お子さんがめんどくさがってやるべきことをやらないとイライラしませんか?ADHDタイプの子は、めんどくさい、やりたくない気持ちを抑えて行動することが苦手です。そんな子どもをサッと動かす声かけがあります。ぜひ参考にしてみてくださいね!
1.やるべきことをやらずに好きなことばかりやる子との親子ゲンカ
注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子が”めんどくさい”や”やりたくない”と言ってなかなか取り組まないことはありませんか。
宿題でも何でもやるべきことを全然やらず、自分の好きなことばかりやっているのを見るとイライラしますよね。
我が家の長男が小学校2年生の時の話をしたいと思います。
引っ越しをきっかけに、先生や友達から理解されず周りに受け入れられない状況が続き、傷つき体験をたくさんしたことで、あっという間に問題児になりました。
家でも人が変わったように癇癪を起こしすぐにキレて奇声を発するし、宿題など嫌なことは全部拒否していたので、やらせようとすれば親子ゲンカになっていました。
彼の好きなことはゲームやテレビ、お絵かきだったので、もうこれしかやらなかったのです。
その上、生活をしていく中でやらないといけないことをいちいち嫌がるので、やるべきことは全然進みませんでした。
そうこうしているうちに、学校でも自分が嫌と思うことは取り組めなくなり、さらに怒られついには授業が受けられなくなりました。
発達科学コミュニケーションを学び対応を変えたことで、今でこそ息子は嫌なことでも頑張れるようになりましたが、一番状態が悪かったときは毎日の親子ゲンカが本当に辛かったです。
2.ADHDタイプの子がめんどくさいことや嫌なことを行動に移すことができる言葉
では、なぜADHDタイプの子はめんどくさいことや嫌なことができないのでしょうか。
それは脳の発達が関係しています。
脳の中に、”感情のコントロール”や”やる気”に関係している前頭前野という部分があります。
ADHDタイプの子はこの部分のはたらきに苦手があり、そこの苦手が強いとめんどくさいことや嫌なことは、なかなか自分ではどうにもできないという風になっていきます。
つまり、自分でコントロールできないんだなと思ってください!
じゃあどうしようもないのか…というとそうではありません。
実は、言葉は脳に酸素を使わせると伝わりやすくなります!
どういうことかと言うと、脳は脳内のネットワークが繋がることで色々なことができるようになっていくのですが、そのネットワークの形成には酸素が必要不可欠なのです。
その際、脳はわかる言葉に酸素を使い、わからない言葉には酸素は使わないということがわかっています。
例えば、子どもが聞いてるのかな?という状態に見える時は酸素は使われていません。
逆に「あー分かった!」という時は酸素が使われています。
私たちも普段、わかると(脳を使うと)楽しい、わからないことはつまらないと感じるのはこんな理由があるからなのです。
つまり、子どもに「わかった!」と思わせる言葉の選択や話し方、声のかけ方を意識すると伝わるようになるので行動に移しやすくなります。
3.すぐ終わりそうと思わせればサクッとやる子どもに大変身する声かけ
では、ADHDタイプの子が”めんどくさい”や”やりたくない”と言ってなかなか取り組まないときには、どんな声かけをすると良いのでしょうか?
それは、子どもがサッと動くことができる言葉をかけることです。
やらせたいことが子どもの立場から考えて、「すぐに終わりそう!」と思える内容や量になっているかを考えてみてください。
例えば、「片付けして!」というと、大変そうだな、時間がかかりそうだな、何からやればいいのかなと思ってしまうので、めんどくさい、やりたくない、後にしたい!という気持ちになってしまいます。
先ほどお伝えしたように、ADHDタイプの子は、めんどくさい、やりたくないという気持ちを抑えて行動することが苦手だからです。
さらに、ゴールのイメージがお互いに共通していないので動きづらいということがあります。
これが例えば「靴下を洗濯カゴに入れて~!」だったら、わかりやすいしそれだけやれば良いとわかるのですぐ動けるのです。
このように指示は簡潔に、できるだけ細かく具体的に伝えることで、ADHDタイプの子の”めんどくさい”を、”すぐ終わりそう!”と思わせて、行動につなげていきます。
このように、行動を変えるにはお子さんが取り組みやすい声かけをするとやりやすくなるので、こう言ってみよう!これじゃダメならこれは?と、色々試してみてください。
考えながら試していくことでお子さんのことを知れたり、イライラもいつの間にか消えていたりしますので、ぜひ試してみてくださいね!
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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