本当はガミガミ言いたくないのに…そう思いながらも怒ってしまった経験はありませんか?私も発達障害・ADHDタイプの息子には怒ってばかりでした。でも「引き算」の考え方をしたらすごくラクになったんです!その対応を成功させるコツとは?
1.発達障害の子育てにありがち?私も数年前まで怒ってばかりでした
発達科学コミュニケーション(発コミュ)トレーナーの仕事をしていると、ママ自身が怒るのをやめられなくて苦しいというご相談が多いです。
例えば、せっかく楽しくお出かけの予定だったのに、子どもを怒ってしまい思い出が台無しになった…そんな経験をされたママも多いのではないでしょうか?
でも、そういうママたちはみんな子どものことをすごく大切に思っていて、本当はガミガミ怒ったりなんてしたくない!と思っています。
それなのに、思うように子どもに接することができない自分の対応を責めてしまう、そんな方が多いと感じます。
発達障害の子どもたちの子育ては怒りたくなることが多いですよね。
私も昔はガミガミ怒ってばかりでした。
それでも、対応を変えれば大丈夫と知って、安心してもらいたいのです。
数年前の私について書きたいと思います。その頃はまだ自分に合わない育児をしていたので、注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの息子には怒ってばかりでした。
思い返してみると、自分の理想通りにできなくて子どもに怒って、そんな自分に自己嫌悪という悪循環だったと思います。
長男が4歳の頃から8歳で発コミュに出会うまで、よく4年間も懲りずにこの対応を繰り返していたなと思います(笑)。
そんな私は発コミュに出会い、発達障害・ADHDタイプの子の特性だけでなく自分の特性を知ることで、初めて自分が理想とする育児は私たちには合っていないということに気付いたんです!
2.ADHDタイプの息子だけじゃない!自分の特性も知るべきだった理由
合っていないとはどういうことかと言うと、私は色々きちんとやりたいタイプで、完璧なママを目指していました。
例えば、
・子どもたちに楽しい思いをさせたい!
・宿題や勉強もきちんとさせたい!
・家の片付けもしたい
・朝ごはんは素敵に豪華に準備したい!
と、理想を膨らませて週末に挑んでいました。
ですが、発達障害・ADHDグレーゾーンの子育てをしていてそんな理想は叶うはずもなく…。
例えば、理想は「綺麗な部屋で素敵に朝ごはん」ですが、ADHDタイプ男子は何かしら散らかしてくれます。
だから、素敵に朝ごはんのためにはまず片付けが必要で、その時点で計画が狂ってきます。
そして片付けをしていると子どもたちが起きてきて、「ママー、お腹減ったー!」と連呼する。
はじめは「待ってねー!」なんて言ってみても、ADHDタイプ男子は待てないですよね。
こっちは片付けをしているのにお腹減ったコールが続くと「待ってって言ってるでしょ!」と、こちらもイラっとしてしまう…。そんな対応を続けていました。
そんな現状に、一人で勝手に
「せっかく楽しい週末を過ごさせてあげようって思ったのに…」
「今日は怒らずにいようって決めてたのに…」
「予定通りにいかせたかったのに…」
と思って悲しくなり、イライラし、また子どもに怒ってしまう。
そんな最悪な週末を過ごしていました。こんな週末、子どもたちも嫌ですよね。だから私は週末が来るのが楽しみな反面、辛い気持ちもありました。
それが、今ではそんな辛い週末を過ごすことはなくなりました!
子どもたちとずっと一緒に過ごせる週末なんて人生の中で何年かしかないのに、そんな風に使ってしまって勿体無かったなと思っています。
ちなみに、発コミュに出会って気付いた私の特性は、
・真面目の完璧主義なので理想は高め
・だけど、時間管理が甘い
・思考があっちこっち行くので、1つのことに時間がかかることがある
・2~3つ物事が重なるとイライラする
・思った通りに進まないとイライラしやすい
そして、発達障害・ADHDタイプの息子は、
・片付けが苦手
・言われてもサッと取り掛かりにくい
・集中力がない
・計画を立てるのが苦手
・時間感覚が薄い
です。
こういった特性を考えたときに、私の理想の週末は1日で実現するのは絶対に無理!という結論に至りました。
そのことに気付き、対応をしているおかげで、今では楽しく週末をすごせています。
3.家族みんながハッピーになる「引き算の対応」しませんか?
では、具体的にどんな対応をしたのかと言うと「自分の理想の1日」をやめました!
とはいえ、理想は自分の中にあるものなので完全にやめるのも自分の中でストレスになります。だから、理想を緩めたという方が近いかもしれません。
私の理想をコンプリートしようとすると、お互いがイライラしてしまうことが容易に想像できました。
そこで、妥協できる部分を緩めて「まぁ、いっかー」と思うようにしました。このときの緩め方のコツは、
①まず、自分の譲れないものを考える
→例 子どもに楽しい思いをさせること
②次に、なくてもいいものを考える
→例 朝ごはんは素敵じゃなくてもいい
③次に、妥協できるラインを考える
→例 片付け、宿題や勉強は5割でもいい、出かける前に終わらなくてもいい
ここでポイントになるのが、やらなくていいことを増やすということ!緩め方と言っているくらいなので必ず引き算になるようにしてくださいね。
こう考えることで、週末のテーマは「子どもに楽しい思いをさせる」「出かける前に半分くらい、片付けや宿題、勉強を頑張る」に変わりました。
この対応をしたらどうなったかというと、私がイライラしなくなり楽になったのはもちろんですが、実は発達障害・ADHDタイプの子どもがとっても変わったんです!
例えば、あんなにガミガミ言われてやっていた宿題を嫌がらず頑張るようになりました。ときには何も言っていないのにコンプリートしてしまうことも!
自分が楽になるのは想像できたんですが、こんなに発達障害・ADHDタイプの子どもが変わるのは想定外でした。やっぱり子どもは親の関わりで変わるんだ!と感じた瞬間でした。
みなさんも自分の中でこんな風に過ごしたいという理想があったり、計画があったりすると思います。
でも、もしも「いつも、なかなかうまくいかない!」と感じていたら、予定や理想を見直してみてください。
そのときのポイントは、必ずやることが減るように引き算にすること!自分が譲れないことから逆算して考えてみてくださいね。
少しずつ理想を緩めていき、対応を変えていくことで、発達障害・ADHDタイプのお子さんとの楽しい家族時間を手に入れられますよ!
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)