不登校で無気力・無表情だった息子。 正しいと思って続けていた声掛けをやめ、「元気にしようとして言葉を足さない関わり」に変えたことで、少しずつ笑顔と会話が戻りました。不登校の回復段階と、今日やめていい声掛けを体験から伝えます。
1.無気力な不登校の子に、どう関わればいいのかわからないあなたへ
不登校になり、
- 何もやる気がない
- 表情がなく、会話もしない
- ゲームやYouTubeばかり見ている
そんな我が子を前に、「このままで大丈夫なの?」「何か声を掛けなきゃいけないのでは?」と、不安と焦りでいっぱいになっていませんか。
私も、まさに同じ場所に立っていました。
「何かしてあげなきゃ」私もそんな思いから、励ましたり、声を掛けたり、元気になってもらおうと関わっていました。
しかし、その正しいと思って続けていた声掛けで、逆に心を閉じさせていました。
この記事では、不登校で無気力だった息子が、少しずつ笑顔と会話を取り戻すまでに、私がやめた関わりについてお伝えします。

2.無表情・無気力になっていった息子を前に、私が一番怖かったこと
息子が不登校になったあと、部屋で静かに涙を流している姿を見たときは、胸が締めつけられる思いがしました。
笑顔が消え、会話もほとんどなくなりました。
食事の量が減り、体重も減っていく。
ただぼーっとしている時間が増えていく息子を見て、「この子の心と体は大丈夫なのか」そればかりが頭から離れませんでした。
何か話しかけても反応は薄く、励ましても、注意しても、何も変わらない。
母親として、我が子に「何もできていない」ような気がして、ただ時間だけが過ぎていく感覚でした。

3.なぜ、そこまで追い込まれてしまったのか
あとから振り返ってわかったことがあります。
息子は、発達の特性から学校生活の中で困る場面が多くありました。
それでも「みんなについていかなきゃ」と、精一杯、無理をして頑張っていたのです。
家に帰ってからも、宿題の督促や、できないことへの注意、指摘ばかり。
息子にとって休まる場所はどこにもなく、心も体も限界を迎えてしまった結果が、無気力・無表情という状態だったのだと思います。
ここで、私自身が一番見落としていたことがあります。
それは、「早く元に戻さなきゃ」「この状態をどうにかしなきゃ」という、親としての焦りでした。
その焦りから、
- 動かそうとする
- 話させようとする
- 前向きにさせようとする
関わりをしてしまっていました。
しかし、それは、回復を助けるどころか、子どもをさらに追い込む関わりになっていたのだと、あとから気づいたのです。
不登校には、回復の段階があります。
立ち止まる時期、休む時期、心が少しずつ動き出す時期。
その順番を知らずに、「今すぐ何かさせよう」としていたことが、息子の心を閉ざす原因でした。
だからこそ、私が最初に変える必要があったのは、子どもではなく、私自身の「関わり方」そのものだったのです。

4.「話させよう」「変えよう」をやめたら、関係が動き出した
発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学んで、私がまずやめたことがあります。
それは、「正そう」「話させよう」とする関わりです。
以前なら怒ったり注意していた場面でも、すぐに言葉を返すのではなく、息子の行動や言葉を、いったん受け取る。
無理に会話を広げようとせず、息子がしているゲームやYouTubeに、「何を見ているの?」と興味を向ける。
意識したのは、この3つだけでした。
- 会話を無理に『広げない』
- 行動を『変えさせない』
- まずは『同じ世界を見る』
具体的には、ゲームやYouTubeなど、息子が興味を持っていることに合わせて、「何を見ているの?」と関心を向け、「へえ」「そうなんだ」と受け取るだけで終わってOKにしました。
正しい方向に導こうとする感想や評価、アドバイスは言いません。
私は「いい声掛けをしよう」とするのをやめ、関係が壊れない声掛けだけを残しました。

5.少しずつ戻ってきた、息子の笑顔と日常
関わり方を変えてしばらくすると、無表情だった息子に、笑顔が戻り、大好きなゲームの話をしてくれるようになったのです。
会話の量が増え、「今日はこんなことがあった」と、自分から話す場面も出てきました。
不登校=「止まっている」ではなく、「回復の途中にいる」。
そう感じられるようになった出来事でした。
今日、何かを頑張らなくて大丈夫です。
ただひとつだけ、子どもを元気にしようとして、「言葉を足すこと」をやめてみてください。
「大丈夫?」
「何か話してもいいんだよ」
「このままでいいのかな」
どれも、子どもを想う優しい言葉です。
でもその奥に、「早く元気になってほしい」「この状態を変えたい」という親の焦りがあると、子どもはそれを敏感に感じ取ります。
不登校の回復は、何かをさせることから始まるのではなく、安心できる関係が保たれることから始まります。
関わりを変えるというのは、新しい声掛けを覚えることではなく、これまで無意識に足していた言葉を、そっと引くこと。
それだけで、子どもの表情が少し変わる日がきっとやってきます。

執筆者:山口 あおい
発達科学コミュニケーション トレーナー




