文字を書くのが苦手なお子さんへの対応に困っていませんか?そんな時、子どもに何度も書かせるということをしてしまいがちですが、それでは上達しないのがADHDキッズ。文字を書くのが苦手なお子さんが、上達する4つのポイントについてお伝えします。
1.文字を書くのが苦手で嫌がる子どもの対応に困っていました
我が家には、小学校1年生の文字書きが苦手な注意欠陥多動性障害(ADHD)と発達協調性運動障害(DCD)グレーゾーンの息子がいます。
息子は保育園の頃から文字を書くのが苦手で、「この子は小学生になったら大丈夫だろうか?」と思い悩んでいました。
そんな息子に、私は文字を上達させるには書かせる練習をしななければと思っていました。
まずは、息子に字を書く練習に興味を持ってもらおうと思い、息子の当時好きだったキャラクターのポケモンのドリルを書店で見つけて購入しました。
最初は好きなキャラクター効果で、予想していた以上にさくさくと進んでいきました。
この調子が続いて、文字が上達して欲しいと思っていましたが、飽きがくるのも早いのがADHDキッズ。
ドリルをやり始めてわずか数日で、半分も終わらないうちに飽きてしまいました。
それだけでなく、自分の思い通りに書けない事に対するイライラから癇癪になることが増えていったのです。
スモールステップを意識して、字の綺麗さではなく取り組めたことに対して肯定をしても、息子の中では自分の思い通りに書けていない事が気に入らず、癇癪に繋がってしまう…。
お気に入りのキャラクターのドリルと肯定の声かけで練習できるはずだと思っていた私の思惑は外れて、他のADHDの特性も関係して対応に苦戦するのがADHDキッズなんです。
息子が文字を書けるようにならなきゃいけないと思う焦りと、息子の癇癪への対応でへとへとな日々を過ごしていました。
2.発達障害の子どもにとって大変な「文字を書く」ということ
「ひらがなを書くのにこんなに時間がかかるなんて…」「これ位はすぐにできるでしょ?」と私たち大人は考えてしまいがちですが、ADHDグレーゾーンの子どもたちにとって、文字を書くことはハードルが高いことが多いです。
なぜADHDグレーゾーンの子どもの多くが、文字を書くことが苦手なのでしょうか?
文字を書くことが苦手な理由は色々あります。
・覚える、練習するといった「継続」が苦手
・自分のこだわりがあり、思い通りに書けないことが嫌だと感じる
・集中力が長く続かない
などがあります。
そして、発達障害の子どもに合併していることも多い発達性協調運動障害(DCD)も理由の1つです。
DCDとは、身体機能に問題がなくても、手と手、目と手、足と手などいくつかの身体の部位を一緒に動かして行う運動が難しいという障害です。
人間の運動には大きく分けて、寝返りや歩くという基本的な運動能力である粗大運動と、字を書いたり物をつまむなどの細かい動きをする微細運動があります。
DCDの特徴として、粗大運動や微細運動の両方が苦手、あるいはどちらか片方が苦手なことがあげられます。
そのため、同年代に比べて運動機能の発達が遅かったり、ぎこちなかったりします。
手を思った通りに動かしたり、指を細かく動かすことに苦手さがあり文字を書くことが苦手だったり、文字を書いても筆圧が強すぎたり弱すぎたりすることがあります。
我が家の息子の場合は微細運動が苦手、筆圧が弱いなどの様子がみられました。
そんな文字を書くのが苦手な息子が、文字が上達していったサポートのポイントをお伝えしたいと思います。
3.思わず「そんなことで?」と感じる文字が上達するための4つのポイント
文字を書くのが苦手な子どもへのサポートのポイントを4つ紹介します!
◆①本人が書きやすい鉛筆を選ぶ
鉛筆の形には、三角型や六角形、丸形の鉛筆など様々な種類があります。いくつか試してみて、お子さんが書きやすい鉛筆を選んであげると良いです。
◆②文字書きを分解しスモールステップで対応
文字書きのハードルを下げるために、まずはなぞり書きからスタートしましょう!
文字を書かせなきゃと最初から自分で書かせることをやってしまいがちですが、スモールステップで進んでいくことが必要です。
文字を書くのが苦手な子にいきなり書かせるのはハードルが高いので、まずはお母さんが書いて、その上からなぞって書くということを習慣化するのがおすすめです。
◆③取り組ませ方に工夫をする
飽きさせないように、何度も同じ文字ばかりの練習は避けた方が良いです。
学校からの宿題などでひらがなのプリントが出ている場合は、同じ文字を繰り返し書かくという形で出ている場合がありますが、ADHDの子どもにとって、何度も同じ文字を書かせていると集中力も途切れ、飽きてしまいます。
宿題のプリントが何枚か出ている場合は1枚ずつ仕上げていくのではなく、少しずつ順番に書くなどして、同じ文字ばかり書き続けることがないように工夫していくと続けやすくなります。
◆④リーダー線を入れて文字を書き写しやすくする
リーダー線があることで文字の形が捉えやすくなるので、活用するのがおすすめ。 もしリーダー線が入っていないという教材は、見本も書く方も両方にリーダー線を付け加えてあげると書きやすくなります。
いかがだったでしょうか?
書くことが苦手なお子さんには、まずはお子さんが書きやすい鉛筆を選ぶところからスタートしてほしいと思います!
「鉛筆を変えるだけで、文字が整うの?」と思うかもしれませんが、鉛筆1つで持ちやすさや力の入り具合が変わるのでそれだけで書けることもあるかもしれません。
文字書きに悩むお母さんは、お子さんにあった鉛筆を選んだ後にこのポイントをぜひ試してみてくださいね!
執筆者:くるまえり
(発達科学コミュニケーション STELLA✲Schoolアンバサダー)
文字書きが苦手なお子さんには、何度も書かせるのではなく、まずはその子にあった鉛筆を見つけることから取り組むことがポイントです。メルマガではADHDキッズの育児のコツを配信しています。ぜひ、登録してみてくださいね。