子どもが「やってごらん」と促してもなかなかやらなくて困っていませんか?そのせいでうちの子やる気がない…と思うのはちょっと待ってください!理由があるかもしれません。そんなお子さんには見本を見せてあげるのが効果的です。
1.なんでなの?新しい場所や知らない人がいるとやろうとしない娘
我が家の娘は”新しい場所”や”知らない人”が苦手です。
外遊びは好きなので、喜ぶかな?と思ってネットで検索して見つけた公園やテーマパークに連れて行っても、遊ばなかったり、乗り物に乗らないということがしょっちゅうでした。
兄は新しい場所でも全く動じず、気付けば知らない子と遊んでいるようなタイプだったので、「やってごらん?」と言ってもやろうとしない娘に、せっかく来たのに…と苛立ちを感じてしまうこともありました。
何度か行ったことがある場所でも、知らないお友達がいると「今日はいい…。」と言って遊ばなかったりもしました。
最初はなぜ遊ばないのかがわからず、なんて気分屋なの!?と思っていましたが、自分が遊んでいた後から知らないお友達が来たときに「もう遊ばない。」と言い出したことで、新しいお友達が苦手なのか、と気付きました。
また、これは”新しい物ごと”も同じで、例えば保育園で新しい遊びを取り入れたときなどに「やらない。」と言うので先生たちがビックリすることもあったようです。
普段は真面目に取り組むのに急に拒否するので、やる気がない、サボっている、と勘違いされてしまうこともありました。
2.「やってごらん」」と言われても子どもが動けないのは「わからない」から
ある公園に行ったとき、普段は積極的にチャレンジしない娘が自分から行動した場所がありました。
それは小さいサイズの遊具ばかりがあるエリアで、娘の年齢から行くとちょっと小さい子向けなのでは?という遊具。
物足りないのでは…と心配する私をよそに、娘は自分からどんどん挑戦していきました。
隣に知らないお友達が来ても、自分がやれるので気にならないのかいつものように「もういい…。」と言いませんでした。
そのとき、隣のお子さんのママが「やってごらんー」と声を掛けていたのですが、そのお子さんもなかなかやりませんでした。
その様子を見ていて、このお子さんはやり方がわからないのではないかな?と気付きました。
遊具で遊ぶ・登る・降りると言う動作は、脳科学の面で見るとすごく複雑な働きを必要としています。
目で見て、どこに手や足をかけるかを探りながら、力加減はどのくらいかなどを同時に考えて体に指令を出さないといけないからです。
経験のない子どもがいきなり「やりなさい」と言われても、できなくて当然なんです。
それに気付いたとき、娘が小さいサイズの遊具なら積極的に遊べた理由がわかりました。
そのサイズならどうやって遊べばいいかがわかっているので、迷わずに済んだからだったのです。
3.発達障害グレーの子どもがやる気がないと勘違いされやすい理由
実は、娘のこの不安が強くてなかなか取り組めなかったり、マイルールがあって融通が効かないのは、自閉症スペクトラム(ASD)グレータイプの特性から来ています。
ASDタイプは脳の偏桃体という部分が大きいことが多いと言われています。
偏桃体が大きいと行動の制御力が弱いので、命を守るために行動を抑えるかわりに不安が強く働いて行動しないようにしています。
まさに娘は新しい場所や物ごとなど、知らないからこそ不安が強く働いていてなかなかやる気になれなかったのです。
ASDタイプに限らずADHDタイプでも、発達障害グレーの子どもは脳の発達が未熟なことでどうしてもできないことがあります。
ところが、娘のように普段はできているのに部分的に嫌がったり、やらなかったりするので、やる気がないとか、サボってると思われてしまいがちです。
そんな発達障害グレーの子どもたちには、初めて取り組むことを言葉でやってごらんと言うだけでは余計にやる気が起きません。
そんな子どもにやる気を出させるために、お母さんお父さんが簡単にできることがあります。
4.なかなか取り組めない子どもにはお母さんお父さんが見本になって見せる!
なかなかやる気になれず取り組めない子どもには、お母さんお父さんが先にやって見本になってあげると取り組みやすくなります。
説明しながら、実際に体を使って見せてあげてください。
そうすることで、大好きなお母さんがやっているのだからやってみようかなという気になったり、そうやってやればできるのかと納得できて安心したりします。
大人でも、口頭での説明だけだとわかった気にはなるけど、いざやろうと思うとわからない!ということがありますよね。
実際、先にやっている姿を見ることで習得率は上がると言われています。
また、お母さんお父さんが一緒にやってくれることで子どもも楽しく取り組めたり、いいところを見せようと頑張ろうという気持ちが湧いてきたりします。
我が家の子どもたちも、一人だとやらなかったりすぐやめてしまうことも、一緒にやってあげると何時間でも遊べたり、失敗しても粘り強く頑張れる、ということがあります。
脳は楽しいと感じているときに発達が進みます。
そして発達が進むと自然とやる気も起こりやすくなるので、ぜひお母さんお父さんが見本になって、お子さんのやる気を引き出してあげてくださいね!
執筆者:しまざきあいか
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
発達障害グレーの子どもたちは、みんなと違う感覚を持っていて周りから理解されないことも多いです。我が子がどんなタイプなのか知りたいと思ったら、個別相談でタイプごとのお話もしていますのでご利用くださいね!