4歳児の「着替えをしない」問題に悩んでいませんか?まずは子どもが安心できるように大人側の捉えや関わり方を整えると、こちらの声に気づき、応じてくれる場面が増えてきます。
1.指示してもすぐに動いてくれない4歳息子にイライラしていた私
あなたには、こんなお悩みありませんか?
- 子どもが指示通りに動いてくれない
- 保育所や学校の先生の指示には従えているのに私の指示は聞かない、もしくは反発する
- 「〜しないでね」などの否定的な声がけが伝わりにくいのは知っている。でも「〜してね」と具体的に伝えても動いてくれない
- 私のことが嫌いなの?と不安
- 何とか指示に従ってほしくてイライラ
私もそうでした。
私の4歳の息子には、自閉スペクトラム症(ASD)の特性があります。
活動ごとの切り替えが苦手で、夢中になると周りの声が届きにくくなり、食事やお風呂、着替えなどの「やるべきこと」に移る時に、とても時間がかかってしまいます。
特に私が悩んでいたのは、お風呂上がりになかなか着替えられず、裸のままで過ごしてしまうことでした。
しかし、関わり方を少し変えただけで、お風呂上がりに「着替えよう」と声をかけると息子が自分から動ける場面が増えていきました。

2.お風呂上がりに着替えをしない息子に怒鳴ってしまう
お風呂上がりに裸のままでいると、いくら部屋が暖かくても風邪を引いてしまうかもしれない。
息子の場合、ぜんそく持ちということもあり、一旦風邪を引くと悪化しやすい。
娘に移る可能性もある。
時計で「長い針がここに来たらおしまいね」と見通しを示したり、息子の好きなキャラクターになりきって声がけをしたりと、自分なりに工夫していましたが、息子は遊びに夢中になり、寝る直前まで着替えをしません。
返事もしない息子にイライラし、「なんで私の言うことだけ聞かないの?」と感じてしまい、しまいには「風邪引くよ!入院さんになるよ!!」と怒鳴ってしまうこともしばしばでした。
一方では、「イライラして怒鳴る関わりを続けることで、着替え自体が嫌いになってしまうかもしれない」という思いや息子への罪悪感もあり、うまくできない自分を責めていました。

3.子どもが指示を聞ける状態にするために、まずは大人の関わり方を見直した
以前の私の声がけも、ASDの視覚的理解の強さや子どもの興味関心を踏まえていたものであり、関わり方としては間違いではなかったと思います。
ただ、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学び気づいたのは、取り組む「順番の違い」でした。
子どもが安心していない状態では、どんな指示も届きにくいということです。
夢中になっているときや気持ちが整っていないときに、 いくら正しい声かけをしても子どもには届きません。
それでも以前の私は、「早く着替えさせなきゃ」と焦るあまり、強い口調やこわばった表情で何度も同じ指示を繰り返してしまっていました。
すると、息子はますます反応しなくなり、私の声も届きにくくなっていったのです。
本当は息子の体調のことを心配していたからこその声がけだったはずなのに、その思いとは裏腹に関わり方がうまくいかず、 親子の空気がギクシャクしてしまっていました。
そこで私は、「いきなり指示を出す」のではなく、まず安心できる関わりをつくることから始めるようにしました。
すると少しずつ、息子がこちらの声に気づき、応じてくれる場面が増えていきました。

4.私が実践した3ステップ
そうして私が取り組んだのは、次の3ステップです。
どれも特別なことではなく、今日からすぐにできる関わりです。
①息子に近づいて、穏やかな声のトーンと表情で声をかける
まずは「ママは怒っていない」と子どもを安心させることが大切です。
例えば、台所から大きな声で「早く着替えて!」と伝えてしまうと、子どもはびっくりしてしまったり、気持ちが固まってしまうことがあります。
そのため、「息子に近づいて」「穏やかな声」と「口角を上げて」声をかけることを意識しました。
②同じトーンでシンプルに伝える
子どもが何かに夢中になっている時には、大抵周りの声は耳に入りません。
ママが何度も声をかけても伝わらないと、だんだんと声が強くなってしまうことがありますよね。
そして子どもが気づいたときには、ママはすでに激しい口調やけわしい表情になっている…ということも少なくありません。
このままでは、子どもに伝えたいことが届きにくいままだと感じました。
そのため、子どもがいつ気づいてもいいように、「同じトーンで」声がけを続けることを意識しました。
そしてもう一つ、私の中で大きかったのは、「一度で伝わるとは限らない」と前提を持ち直したことでした。
これまでは「どうして一度で聞いてくれないの?」と焦る気持ちがありましたが、「気づくまでに少し時間がかかることもある」と捉え直すことで、気持ちに余裕が生まれ、落ち着いて関われるようになっていきました。
③実況中継でこまめに褒める
発コミュのテクニックの一つに「実況中継」があります。
これは、普段子どもが普通にしていることを、そのまま言葉にするというものです。
「できた(完了した)」ことだけではなく「やろうとしている」「手を伸ばした」といった途中の行動も、そのまま言葉にしていくのが大事なポイントです。
例えば、「ズボンに手を伸ばしたね」「右足入れようとしてるね」 といったように、小さな動きをそのまま伝えていきます。
こうして子どもの行動に注目していくと、「ママやパパが見てくれている」という安心感に支えられて、子どもは行動するようになります。

5.「やってみよう」の気持ちもまずは安心感から始まる
ある日、息子はお風呂上がりにオムツ1枚でキノコの図鑑を一心に眺めていました。
私はこれまでのように遠くから声をかけるのではなく、そっと隣に座り、「息子ちゃん、何見てるの?」とやさしい声で話しかけました。
すると息子は「これはツキヨタケだよ」などと、こちらを見て穏やかに答えてくれました。
そのタイミングで、同じトーンのまま、「オムツ履いたんだね。ツキヨタケのところ見終わったら、ズボン履いてみよう」と声がけをしました。
すると息子は「うん」と頷き、約束のページを読み終えると、ズボンを手に取りました。
その瞬間、「あっ、ズボン履こうとしてるんだね」「右足出てきたね、次は左足入れたね」など、子どもができていること、やろうとしていることを次々に言葉にしました。
すると、途中何度か遊びに脱線しながらも、最後まで自分で着替えを終えることができました。
こうした関わりをくり返したことで、以前に比べて子どもがお風呂上がりにスムーズに着替えてくれるようになりました。
また、私自身も、「すぐに着替えさせなければならない」「今すぐ指示に従わせなければならない」と焦ることが減り、子どものペースを待ちながら関われるようになっていきました。
今後もまずは親子関係を整えることを意識しながら、子どもと関わっていきたいと思います。
まずは今夜のお風呂上がりに、「近づいて声をかける」ことだけでも大丈夫です。
その一回で、少し違いが見えてくるかもしれませんよ。

執筆者:とうまわかな
発達科学コミュニケーション アンバサダー





