登校しぶりの子どもに声をかけるほど、暴言や癇癪が増えてしまうのはなぜ?良かれと思った声かけが逆効果になる理由を脳の仕組みから解説します。さらに、子どもが「自分なら大丈夫!」と思い、自分から一歩を踏み出すために親ができることを紹介します。
1.登校しぶりの子が言葉をネガティブに受け取る理由
2学期が始まって、朝になると子どもが「学校に行きたくない…」と言ったり、準備がなかなか進まないといった登校しぶりの様子が見られて気になっていませんか?
「今日は学校に行けるかな」
「また朝から嫌がったらどうしよう」
「このまま登校しぶりが続いたらどうしよう」
そんなふうに、子どもの様子を気にしながら朝を迎えているお母さんもいるかもしれません。
子どもがなかなか動き出せないと、親も焦ってしまいますよね。
「学校に行こうよ」
「もう2学期なんだから頑張ろう」
「みんな行ってるよ」
そんな言葉をかけるのも、子どもを何とかしてあげたいという思いがあるからこそ。
ところが、こうした言葉が、登校しぶりの子どもをさらに荒れさせてしまうことがあります。
良かれと思ってかけた言葉が逆効果になってしまう、そこには実は脳の仕組みが関係しています。

ストレスが高まり、登校しぶりが見られているとき、さらに親から「学校に行こう」と声をかけられるとストレスに対する脳のセンサーがより敏感になり、扁桃体という部分の働きが強まることで小さな刺激までキャッチしやすくなります。
そのため、普段なら気にならない言葉でも「責められた!」と感じやすくなることがあるんです。
扁桃体の働きが強まると今度は、気持ちを落ち着けたり「どうしたらいい?」と考える前頭前野という部分の働きが力を発揮しにくくなります。
「頑張ればできるでしょ」と言われても、頭では分かっているのに冷静に受け止められなかったり、気持ちを切り替えられなかったりして、暴言や暴力、癇癪という行動に表れることがあるのです。
親の言葉をネガティブに受け取ったり荒れたりするのは、性格の問題ではなく、ストレスによって脳が安心して考えられる状態になっていないからです。
2.良かれと思った言葉が逆効果になっていた!息子にしていた声かけ
私も息子が登校しぶりをしていた頃、子どもを何とか動かしたくて
「学校に行かない時間はゲームじゃなくて勉強しよう」
「好きなことはできてるから、もうちょっとだけ頑張ろうよ!」
「〇〇くん今日も朝から楽しそうに行ってたよ!」
こんな声かけをしていました。
どれも息子を責めようとして言っていたわけではなく、お尻を叩けば動くかもしれないという気持ちもあったので発破をかけていたのです。
学校に行ってほしい、元気になってほしい、何とかしてあげたい、という息子を動かしたい一心でした。

私にとっては息子のことを想っての声かけだったのですが、言葉をかければかけるほど、息子は荒れていきました。
実は良かれと思ってしていたこの声かけは、子どもにとっては「自分はできない、お母さんの期待に応えられない、責められている」と感じさせる言葉になっていたのです。
3.2学期の登校しぶりに今、育てたい子どもの自信
2学期が始まってしばらく経ち、周りの子どもたちがお休みから学校生活でのペースを取り戻しているように見えると、「そろそろ毎日行けるようになってほしい」と焦るお母さんもいるのではないでしょうか?
この時、「学校へ行く」ことだけを目標にしてしまうと、「どうしたら学校へ行けるか?」を考えるので、「頑張ろう」「行ってみよう」といった声をかけ続けてしまいます。
しかし、登校しぶりが続いている子どもに今必要なのは、無理に行動を促すことではありません。
「できた」「自分なら大丈夫」と感じられる経験を重ね、自信を育てていくことが先です。

そのためには、学校へ行かせることよりも、子どもが安心して考えたり、自分から動き出したりできる環境をつくることが大切です。
安心できる環境の中で「できた」という経験を重ねることが、自分で考え、次の一歩を踏み出す力につながっていくからです。
4.登校しぶりの子が自分から動き出すために親ができる2つの関わり方
では、実際具体的にはどんな関わり方をすれば良いのか、ここでは、登校しぶりの子どもが安心して動き出せる状態をつくるために、親ができる2つの関わり方について紹介していきます。
①指摘を減らし、叱らないこと
登校しぶりが続くと、子どもの行動が気になり、ついついできていないことに目が向いて指摘が多くなりがちです。
「宿題はやったの?」
「明日の準備できていないんじゃない?」
「いつまでゲームしているの?」
といったことを言っていませんか?
ママにすればどれも「本人が困らないように」を考えた声かけだと思いますが、これは逆効果になりがち。
ただし、「指摘を減らす」「叱らない」というのは、何でも許そうということではありません。
今は、できていないことを繰り返し指摘するよりも、子どもの脳が落ち着いて考えられる状態をつくることを優先します。
②できていることを肯定する
お母さんがやってほしいことではなく、子どもが今やっていることや終わっていることに着目して声をかけていきます。
例えば、
「起きられたね」
「着替えられたね」
「ここまで準備できたね」
といった今まで当たり前にできていることも言葉にして伝えてあげてくださいね!
子どものできていることを見つけて、肯定する声かけを重ねていくことで、おうちでのストレスを減らすことができるので子どもは安心を感じやすくなります。
「できた」と感じる経験が増えていくと、子どもの自信が育ち、自分から次の行動へ動き出す力につながっていきます。
大切なのは、「学校に行けたかどうか」だけで子どもを見るのではなく、今できている小さな行動に目を向けることです。
実際に、私が関わり方を変えていくと、少しずつ息子にも変化が現れました。

親子の衝突が減って息子の表情が柔らかくなり、笑顔が増えていきました。
私自身も「学校へ行かせる」ことだけに目を向けるのをやめ、息子が安心して過ごせる状態を大切にするようになったことで、「ねばならない」という思考が和らいで心が軽くなった気がします。
安心して過ごせるようになるにつれて、息子は少しずつ自分から動き出すようになりました。
そして、今では再び学校へ通う姿も見られるようになっています。
小学校から始まった登校しぶり。不登校も経験し、「この子は中学校も行けないかもしれない」と思っていたので、制服を着たわが子の姿を見られたときは嬉しかったです。
登校しぶりがあると、「学校へ行くこと」に目が向いて「今日は学校へ行けるのかな?」「毎日通えるようになるかな?」と考えてしまいます。
そんなときこそ、「学校に行けたかどうか」ではなく、今できている小さな行動を見つけて肯定することから始めてみてください。
子どもが安心できる関わりを重ねることが、自分から次の一歩を踏み出す力につながっていきます。
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執筆者:山本みつき
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