ADHD+ASDタイプの息子は漫画や玩具など自分が欲しいものへのこだわりが強く、衝動的にお金を使ってしまいがち。そんな息子がお金との上手な付き合い方を学んだ「おこづかいルール」の紹介です。
1.お金をすぐに使ってしまう!衝動買いが止まらない息子
注意欠陥多動性障害(ADHD)+自閉症スペクトラム(ASD)タイプの息子は小学2年生。
漫画やおもちゃなど欲しいものが次々と増え、価格もだんだん高くなってきました。
これまでは必要に応じて親が買っていましたが、「これ買って!」と言われるたびに欲しい気持ちを否定するのは心苦しく、かと言ってすぐに買い与えるのも違うと感じていました。
息子はADHDの特性から、衝動性が強く「欲しい!」と思ったらすぐに手に入れたくなるタイプ。
さらにASD特有のこだわり傾向も強いので、カードゲームやパーツを集めてカスタムする玩具に熱中していき、寝ても覚めてもそれを手に入れることしか考えられないといった様子でした。
この感覚は私もわかります。欲しいものは欲しい!服だってスイーツだって、スマート家電だって欲しい!

しかし全てを買わないのは、使えるお金は限られているから。仕事をして稼いだお金はよく考えて大切に使いたいからです。
衝動買いをする息子にもお金の大切さを学んでほしい。買う前に一旦立ち止まってそれが本当に必要なものなのか考えるようになってほしいと思いました。
これまでの「親に言えば買ってもらえる」が当たり前になっていた息子に、どうやって金銭感覚を身につければ良いのか。
お子さんが自分でお金を管理するようになるタイミングで、このようなことを考えるママも多いのではないでしょうか。
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2.ADHD、ASDの人がお金の管理が苦手な理由
一般的に大人のADHD、ASDタイプの人は、お金の管理が苦手な人が多いと言われています。
その理由として、次の3つが考えられます。
①衝動買いや無駄遣いをしてしまうため浪費が激しい
特にADHDタイプの人は衝動性や不注意の傾向から、お金に関する衝動的な問題を抱えやすい傾向があると言われています。
ゲームへの課金やギャンブル、欲しいと思ったらすぐにお金を使ってしまい、気づけば財布の中身が空っぽということが起こりやすいです。
②将来を見据えたお金の管理が難しい
先のことを見通す力が弱いので、未来のためにコツコツとお金を貯めるのは向いていません。
例えばお金をためて車やマイホームを購入するなど、まだ経験していないぼんやりした未来のために我慢するよりも、つい目先の報酬に目がいってしまうといった傾向があります。

③好きなものにはとことんこだわる!凝り性が浪費の原因に
特にASDタイプは、自分が好きなゲームやフィギュア、さらには推し活などへのこだわりが強く、徹底的に追求したいという気持ちから、買いたい気持ちが抑えられないといった特徴が見られます。
最近はクレジットカードなどによるキャッシュレスの広がりから、お金が減っているという感覚が掴みにくく、案外簡単にお金を借りることも出来てしまうので、気づかない間に借金を抱えているケースも少なくないそうです。
将来お金に困ることが無いように、今からお金と上手く付き合う方法を身に着けてあげたいですよね。
3.自分の頑張りでもらえる金額がUP!おこづかいルールの工夫
ADHD、ASDタイプの子が上手にお金と付き合うためには、「欲しい気持ち」に共感しながら、一緒に作戦を考えることが効果的です。
ここではやり方とコツを息子の例を踏まえて解説します。 まず、子どもが買いたい!欲しい!とワクワクするものを決めることからスタートします。
例えば、息子が欲しがったのは毎月15日に発売される770円の月刊漫画でしたので、770円を1か月で貯めるのが目標になりました。
お子さんが欲しいものへのワクワク感でやる気になったら、次はおこづかいのルールを説明して、一緒に話し合っておこづかい表を作りましょう。
内容は子どもができると思える、簡単で取り組みやすいものにすることがポイントです。 「テーブル拭き20円」「洗濯物を干す30円」といった具合です。
息子は食器洗いに苦戦していたので、最初は小さい取り皿だけ洗うなど難易度を合わせてあげたことで続けることができました。 その子に合わせてスモールステップでやってもらうのが続けるためのコツです。
休日は朝ご飯、昼ご飯前のテーブル拭き、洗濯物を干す、お風呂掃除をすると100円になるので、1か月で800円貯められます。
平日は学校と習い事があってあまり時間がとれませんのでお風呂掃除だけといった感じで設定しました。 あくまで子どものやりたい気持ちを尊重して、「このお手伝いは○○君のお仕事でしょ」というような無理強いはしないようにすることが大事です。

また、「漢字ドリルを終わらせたら100円」「縄跳びカードで1個丸がついたら100円」など、本人の努力や成果を評価するボーナス制度を取り入れるのもおすすめです。
実際には、洗濯物がシワだらけだったり、テーブルを丸く拭いたりと完璧ではないことも多いと思います。
しかし、お手伝いそのものがトレーニングになると考え、こまめに褒めてやる気を維持することが大切です。このような工夫で、お金の管理スキルと成功体験を積み重ねていきましょう。
4.小さな成功体験の積み重ねからお金との上手な付き合い方を学ぶ
おこづかいルールをやっていくと、息子の行動に変化が見られるようになりました。
・ お金は使った分だけなくなるという意識に変わり、衝動的に使わなくなった
・「お母さん、今できることある?」と自分から進んでお手伝いをするようになった
・目標金額まであと何円?と計算し、計画的に動けるようになった
今では毎月1冊ずつ増える漫画は、息子にとって小さな成功体験の積み重ねとなっています。

自信をつけた息子の次の目標は2000円の玩具です。
「玩具を早く買いたいから漫画は我慢する」と自ら選択する姿に、着実にお金の使い方を学んでいることを感じます。
将来必要となるお金の上手な付き合い方を楽しみながら自然に身につけることができるので、ぜひ一度、お子さんと一緒に取り組んでみてくださいね。
執筆者:藤もとのりえ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
ADHDタイプの子は「欲しい!」という衝動も強く、お金の管理が難しいですが、欲しい気持ちを否定せず、小さな成功体験を積む関わり方で変わっていきます。メルマガでは、衝動的な行動を落ち着かせる声かけや効果的な対応法をお届けしています。無料で登録できますので、ぜひ読んでみてくださいね。