人のせいにする子どもの話が事実と噛み合わず、信じたいのに信じきれない。ADHDの息子を理解できずにいた私が、自分にも似た苦手さがあったと気づいたことで見え方が変わりました。子どもを理解するヒントを自分の経験から見つける方法を紹介します。
1.信じ切れないことがしんどい…「自分は悪くない」と人のせいにする子ども
「自分は何もしていない。」
「あっちが悪い。」
そんな風に人のせいにする子どもの話が信じられないことがありませんか?
「あっちが悪い。」
そんな風に人のせいにする子どもの話が信じられないことがありませんか?
話を聞いていくと、本当に本人はなにもしてなさそうだし、相手にも悪いところがありそうだと感じる。
ところが、事実を確認すると子どもの言うこととは違っていて、恥ずかしい思いをしたことがある注意欠如・多動症(ADHD)グレーゾーンの子育てをしているお母さんは多いのではないでしょうか。
「子どもは嘘をついているの?そうは見えないんだけど、事実とは違うみたい…?」とスッキリしない思いを抱えていた私が気付いた、子どもの話が事実とズレる理由とどう考えていけばいいかを経験からお話します!
小学校高学年の頃、息子が「みんなにいじめられているから、学校に行かない。」と言い出したことがありました。

一体何があったのか、事実を探ろうと色々質問をしても
「自分は何もしてない。」
「自分は何もしてない。」
「あいつが悪い」
「先生のせいだ」
と人のせいにするような発言ばかり。
と人のせいにするような発言ばかり。
これまでも、息子の話を信じて先生や相手のお母さんに確認すると、私が聞いていた内容と周りが認識している事実が違う、ということがありました。
私が悩んだのは、息子が嘘をついて話しているように見えなかったことです。
息子は自分がいけないことをしたり、悪いことをしたときは、自分からそれを正そうとする正義感が強いところがありました。
だから、本人は本当にそう思っていて、そう感じているのでは、と思っていました。
そうは言っても、「周りが思っている事実と違うことがある」という今までの経験から、息子の言うことを信じ切れない…。モヤモヤとした気持ちを抱えていました。
2.話すのは得意だと思っていた私が言葉に詰まったとき気付いたこと
発達科学コミュニケーションを学ぶ中で、息子のように人のせいにする子どもには自分の中にあることを整理して言葉にする苦手さがあることがわかってきました。
ですが、知識として苦手なのはわかった。だけど、そんなに言葉にならないものかな?と体感としては理解しきれずにいました。
そんな私が、疑似体験したことで息子の気持ちがわかった出来事がありました。
私は、それまで自分が話すことが苦手だと思ったことはなかったんです。
知らない人にも問題なく話せるし、突然話しかけられたとしても返答に困ることはあまりなかったからです。
そんな私が最近、考えたことをメモに残したいけど書く時間がない!という場面になったとき、「書けないなら、ボイスメモに喋って残しておけばいいんじゃない?」と思いついてやってみたら、意外なことが起こりました。
メモに残したかったことが、普段は文字ならスラスラ出てくるのに、声に出そうとすると
「なんて言えばいいかな」
「どういう順番で話せば伝わる?」
と止まってしまったのです。
「なんて言えばいいかな」
「どういう順番で話せば伝わる?」
と止まってしまったのです。

今自分が頭の中で考えたことを、他の人が聞いても理解できるように話して残したい。
そのためには、自分の記憶をたどり、自分がどう理解したかを整理し、さらに相手に伝わる言葉へ変換する。
そのためには、自分の記憶をたどり、自分がどう理解したかを整理し、さらに相手に伝わる言葉へ変換する。
これは、話しかけられてパッと返事をするのとは違い、いくつもの情報を頭の中で整理する必要がある作業だと気付きました。
そこで思い返してみると、私も深く考えたことを誰かに話そうとするときは、頭の中で言葉を組み立てるのに時間がかかっていたかも、と気付きました。
そこから、「息子も、こんなふうに頭の中で止まってしまって言葉にならないのかもしれない」と考えるようになりました。
3.人のせいにするように見えるADHDの子どもに起きている「話をつなぐ」難しさ
実は、話すという行動は、ただ「覚えていることを口にする」以上の力が必要です。
とくに息子のような友達とのできごとについて説明しようと思ったら、
「最初に何があったのか」
「そのあと何が起きたのか」
「自分は何をしたのか」
「相手はどうしたのか」
「なぜそうなったのか」
といったいくつものできごとをつなげて、ひとつの話として整理する必要があるからです。
「最初に何があったのか」
「そのあと何が起きたのか」
「自分は何をしたのか」
「相手はどうしたのか」
「なぜそうなったのか」
といったいくつものできごとをつなげて、ひとつの話として整理する必要があるからです。
ADHDの子どもに自分が実際に経験したできごとを話してもらう研究では、話のつながりにズレや違いがあり、聞く側が足りない情報を補ったり、推測したりしないと理解しにくいことがある、と報告されているそうです。
つまり、本人の中に伝えたいことがあっても、「何が起きて、なぜそうなったのか」をつなげて、相手にわかるように話すことに苦手が見られるということです。
このことは、息子を理解する大きなヒントになりました。

