学校では「いい子」なのに…家に帰ってくると疲れて機嫌が悪く、暴言・暴力・癇癪。もしかするとお子さんはひといちばい敏感な子ども=HSCかもしれませんね。学校では感じなくても良いこと、考えなくてもいいことまで脳をフル回転させてがんばっているお子さんです。ご家庭では心地のよい安全基地を作ってあげましょう。
1.ぐったり疲れてしまうお子さんの様子を心配しているママへ
✔️よく気が利く
✔️みんなのお手本となる行動をとる
✔️人の気持ちを理解できる
✔️やると決めたことはしっかりやり遂げる
いわゆる学校では「いい子」
しかし、家では緊張の糸が切れたように、ぐったり疲れていて、イライラ怒ったり、癇癪を起こしたり…
時には夜までぐっすり寝てしまって、起きないことも。
何かの病気?
何か精神的に苦しいのかな?
お子さんのひどく疲れている様子を心配しているママはいませんか?
もしかすると、お子さんは学校でひといちばい敏感にいろんなことを感じているため、ママが想像する以上に疲れてしまっているのかもしれませんよ。
2.HSCって何?
最近、よく耳にする「HSC」という言葉。
HSCは「Highly Sensitive Child」の略語です。
HSC=【ひといちばい敏感な子ども】は、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士によって提唱されました。
最近はHSCに関する書籍も多く存在するようになり、ネットやSNSでも認知が広がっていますよね。
✔️生まれつき感受性が強い。
✔️深く考えて行動する。
✔️豊かな想像力がある。
✔️悲しみや喜びを他の子よりも強く感じてしまう
どうでしょうか?お子さんの様子に当てはまるものがありますか?
もし、お子さんがHSCであるならば…
たくさんのことを敏感に感じとってしまうが故に、学校生活でどっと疲れてしまっているのかもしれませんね。
【HSCチェックリストはこちら】
ひといちばい敏感な子ども10の特性と育て方のポイント
3.HSCは疲れやすい
HSCに該当するお子さんは必ず以下の『4つの性質』を持っていると言われています。
①深く考える
②刺激を受けやすい
③共感力があり、感情の反応が強い
④些細な刺激を察知する
この4つの性質はHSCが持って生まれた「宝」であると私は信じています。
しかし、この性質とうまく付き合って、生活に生かしていくためには、随分と時間がかかるものです。
特に子どもは繊細が故に、学校などの集団生活ではその子なりの苦難がたくさんあるでしょう。
ここではHSCが持つ「4つの性質」の中の1つ。
『深く物事を考える』という性質について、HSCが学校生活でどのような感覚で物事を捉え感じているのかを私の実体験を踏まえてお伝えします。
〜深く物事を考える〜
例えば、学校生活の日常の会話で先生が何気なく「好きな場所に座ってください」と言ったとします。
たったこの一言でHSCはその瞬間多くのことを考えます。
・「ここに座ったらあの子から嫌がられるかも」
(人からどう見られるか)
・「ここに座ったら先生から当てられるかも」
(注目をされないか)
・「ここに座ったら日差しが入ってきて暑そう」
(危険ではないか)
こんなことを「あれでもない」「これでもない」と短い時間の中で考えながら、結局は自分の座りたい席には座れずに、お友達の言うなりになったり、余った席を選んだりします。
先生がさりげなく言った「好きな場所に座ってください」の一言でこれだけのことを考えているのですから、学校生活では脳がパンクしてしまうほどたくさんのことを考えていることが推測されます。
ましては子どもの世界は矛盾だらけですから、HSCが考えても考えても答えがでないことなんて山ほどあるはずです。
「物事を深く考える」性質を持っているが故に、HSCは学校生活で脳をフル回転している状態。
家に帰ってきてどっと疲れてしまうのもしょうがないことかもしれませんね。
4.家庭はHSCが安らげる安全基地であってほしい
ここまで読んでいただくと、どれだけHSCが学校生活の中でがんばっているのかをわかっていただけたと思います。
そこでHSCが学校から帰ってきて、どっと疲れている時に、ご家庭ではどのように対応してあげたらいいのか。
私から1つアドバイスさせていただきます。
例えば…あなたが共働きをしているとして。
日中は上司に気を使いながら、部下への配慮も怠らず、仕事を完璧にこなし、自分が言いたいことも言えずにヘトヘトになりながら働いた後に…
帰宅後、夫から「これができてない」「これもできていない」と家事や育児の粗探しをされて、「あれもしろ」「これもしろ」と威圧的な言葉で指示を出されたとしたら…
あなたはどう感じますか?
あなた自身がHSP=ひといちばい繊細な人ではなかったとしても。
そんな生活耐えられないですよね?
では、あなたはお子さんが学校から帰ってきて
「宿題を終わらせてしまいなさい!」
「片付けをしなさい!」
「家でぐうたらせずにお友達と遊んできなさい!」
なんて言ってしまっていないでしょうか?
学校で脳をフル回転して、どっと疲れているHSCに対して、唯一の安らぎの場である家庭の中で、ママが指示出しばかりしていたら、子どもにとって休める環境がなくなってしまいます。
指示出しばかりしていると、子どもを追い詰めてしまい、そのうち学校に行けなくなったり、癇癪がひどくなったり、頭痛や腹痛を訴えるなどの二次障害に発展してしまうこともあるのです。
もうすでに家での癇癪がひどい、感情の起伏が激しいというお子さんは「ママ、疲れたよ!助けて!」というSOSが出ているのかもしれません。
学校から帰ってきたら、ご家庭ではお子さんのやりたいことをさせてあげたり、ゆっくり一人になる時間などを取るなどして、フル回転してきた脳を癒してあげてくださいね。
この記事を読んだママが、頑張り屋のHSCの心地の良い安全基地になれることを願っています。