「この子の気持ちがわからない!」そんな風に悩んだことはありませんか?「うちの子は発達障害グレーゾーンだから仕方ないのかな」 と諦める必要はありません!子どもが自分の気持ちを話せるようになるための3つの対応をお伝えします。
1.「どうしたい?」と聞いても答えられない、本心がわかりづらい子どもへの対応
子どもが泣いたり怒ったりしているものの、どうしてほしいのかがわからず対応に困るということはありませんか?
「自分の子どもなのに、全然気持ちがわかってあげられない…」
そんな風に親としての自信を失くし、悩んでいるママはたくさんいるのではないでしょうか。
また、言葉は話せるのに、話してほしいときにかぎって口をつぐんでしまう子どもの態度に、イライラもやもやしているママもいると思います。
2.我が子なのに、気持ちがわからない!親としての自信を失くし、悩み続ける毎日
長男は注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)の傾向を併せ持っている発達障害グレーゾーンの子ですが、言葉の遅れなどはなく、日常会話は普通にできます。
ですが、自分の思い通りにならない時や不安が強い時は、泣く、怒るなどの表現のみで、自分の気持ちを言葉で伝えるということが全くできなくなってしまいます。
発達障害グレーゾーンということもあり、こだわりや苦手意識が人一倍強いので、
「こうしたい!」、逆に「こうしたくない!」と思っていることはたくさんあるはずなのに、
それをなかなか理解してあげられないことに悩み、日に日に母親としての自信を失くしていく、そんな毎日を送っていました。
3.言葉は話せるのに、自分の気持ちを伝えられない理由とは
なぜ、発達障害グレーゾーンの子どもは自分の気持ちを言葉に出来ないのでしょうか?
それには、発達障害グレーゾーンの特性が関係しています。
・ネガティブな記憶が残りやすい
危険なことや不安なことを察知して記憶しておくというのは、誰もが持っている自分の身を守るために必要な脳の働きの1つですが、発達障害グレーゾーンの子たちは、この働きがとても敏感です。
そのため、楽しいことや嬉しいことよりも、悲しいこと、怖いことなどのネガティブな記憶の方が残りやすいという傾向があります。
さらに、一度ネガティブな記憶が定着してしまうと、それを消すことはなかなかできません。
自分の気持ちを話すということに強い抵抗がある子は、過去に自分の気持ちを話しても聞いてくれなかった、もしくは話しても否定された、などのネガティブな記憶が根強く残っているのかもしれません。
・自分の気持ちを言葉にする仕方がわからない
脳には発達するのに適切な順番がありますが、発達障害グレーゾーンの子たちの場合、その順番通りに脳が発達しないというケースがあります。
発達の順番や速度にアンバランスが起きてしまうと、気持ちを言葉で表現するということがなかなかできず、本人も「伝えたいけど、どうやって言えばいいのかわからない」と困っているのです。
その困った気持ちが「ママ、わかってよ!」という怒りになり、癇癪に繋がるということもよくあります。
4.発達障害グレーゾーンの息子が自分の気持ちを話せるようになった、3つの対応とは
では、そんな発達障害グレーゾーンの子どもたちが自分の気持ちを話せるようになるためには、どんな対応が必要なのでしょうか。
ここでは私が実践してきた3つの対応を紹介します。
①できていないことをいちいち注意したり、叱ったりしない
どうしても周りの子と比べて焦ってしまったり、「毎日言っているのにどうしてできないの?!」とイライラしてしまうことがありますよね。
ですが、発達障害グレーゾーンの子どもたちは、どんな時もどんなことにも、精一杯取り組んでいます。
独特の感性を持っていたり、不器用なところがあったりするため、周りについていくことが人一倍大変なのに、その頑張りが見えづらいのです。
まずはママがそこに理解を示し、寄り添ってあげましょう。
また、時には頑張りが結果に結び付かないこともありますが、一生懸命頑張ったのに「なんでできないの?!」と言われると、傷つき、自信を失ってしまいます。
反対に、思うような結果が得られなかった時に、「頑張ったね!」と褒めてもらえると「気持ちをわかってもらえた!」と嬉しくなり、「次も頑張ろう!」と思えるのです。
できていないことは敢えて指摘をせず、温かい目で見守るようにしましょう。
②できていることをこまめに褒める
”褒める”と聞くと、「できていることなんて無い・・・」と難しく感じてしまうママもいるかもしれませんが、完璧な結果を褒めることだけが”褒める”ということではありません。
「⚪︎⚪︎しようとしたんだね」
「もう少しでできそうだね!」
と過程や工程を見たまま実況中継するだけでも、子どもは「ちゃんと見てくれているんだ!」と感じられます。
大切なのは、ママが否定的な目線ではなく、優しい気持ちで自分を見てくれている!と子どもに感じてもらうことなのです。
③泣いている、怒っているという感情表現をありのまま受け止める
「どうして泣いてるの!」、「なんで機嫌が悪いの!」とこちらが感情的になってしまうと、子どもはより一層心を閉ざしてしまいます。
まずはありのままの状態を受け入れ、子どもの様子をよく観察しましょう。
どんな時に泣いてしまうのか、どのようなことで怒りが爆発するのかなどは、人それぞれ違います。
その子にはその子なりの理由があって、そのような表現をしているはずです。
まずはその理由に共感する姿勢を見せることが最優先!
「そんなに泣きたくなるほど悲しかったんだね」
「すごく嫌なことがあったんだね」
と子どもの気持ちを代弁したり、共感する姿勢を見せることで、
子どもは「わかってもらえた!」という安心感を感じ、落ち着くことができます。
5.自分の気持ちを伝えるだけではなく、相手の気持ちまで考えられるようになった息子!
これまでは少し注意するだけでも泣いたり怒ったりしてしまい、
「どうして泣いているの?」
「本当はどうしたかったの?」
と優しく問いかけても返事がなく、私もどうしていいかわからずに悩んでしまうということが多発していました。
ですが、正しい対応を実践することで、そのような場面がぐっと減り、自分の気持ちを自ら伝えられるようになってきたのです。
「本当は〇〇しようと思ったけどできなかった」
「今はこっちじゃなくてあっちがよかった」
など、とてもわかりやすく自分の気持ちを伝えてくれるようになりました。
さらに
「今、ママの気持ちがわからないから困ってるんだ」
「ママはどういう気持ちなの?」
と私の気持ちを聞いてくれるまでになったのです!
自分の気持ちを表現することすらできなかった息子が、相手にも気持ちがあるということを理解し、それを尊重しようとしてくれる優しさまで見せてくれたことに感動しました。
また
「自分の気持ちを伝えてくれてありがとう」
「ママの気持ちを聞いてくれてありがとう」
と褒めることで、息子はさらに自信をつけていき、普段からたくさん話しかけてくれるようになりました。
子どもたちの言動の源、”自信”を育んでいくためには、ママの優しい目線と声かけが必要不可欠です!
子ども達は産まれた時から今までずっと、何よりママが大好きだから。
どんなママでもその子にとっては特別であり、一番なのです!
ぜひ、正しい対応を身につけ、子どもが安心して自分の気持ちを伝えられる居場所をつくってあげてくださいね。
そうすることで、子どもとの会話がどんどん楽しくなり、ママの自信も育っていきますよ!
執筆者:中谷 そら
発達科学コミュニケーション トレーナー