息子の中には、「嫌なことを言われた」「苦手だった」という強く残った部分がある。
一方で、自分が何を言ったのか、相手がなぜ怒ったのか、そのあと何が起きたのか、という情報までつなぐことは難しかったのかもしれない。
だから息子の中では、強く残っている『嫌なことをされた』という部分をできごとの中心として話していたのかもしれません。
そう考えると、「人のせいにする子ども」なのではなく、できごと全体を整理して説明できなかっただけかもと、息子を見る目が少し変わりました。
4.お母さんの経験を子どもの理解と対応につなげる考え方
今回、私が息子の感覚に気付いたきっかけは、自分自身が「思っていることを、その場で整理して話すって難しいな」と体験したことでした。
知識を新しく覚えたからとか、言葉のトレーニング方法を学んだからではありません。
自分が体験したことで、見る視点が変わった。これだけでした。
今できていることだけを見ると、「私はできるのに、この子はできない」と感じることがあります。
ですが、少し時間をさかのぼってみると、自分にも昔はできなかったこと、失敗しながら覚えたこと、自分なりの工夫でできるようになったことがあるかもしれません。
だからもし、子どもの「なんでできないの?」に出会ったとき、私も最初からできてたかな?と考えてみてほしいと思います。

子どもを変えなきゃ!正さなきゃ。直さなきゃ。と思う前に、「私にも似た経験はなかったかな?」と自分の中を探してみる。
もし見つかったら、「私はどうやってできるようになったんだろう?」まで考えてみる。
たとえば私は、
・文字なら考えを整理しやすい。
・少し時間を置けば、伝えたいことをまとめられる。
そんな自分の特徴を、長い経験の中で自然に使えるようになっていたのだと思います。
・文字なら考えを整理しやすい。
・少し時間を置けば、伝えたいことをまとめられる。
そんな自分の特徴を、長い経験の中で自然に使えるようになっていたのだと思います。
だとしたら、その経験は息子が自分の中を整理できる方法を探すのに使えるかもしれない、そう感じました。
お母さんがこれまで乗り越えてきたことは、経験したからこそ教えられるヒントになります。
「どうして人のせいにするの?」と思ったとき、あるいは「なんでそんなこと言うの?」など、子どもの言動が「理解できない」と感じたとき、実は答えはお母さん自身の経験の中にもあるかもしれません。

叱られたり責められたりする経験が重なると、自分を守ろうとしてとっさに事実と違うことを言う場合もあります。一方で、今回の記事のように本人の受け取り方や話を整理する難しさから事実とズレることもあります。まずは「なぜこの子はこう言うんだろう?」と観察してみることをおすすめします。

ADHDにみられる特徴は、ADHDの人だけにあるものではなく、誰にでも程度の差はありながらも存在するものです。診断は、そうした特徴が生活にどのくらい影響しているかなども見ていきます。「自分とはまったく違う子」と考えすぎず自分にも似た経験はなかったかな?と探してみることも子どもを理解するヒントになりますよ。

ADHDグレーゾーンの子どもに叱って行動を正そうとする対応は、合わないことがほとんどです。まずは「なぜこの行動が起きているのか」を理解することから始めてみてください。無料のメール講座では、ADHDグレーゾーンの子どもの行動を脳のはたらきから理解し、その子に合う関わり方をお届けしています。もっとわが子のことを知りたい方は、ぜひ読んでみてくださいね!
\登校しぶりや暴言が気になっているママへ/
「もう少し様子を見よう」の前に知っておきたい
ADHDタイプの子に起こりやすい
二次障害のしくみと、
おうちでできる予防・サポートを
まとめています👇
YouTube人気動画!ADHDタイプの子の脳を育てる基本の会話がわかる!
執筆者:しまざきあいか
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションアンバサダー)
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションアンバサダー)




