授業中の立ち歩き問題は、先生から報告があるとすぐになんとかしなくては!と焦ってしまいますよね。ADHDグレーゾーンのお子さんに多い立ち歩き問題は原因と対応方法を知っているだけで慌てずにすみます。
1.ADHDグレーゾーンの子に多い授業中の立ち歩き問題
注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンのお子さんの困りごとの中でも授業中に座っていられない立ち歩き問題に悩むお母さんは多いのではないでしょうか?
立ち歩きは、目につきやすいし、他のお子さんの邪魔になってしまうことがあるので先生から注意されやすいですよね。
では、ADHDグレーゾーンの子はどうして席を立ってしまうのでしょうか?
その理由は、ADHDの大きな特徴の3つ、衝動性・不注意・多動性というものが関係しています。
- 衝動性 何か他のことが刺激として脳の中に入って来て、思わず動いてしまう
- 不注意 今やっていることに注意が向けられないため、他の気になったものへ注意が動いてしまい、行動になる
- 多動性 次々と刺激を求めるためじっとしていることができず、動くという行動に出る
というように、これらの特徴が立ち歩きにつながります。
また、読み書きなどの学習障害があり、学習に対して、できない、やりたくないという気持ちが強いと授業を聞いていることが辛くなってしまい、これも立ち歩きという行動につながります。
2.なんで席を立っちゃうの?
まず、どんなことが理由で席を立つのか。
それを考えるためにはお子さんがお家で宿題などに取り組むときの様子をよく観察してみましょう。
集中力がない?
学習が嫌で逃げたい?
姿勢を保つのがつらい?
気がついたら立ってしまっている?
など、理由は一つではなく、色々混ざっていることが多いと思います。
学習が嫌で逃げたい?
姿勢を保つのがつらい?
気がついたら立ってしまっている?
など、理由は一つではなく、色々混ざっていることが多いと思います。
そしてその理由により、対応の仕方も変わってきます。
3.授業中に席を立ってしまう子にやってはいけないNG対応
さきほどお話したADHDグレーゾーンの3つの特徴や、学習障害などが関係している場合
明日、明後日ですぐにやめるのは難しいということ、怒ったところでやめられないということをわかってあげてください。
ADHDグレーゾーンのお子さんたちは、お子さん自身も悪気があってやっているのではないし、良くないこととわかっていてもやめられないことがあります。
今まで、何度言って聞かせても直らないことで困ってしまい「どうして座っていられないの?!」と責めるような言い方になってしまっていた場合は、まず怒ることをやめましょう。
ADHDタイプの子は、怒られれば怒られるほど調子が悪くなり荒れてしまいます。
とくに立ち歩きはお子さん自身でコントロールができないことが多いので、それを厳しく怒ることは立ち歩きが直らないということにプラスして、自分ってダメなんだと自信もなくしてしまいます。
4.お家でできる3つのサポート
立ち歩きをなるべくしないようにするためにお家でできる3つのことがあります。
◆1つ目 褒める
宿題などで座る時間がある時、 座れている状態のときに褒めてあげてください!
座れている時にこそ、「座れているね!」と言葉にして褒めてあげましょう。
そうすることで、 自分もきちんと座ることができる!と言葉で記憶するので、 少しずつきちんと座れることに自信がついていきます。
そうすると授業中にも立ち歩きせずに授業を受けられたり、 座れる時間が長くなっていきます。
※新1年生の場合はまだ学校生活に慣れていないこともあります。 立ち歩きがあってもルールを理解していないだけかもしれないので、 「席を立ちたいときは、手を挙げて先生に相談する」 ということを根気よく伝えることも大切です。 もちろん、この場合でもお家で座れていることを褒めてあげることは忘れずにしてくださいね。
◆2つ目 体の筋力の問題
座っているときに、同じ体勢でいられず、体勢が崩れていくことはありませんか?
その場合は体の筋力の問題で、体を支えることができていない状態です。
外で遊ばせるなど、大きく体を使うような運動 をさせてあげることで、楽しく体幹も鍛えることができます!
体幹が鍛えられていくと、 座る時間も長く座れるようになります。
◆3つ目 学習が苦手な場合
勉強に苦手を感じているお子さんには 家では量を調節してあげたり、手伝ってあげたり、 なるべく学習自体が嫌にならないようにしてあげてください。
学習を嫌いにならないことが大切です。 学習が嫌いになってしまうと、さらに授業に集中できなくなって 立ち歩きにつながってしまいます。
立ち歩き問題は、このように色々な理由が絡み合っていて すぐに解決することは難しいです。
脳の発達具合も大きく関係しているので、 まずはお子さんに自信をつけられるように はじめは「授業に参加できる時間を長くする」 ということを目指してお子さんに関わっていきましょう。
スモールステップから始めて成功体験を得ることで、段々と立ち歩きが減っていきます。
そのためにも、周りの大人が理解をしてあげて、 お子さんに寄り添った良いコミュニケーションをすることが大切になります。
そうすることで脳も発達していくので、 発達の特徴からくる困りごとも少なくなっていきますよ!
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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)