切り替えができない子どもに悩んだ私が変えた「予告」の声かけ

お母さんに抱っこされて嬉しそうな男の子
切り替えができない子どもを「わがまま」と捉えていた私が、原因を理解し、予告で整える声かけに変えたことで、子どもも私も落ち着いて次へ進めるようになった体験をまとめました。
 
 

1.切り替えできない子どもにイライラしてしまう私の葛藤

 
 
好きなことをしているときは夢中なのに、次にやってほしいことになると、まるでスイッチが切れたように動かなくなることがあります。
 
 
「もう終わりだよ」
「次はこれやろうよ」
 
そう声をかけるたびに、私の声は少しずつ強くなっていきます
 
 
最終的には切り替えますが、それは納得して動いたというより、
 
「これ以上動かないと、ママがもっと怒りそう」
 
そんな不満からの切り替えでした。
 
 
しかし私は、本当は子どもが自分で気持ちを整え、次に何をするかを選べるようになってほしいと思っていました。
 
 
困る母親と泣いている子ども
 
 

2.「わがまま」だと思い、強くいってしまっていた私の関わり

 
 
わが子は、ひとつのことに夢中になると、次の行動になかなか移れませんでした
 
 
ゲームをしているときには、
 
「何分やっているかわかる?」
「いい加減、終わりにしたら?」
 
そんな声かけが増えていきます。
 
 
出かける前の支度も同じでした。
 
 
「早くしようよ」
「みんな待っているんだけど」
 
そう言っても、なかなか動きません
 
 
お風呂に入らない、着替えない、遊びをやめない。
 
 
「みんながお風呂入るの遅くなっちゃうよ」
「今日はパジャマで行くの?」
「ママの話、聞こえてる?」
 
 
声をかけるたびに反応がなく、自分からやめられない様子を見るほど、私の声はどんどん大きくなっていきました。
 
 
気づけば、伝えたいことよりも、イライラした気持ちのほうが前に出てしまい、
 
「どうして、この子は自分で切り替えられないんだろう」
 
そんな思いを抱えながら、毎日のように同じやりとりを繰り返していました。
 
 
イライラしているお母さん
 
 

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3.切り替えられない本当の理由に気づいたとき

 
 
当時の私は、切り替えられない姿を「わがまま」だと捉えていました
 
 
でも振り返ってみると、そうではありませんでした。
 
 
まず、子どもは時間の感覚がまだはっきりしていません
 
 
「もうすぐ終わり」という曖昧な言葉だけでは、自分がどれくらいのところにいるのかを、うまくつかめないのです。
 
 
また、急に提案されると、気持ちが追いつかないこともあります。
 
 
大人のように、「今やっていることを終えて、次にこれをする」という切り替えを、頭の中で瞬時に描くことが難しいのです。
 
 
その状態で
 
「もう終わりだよ」
「次はこれをやろう」
 
と声をかけられると、行動を選ぶ前に、気持ちが置いていかれてしまいます。
 
 
つまり、切り替えられなかったのは、やる気や性格の問題ではなく、心と頭の準備が整っていなかったからでした。
 
 
大人にとっては当たり前の切り替えも、子どもにとっては、気持ち・見通し・行動を同時に切り替える必要があります
 
 
その準備が整わないまま行動だけを求められると、子どもはどうしていいかわからず、立ち止まってしまいます
 
 
私はその姿を「わがまま」だと受け取っていましたが、実際には、切り替えられないのではなく、切り替えるための助けが足りていなかっただけでした。
 
 
この理解がなかった私は、子どもが動かないほど声を強めてしまい、結果的に、切り替えをさらに難しくしていたのです。
 
 
気づきと人形
 
 

4.切り替えを助ける「予告」の声かけとは

 
 
そこで私が取り入れたのが、発達科学コミュニケーション(発コミュ)で学んだ「予告をする」声かけでした。
 
 
ただ、「予告」といっても、大人が思っているよりも、ずっと前から伝えておくことが大切でした。
 
 
「あと5分」「あと10分」では、子どもの気持ちの準備は、まだ整っていないことも多いのです。
 
 
切り替えに必要な時間は、その子によって違います。
 
 
30分前や1時間前、場合によっては半日や1日くらい前から伝えておくことで、少しずつ気持ちの準備ができ、動きやすくなっていきます。
 
 
実際、我が家の場合は30分前に予告すると切り替えやすいようでした。
 
 
大切なのは、「何分前に伝えるか」ではなく「この子が動き出せる準備が整っているか」を見ながら調整していくことでした。
 
 
こうして見通しを伝えたうえで、最後の一歩を後押しする形で取り入れたのが、カウントダウン(カウントアップ)を使って、切り替えを楽しくする方法です。
 
 
「さあ、誰が最初にお風呂に入れるでしょうか。10、9、8……」
「何秒で着替えられるでしょうか。よーい、1、2、3……」
「10秒の間に、靴を履けるでしょうか」
「ゆっくり30秒数えます。その間にゲームを片付けられたら勝ちです」
 
 
こんなふうに声をかけると、「やめなさい」や「早くして」と言わなくても、ゲーム感覚で動いてくれるようになりました。
 
 
数を数えながら、少し大げさに楽しそうな声を出したり、音楽のように口ずさんだりすると、子どものテンションが一気に上がることもありました。
 
 
「切り替えよう」と促すのではなく、事前に見通しを伝え、気持ちの準備を整えたうえで、次に進める入口をつくってあげる事が必要だったのです。
 
 
男の子を膝の上に座らせて笑っている女性
 
 

5.関わりを変えて見えた子どもの変化

 
 
今でも、すべてがうまく切り替えられるわけではありません。
 
 
気持ちが追いつかず、立ち止まることもあります。
 
 
それでも以前に比べると、次に何をするのかを受け取り、行動を切り替えられる場面が増えてきました。
 
 
私自身も、ただ言葉で伝えるだけではなく、どうしたら子どもが動きやすくなるかを考えて、声をかけられるようになりました。
 
 
子どもの今の気持ちに合った関わり方を選べるようになったことで、私も子どももイライラした空気の中で過ごす時間が減っていきました。
 
 
切り替えがうまくいくかどうかだけでなく、その過程を一緒に進めている感覚が、親子の関係を穏やかにしてくれています。
 
 
お母さんに抱っこされて嬉しそうな男の子
 
 

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執筆者: 夏井さや
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
 
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