子どもはほめて育てましょうという話をよく聞くけど、我が子はほめられるところがない!と思っていませんか?実は子どもがちゃんとできるまで待っていてはほめられません!抵抗感なく簡単にできる声かけのポイントをお伝えします。
1.ほめる育児が良いって聞くけどほめられない!日本人に根付く「しつけ」
”ほめる育児”と聞いて、あなたはどう思いますか?
子どもは叱るよりほめて伸ばそう!という話をよく聞きますよね。
それができればそれに越したことはないと思いつつも、ほめてばかりでは子どもがつけあがるのでは?とか、向上心が無くなるのではないか?ほめられなければ何もしない子になるのでは?という気持ちが湧いてくることもあると思います。
また、我が子はそもそもほめるところなんて見当たらない!という方もいらっしゃると思います。
私もそうだったので、その気持ちはよくわかります!
私たち日本人は、我慢を美徳とする傾向がありますよね。
ほめるより足りないところやできないところを指摘される日本の“しつけ”の文化で育ちました。
そのため、ほめられることも、ほめることにも慣れていない人が多いように感じます。
私自身も例外ではありません。
ほめられるよりできないところを指摘・注意されていた記憶の方が多いので、ほめる育児を!と言われてもハードルが高かったです。
なにより、「おだて育児」という感じがしてしまってかなり抵抗がありました。
ほめてばかりではやらなくてはいけないことができない、ろくでもない大人になってしまうのではないかと漠然と不安に思っていたのです。
2.ネガティブな記憶が残りやすい…ADHDタイプこそほめが大事
我が家の長男は、小学2年生のときの転校をきっかけに精神的に不安定になってしまいました。
学校で問題を起こしてくる、家ではやるべきことに取り組まない、注意すると暴言を吐くなど荒れる長男にどうすれば良いのか心底困っていました。
そこから、私は息子を連れて専門機関の門をたたいたり、発達障害や注意欠陥多動性障害(ADHD)について勉強を始めました。
そんな中で発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会い、敬遠していたほめる育児と向き合うことになったのです。
息子はADHDグレーゾーンタイプなので、ネガティブなことが記憶に残りやすいという脳の働きがあります。
これは脳の未熟さから来ているもので、命を守るための働きと言われています。
そのため、足りないところやできないところばかりを指摘する日本のしつけをすると、自分は駄目なやつなんだ…という記憶ばかりが増えて、どんどん自信を失くしていってしまうのです。
また、どうせなにをしても叱られるんだから、と反抗的な態度になったり怒りっぽくなってしまう原因にもなっています。
3.できていないところに注目すると起きる親子バトル
「急にほめてと言われても、うちの子にほめるようないいところなんて見つかりません」という方も多いと思います。
例えば我が家の長男の場合、帰宅したとき靴は脱ぎ散らかして家に入るし、カバンの中を見ればプリントはグチャグチャに丸まっている…。連絡帳の字もほとんどが読めないくらい汚いという状態でした。
そんなとき、以前の私は
「靴、揃えてないよ!」
「またプリントグチャグチャ!ファイルに入れてって言ってるでしょ!」
「連絡帳、もう少し綺麗に書いたら?」
とできていないことばかりに注目して、注意していました。
「靴、揃えてないよ!」
「またプリントグチャグチャ!ファイルに入れてって言ってるでしょ!」
「連絡帳、もう少し綺麗に書いたら?」
とできていないことばかりに注目して、注意していました。
すると、注意された息子は声かけを無視したり、イライラして物にあたったりするようになっていきました。
その息子の態度にまたイラッとして、そこから親子バトルが勃発!なんてこともよくありました。
小学生男児のいる親子あるあるですよね!
そんな私も、発コミュで学んでいくうちに「ほめるってことは、認めるってことなんだ」と気付きました。
ほめるということは「ちゃんとあなたが頑張ってるのを知ってるよ」とか「ここができてるね」と伝えてあげることなんです。
そこに気付いた途端、ス〜っと私の中にほめるということが浸透して、今まで抱いていた子どもをほめることに対する抵抗感は綺麗さっぱり消えていきました。
そこから子どもに対する声かけを2つのポイントに沿った声かけに変えていくことにしました。
4.抵抗感なく子どもをほめられる!2つの声かけポイント
私が実践した2つの声かけポイントを紹介しますね!
①子どもの行動をよく見て、できていることを声に出して伝えること
『こんなことできるなんてすごーい!』とか『これもやっててエライ!』と大げさに言ったり、演技したりする必要はありません。
子どもの行動の中から、やっていることやできていることだけを言葉にすれば良いのです。
「毎日電車で通学して頑張ってるね」
「ちゃんと水筒持って帰ってきたんだね」
「もう手を洗い終わってたの⁈」
「連絡帳ちゃんと書いてるね」
「ここの文字すごく綺麗に書けてる!」
という具合にできていることだけを認める声かけをします。
「ちゃんと水筒持って帰ってきたんだね」
「もう手を洗い終わってたの⁈」
「連絡帳ちゃんと書いてるね」
「ここの文字すごく綺麗に書けてる!」
という具合にできていることだけを認める声かけをします。
これらの声かけの内容を見ると、子どもが当たり前のように毎日していることですよね!
子どもって、案外教えられたことをたくさん守ってやっているんです。
そう考えると、毎日頑張っていることは小さなことでも認めてあげようという気持ちになってきますよね。
②やって欲しくないこと・定着して欲しくないことはあえてスルーすること
発達凸凹の子どもには、本人ができていないことや定着して欲しくないことはあえて触れないことで、脳に刷り込まないようにします。
「靴を揃えていない」ことや「プリントがグチャグチャ」になっているという好ましくない行動については、見て見ぬふりをしてなにも言わずにスルーするのです。
実は脳は言われたことに対して、その直前の出来事が強く残ってしまいます。
この場合、靴を揃えなかったことやカバンの中に適当にプリントを入れたことが印象に残ってしまうことになります。
記憶に残したいのは良い行動なので、言葉で伝えるのはできていることだけにした方が良いということなんです。
この「ほめる」と「スルー」の二つを続けた結果、反抗的だった息子はびっくりするほど素直になりました。
以前は大騒ぎしていた宿題なども落ち着いて取り組めるようになりました。
声をかけなくても脱いだものを洗濯カゴに入れたり、進んで手伝いをしてくれるようになったりといった変化を感じることもできました!
そして今では自分が悪かったことはちゃんと受け入れて、反省の言葉を自主的に伝えにきてくれるようになりました。
以前は「ほめる育児って本当にいいのかな?」となかなか踏み切れずにいた私でしたが、今の息子を見ているとほめられる・認められることで子どもはこんなにも変わるのだと実感しています。
いかがでしたか?
きちんとできたらほめよう、と思っていると結局ほめられないままになってしまいます。
「ほめる育児を」と構えるのではなく、まずは子どもがやっていることをどんな小さなことでも良いので言葉にして伝えることから始めてみてくださいね!
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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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