新学期が始まって少し経ちましたが、お子さんの様子はどうですか?実は繊細で傷つきやすいADHDグレーキッズ。学校楽しかった!という言葉の裏ではストレスを抱えている場合があります。そんな子の心を守るママの対応をご紹介しますね。
1.本当は楽しくなかった…先生から聞いた学校での衝撃の事実
我が家の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)のグレータイプです。
小学2年生のとき、転校がきっかけで荒れに荒れていた時期がありました。
様子がおかしくなっていると感じる日々の中、それでも彼は毎日「学校楽しかった!」と言って帰って来ていました。
トラブルがありながらも、本人は学校を楽しいと感じて通っているのなら何よりだと、私も毎日安心して送り出していました。
そんなある日、先生から「学校は彼にとって、全然楽しくないと思います。」と言われて衝撃を受けました。
理由を尋ねると、息子は学校で過ごす大半の時間を泣いていたり怒っていたり、学校の守衛さん(彼の心のよりどころだったようです)のところに避難していたりすると教えて下さいました。
楽しいはずなんてなかったんです…。
それでも息子は毎日楽しいと言い続けていたという事実に、今でも心が痛みます。
2.息子が毎日学校が楽しいと言い続けていた理由
息子が毎日楽しいと言い続けていた理由は3つありました。
1つ目は、嫌だった記憶を思い出したくなくて、口にもしたくなかったから。
2つ目は、うまく説明できる自信がなくて、面倒だと思っていたから。
そして、3つ目はママを心配させたくなかったから。
当時たった7歳の子が、ママを気遣って言わなかったのです。
プライドのようなものもあったのかもしれません。
あるいはそれまでの私の関わり方が良くなくて、気を遣うような子になってしまったのかもしれません。
だけどそれだけではなく、この気持ちはADHDタイプの子の本来の優しさなのではないかと私は思っています。
ADHDグレーキッズには、本当に心が綺麗で純粋で優しい子が多いと感じています。
だからこそ、意外と人より繊細で傷ついてしまうということもあります。
そして学校での傷つき体験がストレスになって、家で癇癪を起こしたり学校で余計に調子が悪くなるということが出てきたりもします。
3.楽しかったという気持ちは本当?子どもの言葉の裏に隠れたSOS
ADHDタイプの子は、楽しむことが得意なことが多かったり、最初は少し緊張感があったとしてもすぐにいつもの調子を取り戻せたりします。
普段の様子になにか違和感を感じたとしても、楽しかったというお子さんの言葉を聞いて「なんだ、ひと安心!」 と思っているママも多いかもしれません。
本当になんの問題もなく楽しんでいるなら、それはそれでいいことです!
だけどもしその「楽しかった!」という言葉の裏にお子さんのSOSが隠れているとしたら…。
決して脅かしたいわけではありません。
私が伝えたいことは、お子さんのSOSに早く気づくためにもお子さんの言葉だけを見ないでほしいということです。
4.ADHDグレーキッズを学校のストレスから守るママの対応
ADHDグレーキッズは、学校で楽しく過ごしていてもストレスは感じていて、人一倍頑張っている状態です。
特に新学期の始まりは、いつも以上に頑張っています。
たとえお子さんが帰宅後に「楽しかった!」と言っていたとしても、すぐに明日の準備や宿題をやらせようとするのは待って様子を観察してみてくださいね。
そして、どんなときも
・学校がんばったねー!
・6時間授業、疲れたね。
・給食全部食べられたんだね。
など、学校に行った当たり前をほめるという気持ちで関わってあげてください。
偉いね!とかすごいね!など、それだけがほめる言葉ではありません。
当たり前にできていることを口に出して伝えてあげるだけでいいんです。
今後の穏やかな生活のためにも、家でストレスなく過ごすことがADHDグレーキッズにとってはとても大切です。
問題児のレッテルを貼られることも多いけど、本当は素直で優しくて、本当は傷つきやすい…。
だからこそ、その純粋で優しい彼らをママの力で守ってあげてほしいと強く思います。
まずは、当たり前にできていることをほめることから始めてみてくださいね!
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
我が子の優しいところを守ってあげたい!だけど、どうしたらいいかわからない…そんな風に思う方は、ぜひ個別相談にお申し込みくださいね。