子どもの強いこだわりは、不安のサインかもしれません。安心のためのこだわりを無理にやめさせると余計に不安になってしまいます。息子の強いこだわりを否定せず、寄り添うことで、こだわりが弱くなってきた実話をご紹介します。
1.子どもの強いこだわりは不安のサイン
お子さんの強いこだわりにイライラし、疲れ果ててしまっているママはいませんか?
・この服じゃないと嫌!
・この順番じゃないとダメ!
・これは捨てたくない!
・お出かけにはこれを持って行く!
お子さんによって、さまざまなこだわりがあると思います。
1つ2つのこだわりは成長の過程でよく見られることも多く、必ずしも問題になるとは限りません。
しかし、複数の強すぎるこだわりを持っている場合、お子さんが何かしら不安を感じているサインかもしれません。

2.息子のこだわりをやめさせようとしていた過去の私
私の息子も、色々な物や行動に、強すぎるこだわりを持っていました。
・お風呂は、自分が一番に入らないと嫌
・外出時は、複数のぬいぐるみを持って行きたがる
・お菓子などのかわいいパッケージを捨てたがらない
・新しい服や靴には抵抗がある
などなど数え切れないくらいのこだわりがありました。
私は、「どうしてそんなことにこだわるんだろう?」と理解できず、どうにかやめさせようとしていました。
強すぎるこだわりがあると、私自身の負担が増え、家族全体の迷惑になる…と思っていたのです。
息子がこだわるたびに、呆れた顔をしたり、ため息をついたり…。
そして、「もう〇歳なんだから!」「そんなのゴミだから捨てなさい」 などと、息子のこだわりを否定していました。
すると、息子は怒ったり、泣くことで抵抗してきました。
私は、息子のこの強すぎるこだわりを単なるわがままだと思っていたのです。

3.こだわりは安心のためのものだった
そんな中、発達科学コミュニケーション(発コミュ)の学びの中で、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの特性として「強いこだわりがある」ということを知りました。
そして、その「こだわり」はわがままではなく、安心するために必要なものであることを学びました。
息子は、ASDの特性をもっています。
息子の場合、お風呂は「先に誰かが入ると、自分がいつ入れるのかわからない」という不安がありました。
また、外出が苦手な息子は、安心するためにいつもぬいぐるみを持ち歩いています。
それにもかかわらず私は、必死でやめさせようとしたり、「親のやり方」に従わせようとしていました。
今振り返ると、その関わりこそが息子の不安をさらに強くしていたのだと思います。
発達に関する研究でも、ASD傾向のある子どもは変化への不安が強くなりやすいと言われています。
そのため、「自分なりのやり方」や「いつも通り」を守ることで、安心を保とうとしていることがあります。
そのやり方を否定されると、自分を守るために強い反応として表に出てしまうこともあります。
私はこの学びを通して、「子どものこだわり」という特性はそのまま受け止めることが、何より大切なのだと気づきました。
では、こだわりの強いASDキッズに対して、親は具体的にどのように関わればよいのでしょうか。

4.子どものこだわりへの寄り添い方
そこで私は、息子のこだわりをできる範囲で受け入れると決めました。
そして同時に、少しでもこだわりが弱まっている瞬間があったら、言葉にして伝えることを意識しました。
また、夫など他の家族にも、「息子にとって、こだわりは安心のために必要なものなんだ」 と伝え、受け入れてもらえるよう協力をお願いしました。
息子がこだわりを見せた時は、「わかったよ」と伝え、嫌な顔を見せずに受け入れるよう意識しました。
我が家で実践したこと
・お風呂は、できるだけ最初に入らせてあげる
・外出時は、好きなだけぬいぐるみを持って行ってもOK
・捨てたくないパッケージは切り取ってノートに貼る
・毎日同じ服を着てもOK
そして、ほんの少しでも変化があったときには、「今日はいつもより、ぬいぐるみを少なくできたね」 とできた行動そのものを短く伝えました。
このように、息子のこだわりを理解し、否定しない関わりを心がけました。
大事なのは、「どうしてそんなにこだわってるの?」という否定的な態度を見せないことです。
ママは自分のこだわりを理解してくれている。
そう子どもに感じてもらうことが、何より大切だと感じています。
すると、息子の中に「これでも大丈夫なんだ」という安心が少しずつ積み重なっていきました。

5.安心による息子の変化
こだわりを受け入れ、安心が積み重なっていくうちに、まずは私自身がとてもラクになりました。
「この子はこういう特性があるんだ」と理解でき、やめさせなくても大丈夫だ、と思えるようになったのです。
しばらくすると、息子にも小さな変化が見られるようになりました。
まず、お菓子のパッケージを「捨てないで!」と言うことが減りました。
最初は、ちゃんとノートに貼っているのかを何度も確認していましたが、最近では全く確認しなくなりました。
次に、外出時、ぬいぐるみを一つだけ持って行く日が出てきました。
そして、先日ついに「今日はぬいぐるみは持たないで出かける!」と宣言したのです。
小さいころから肌身離さず持ち歩いていた、一番のお気に入りのぬいぐるみを置いて、出かけることができました。
強いこだわりが、全てなくなったわけではありません。
しかし、こだわりを受け入れることで、息子の中で安心が積み重なり、少しずつこだわりを手放しているように感じています。
お子さんの強いこだわりに困っているママは、まずは、こだわりを思い切って受け入れるところから始めてみてください。
そうすることで、お子さんが安心を感じ、いつの間にかこだわりが気にならなくなっているかもしれません。

執筆者: 三谷 のぞみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




