ったとき、 それまでの私の関わり方が、 少し違って見えました。
私はずっと「どう説明するか」「どう分からせるか」に意識を向けていました。
でも本当に必要だったのは、 今、この子は受け取れる状態か? という確認だったのです。
この前提に立つと、 子どもの行動の見え方が変わります。
動かないのは、反抗ではない。
無視でもない。
理解しようとしていないわけでもない。
ただ、 まだ受信できていない状態だった。
ここを見誤ると、どれだけ正しい言葉を選んでも、どれだけ丁寧に説明しても、届かないままになります。

4.4歳の子の世界に一歩入ったら、初めて「あ、伝わった!」を感じました
「聞いていない」のではなく、 「入っていない状態がある」。
この視点に立ってから、 私は声のかけ方を工夫しようとするのをやめました。
代わりに見たのは、今、この子の世界に私は入れているか という一点です。
遠くから声をかけるのではなく、子どもの視界に入る。
顔が向かないときは、そっと肩や背中に触れる。
それだけのことでした。
すぐに動かなくても、「今いいところだから待って」「あとで行く」 そんな言葉が返ってくる。
そこで初めて、「あ、伝わった!」と感じました。
理解していなかったわけじゃない。
やっと通じた、と心から思えた瞬間でした。
行動を変えようとしたのではなく、 前提を変えた結果、関わり方が変わった。
この順番が、私には大事でした。

5. 正解を探すより、「見る視点」を育てていく
「この対応でよかったのかな」そう思う瞬間があるのは、ちゃんと子どもを見ようとしているからだと思います。
子育ては、 この先もずっと続いていきます。
だから、一度分かったら終わり、ではなくて、その都度、立ち止まりながら進んでいくもの。
うまくいかなかったときは、「やり方が間違っていたのかな」だけで終わらせずに、
私は今、子どもをどう見ていただろう
そんなふうに振り返ってみる。
答えを急がなくても大丈夫。
子どもを動かす方法を探し続けるよりも、 今どんな状態かを見る力を育てていくこと。
そのほうが、遠回りに見えて、いちばん確かな近道なのかもしれません。

執筆者:渡辺 さくら
発達科学コミュニケーション アンバサダー




