周りの目が気になって…親戚から躾していないと言われるのが嫌で…そんな理由から子どもを叱っていることがありませんか?ADHDタイプの子は好きで問題行動を起こすわけではありません。まずはお母さんのマインドを変えて子どもを見てみませんか?
1.本当は言いたくない…周りが気になるから子どもに注意していませんか?
子どもが問題行動やトラブルばかり起こして、周りの目が気になった…という経験はありませんか?
そんなときに、自分はきちんと育てている、躾しているとわかってほしくて子どもを叱ったことがないでしょうか。
あるいは、家族・親戚が躾に厳しかったりマナーに細かったりして、「もっとちゃんと躾しないと駄目だよ!」と言われてしまったというお母さんもいらっしゃるかもしれません。
良かれと思っての言葉でも、「できていない」と責められているように感じてしまうこともありますよね。
だから、言われたくなくて子どもにきつく言い聞かせている、ということもあると思います。
わが家の息子は早生まれ。幼いころから成長がゆっくりで、周りの子に比べて「ん?」と思うようなことが多い子でした。
そのため、ほかの子に迷惑をかけないようにしなくては…と周りが気になる気持ちがありました。
また、私自身が幼いころから厳しく躾を受けてきたので、子どもがおかしな行動をすれば「きちんと躾けができていないのは、母親が悪い」と言われるんだろうな、とも思っていました。
だから、親戚が集まるような場では目を光らせて息子を見張っているような状態でした。
今考えると、それって「息子のため」ではなく「自分がよく見られたい」という周りの目を気にした自己中心的な行動だったなぁと思います…。
本当の自分は、細かいことはあまり気にならないし、子どもには自由にノビノビ育ってほしいと思っていました。
だからこそ、いちいち子どもの行動を気にして声を掛けなければいけないことにはかなりストレスを感じていました。
2.その行動はなんでなの?ADHDタイプの息子は理解不能!
息子は注意欠如・多動症(ADHD)グレーの特性を持っているため、周りの同級生と比べると「なんで?」と思うことがよくありました。
例えば、園・学校生活の様子を聞いても、どんなことをしたのか分からないとか、先生の話を断片的に聞いているので必要な持ち物がわからないということもしょっちゅうでした。
特に、集団行動の中で困ったのはコミュニケーションでした。
息子はこちらが思ったことと違う受け取り方をしていることが多く、突然よくわからない行動をしたり、急に怒り出したりします。
あるいは、自分の中のルールはほかの人もそうだと思っていて、そんな言い方されたら嫌な気持ちだと思うよ、と伝えても理解できない様子でした。
当然、そんな調子でいればお友達とのトラブルも増えます。仲良くなったな~と思っても、少しすると相手から距離を置かれる、なんてことも…。
このまま大きくなってこの子は人間関係がうまく築けるのだろうか?と心配でしたし、子どもが拒否されていると知るのは親としても心が痛むものでした。
そのときは、周りの子と比べることできっと息子がいけないのだろうなと思い込んでいました。
3.ADHDタイプの特性から来る独特な感じ方・受け取り方
では、息子はわざとそんな行動をしていたのでしょうか?
もちろん、違います。
ADHDの特性から、先生の話に自分で注意をむけるのが難しい、ということがあります。
今でも、話を聞かなきゃと思ってもボーっとしてしまうことがある、と言っています。
そんなときは、息子の表現だと「音がボヤ~っと(遠くに)聞こえる」「聞かなきゃいけないってわかっているけど(ボーっとするのを)やめられない」のだそうです。
コミュニケーションに関しても、「なぜ相手が嫌がるのかわからない」と言います。本人にしてみれば100%好意で接しているつもりなのです。
あるいは、自分はこうなのだから相手もそうあるべき、という極端な思考のときもあります。
これは特性から、認知する(こういうことだと把握する)ことが人と違っていることがあるからです。
この状態は「認知の歪みがある」と言われるのですが、認知の歪みがあると自分の中の知識や感情だけで思考するので、こちらが思いもしない行動をしたり、怒り出したりします。
つまり、そんな状態の子にいくら躾のための小言を言ったり、注意しても聞けるわけがなかったんです。
4.気にすべきは周りの目ではなく子ども本人!変えてほしいお母さんのマインド
そこで私がしたのは、自分のマインドを変えること、考え方を変えることでした!
まずは、自分が囚われている「当たり前」をやめることにしました。
STELLA*Schoolで学んで息子が発する言葉やする行動の理由を知って、叱っても仕方ないことがわかったので「やめなさい」とか「なんでそんなことするの?」と言うことが減りました。
家族や親戚にも、「今こういう状態だから悪気はないの、ごめんね」と説明できるようになり、今までなら「注意しなきゃ」と焦っていたような場面でも「今は少し放っておいてみてくれる?」と言えるようになりました。
お友達との接し方についても、それまでは気になる行動をしているときに「そんなことすると嫌われるよ」と言ったり、正論をぶつけていましたが、それもやめました。
学んでから振り返ってみると、「そんなことをすると嫌われるよ」という言葉は子どものことを思って出た言葉でしたが、ADHDタイプには「自分は嫌われているんだ」というネガティブな思考を植え付けていただけだと思います。
一度息子の言い分を聞き、「君はそう思うんだね。」と肯定してから「だけど、世の中にはこんな風に思う人もいるんだよ~。」と説明すると受け入れられることが増えてきました。
お母さんの中には、子どもの頃から植え付けられている「子育ての常識」や「子育ての当たり前」があると思います。
だけどADHDタイプの子にとって、その「当たり前」や「常識」は本当に「当たり前」の「常識」でしょうか。
もしも、自分が周りが気になっているだけかもしれない!と思ったら、周りの人たちではなくて、子ども本人を見てあげてほしい。なにに困っているのか、どんな理由があるのか、それを考えてみてほしいと思います。
執筆者:しまざきあいか
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
ADHDタイプの子育てはまず、「当たり前」を変えることが必要です。私たちが思う「当たり前」の物差しは当てはまらないことも多いからです。我が子の本当の当たり前が知りたい!と思った方は、個別相談でお話してみませんか?