ADHDグレーキッズの子育てはいわゆる”普通”が通用しなくてイライラしていませんか?お母さんの一言が子ども自身の評価を下げてしまっているかも…。私がやった作文が苦手な息子が大変身した魔法の言葉のかけ方を紹介します。
1.「問題児」のレッテル貼りになっていた息子への毎日のお説教
私の息子は注意欠如多動性障害(ADHD)のグレーゾーンです。
数年前、転校をきっかけに学校生活がうまくいかなくなってしまった息子には、色々な課題がありました。
・怒りのコントロールができない
・嫌なことは取り組まない
・授業中に座っていられない
・落ち着きがない
・お友達とトラブルを起こしやすい
・嫌なことは取り組まない
・授業中に座っていられない
・落ち着きがない
・お友達とトラブルを起こしやすい
など、学校では「問題児」というレッテルが貼られていました。
当時は、先生が息子を注意するとクラスメイトも「またあいつか」と先生に便乗して一緒に文句を言うような、非常に良くない環境になっていました。
毎日学校から息子の問題行動を報告されるので、私は息子の帰宅後にその日一日を振り返ってお説教をするという日々でした。
もちろんそれは息子のためを思ってのお説教だったのですが、実はこれって全部「あなたは問題児」「みんなと違う駄目な子」というレッテル貼りにつながる行動だったのです。
それに気付かず毎日お説教を繰り返すうちに、叱れば叱るほど息子はだんだんイライラするようになり、ますます怒りっぽくなりました。
そしてだんだんと宿題をしなくなり、学校ではやりたくないことは拒否するようになったことで余計に「問題児」というレッテルを強くしてしまいました。
2.低学年の子どもの自分への評価はお母さんの言葉
息子がこのように怒りっぽくなり、荒れてしまったのには“メタ認知”が関係しています。
”メタ認知”とは、簡単にいうと自分の長所や短所など、「自分自身について知っている知識」のことです。
例えば大人で言うなら、「自分は忘れ物が多いから、会社から帰るときはデスクをもう1回点検しよう」と思うことなどです。
自分はこうだという認識があるからこそ、じゃあこうしようと思うことができるのです。
この力は小学校3年生頃から発達してくると言われています。
では、それ以前の子ども達は何を手掛かりに自分自身について理解しているのでしょうか?
それは、他でもないお母さんの言葉から理解しています。
「なんでそんなにやれないの?」
「そんなこともできないなんて不器用だね」
「弱虫だなぁ!!ほんと根性ないんだから!!」
なんて聞いてしまったときには、「自分ってできない子なんだ」「不器用なんだ」「根性ないんだ」とインプットされてしまうんです。
子どものために良くなってほしいという願いから戒めに言っていたことが、逆効果の影響力があるなんて怖いですよね…。
3.ADHDグレータイプ子育て中の愚痴はキケン⁈子どもはお母さんの言葉どおりに育つ
さらに言葉の内容も子どもはよく聞いています。
例えば、ママ同士で会話しているとき、話が盛り上がって来ると
「聞いてよ!!うちの子ドジだから、すぐ忘れ物してくるんだよね。」
「うちもだよ!!連絡帳に忘れ物が多いですって書かれてたよ!抜けてるよねー。」
なんてつい子育ての愚痴になりがちです。
「もう〇歳なんだから」とか「毎日言ってるのに」と、お母さん達が文句を言いたくなる気持ちもよくわかります。
だけど気を付けてほしいのは、その会話をお子さんはしっかり聞いている!ということです。
私は大阪人なので、自分や家族は「ネタにしてナンボ!」みたいなところがあります。
土地柄なので良い悪いという話ではないのですが、おもしろおかしく失敗談を話してしまったり、つい謙遜で子どものことを悪く言ってしまったりしてしまうんです。
実はADHDグレーキッズにはこれは絶対にNGな対応です…!
なぜかというと、ADHDタイプキッズは「お母さんの言葉どおりに育つ」からです。
だけどこれは大阪人でなくても、謙遜が美徳だと思いがちな日本人にはそういうところがありますよね。
4.効果絶大!作文が苦手な息子が大変身したお母さんの魔法の言葉
ではどんな言葉を子どもに聞かせたら良いのでしょうか。
それは、ぜひお家では「あなたは素晴らしい子だね」という言葉を伝えてあげてほしいと思います。
「こんな子になってほしい」
「うちの子は本当にそうなる」
という希望と信頼の思いを言葉にのせてお子さんに届けてあげてください。
「うちの子は本当にそうなる」
という希望と信頼の思いを言葉にのせてお子さんに届けてあげてください。
そうすると子どもにとっては「自分ってそうなんだ!」と自信が出てくる魔法の言葉になります。
こう思うようになったきっかけは、息子が作文嫌いだったことでした。
息子は特性から読み書きが苦手、漢字も苦手、その上書きたいことはあるのにまとめることができないので、作文を書くことはとてもハードルが高い作業でした。
そこで、息子が学校で書いてきた文章を読む機会があったときに
「これ、〇〇が書いたの? めっちゃ上手やん!!」
「すごくうまい文章にでき上がったねー」
と伝えるようにしました。
その取り組みを地道に続けた結果、担任の先生から「おうちでやってくる宿題の作文のクオリティがとても高いです!どうやって書かせていますか?他の生徒の参考にしたいです。」と褒められたのです。
そのときの作文は私も一緒に取り組みましたが、文章を考えたり書くのを手伝ったわけではなく、本人のやる気に任せたものでした。
「息子さんは、“お母さんが〇〇は作文が得意って言ってくれてる”と嬉しそうに話してくれました。それがとても自信になっているようです」と先生が教えてくださいました。
そんなことがあってから、先生はクラスメイトの前で
・何事も一生懸命に取り組むところがかっこいい
・生き物を大切にする優しい性格
・作文がうまい
・生き物を大切にする優しい性格
・作文がうまい
と息子に対するポジティブなメッセージを伝えてくれるようになりました。
おかげで息子は学校でも自信を取り戻し、前向きな気持ちが湧いてくるようになったのです。
いかがでしたか?
本人に原因があってレッテルを貼られてしまう、ということも少なからずあると思います。息子の場合も否定できません。
そして家の外に一歩でれば、理解してくれる人ばかりではありません。
だからこそ、お家でできることをしていってほしいと感じます。
どんな療育よりも、どんな学習教材よりも、お母さんの魔法の言葉は効果絶大です!
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
ADHDタイプキッズにはできないところを指摘したり注意するしつけは合っていません。子どもに合った正しい対応方法を学びたいと思ったらまずはご相談くださいね!