学校を休むと休みぐせがつくのではと不安なお母さんへ。行きしぶりの背景にある脳の仕組みを解説し、ADHDグレーゾーンの子どもが安心して回復するための学校を休む日の過ごし方と親の関わり方を紹介します。
1.休みグセ、登校拒否が心配で「休んでいいよ」と言えなかった
子どもが学校に行きたくない…と言い出したとき、「このまま学校を休むと、休みグセがつくのでは?」「一度休ませてそのまま行けなくならないだろうか」と不安が頭を過って、休ませる選択を悩むことはありませんか?
今回はそんな風に迷って悩むときにおすすめの対応法を紹介します。
私も実際に子どもが行きしぶりを始めた時は、学校へ行きたくない息子を車に無理矢理引きずりこんで、連れて行っていました。
ところが、学校に到着してもなかなか車から降りてくれない…。仕事があるのに!と焦る気持ちから強引に靴を履かせて「降りるの?降りないの?」と脅しのような言葉をかけていました。
そのうちに息子は、朝起きることもできなくなり、家から脱走したり激しく暴れるようになっていってしまったのです。

そんな状態になっていても「学校を休む」という選択ができなかったのは、私が子どもの頃は 、多少つらくても学校には行くものと言われていたり、休むと甘えになるという教えの価値観の中で育ったからです。
だからこそ、休ませた方が良いの?と考えるときに「楽をさせているのではないか?」「甘やかしていることになるのではないか?」という気持ちになるのはすごくわかります。
ここで伝えたいのは、学校を一度休ませたからといって休みぐせがつくわけではないとういうことです。
むしろ、ストレスが限界を超えている状態のまま無理に学校へ通わせ続けることの方が注意が必要なんです。
2.「学校を休む」と子どもが言うときに脳内で起きていること
「ストレスが良くないというのはよく聞くけど、何がどう問題なの?」
そう思われたお母さんもいるかもしれません。
私たちの脳には、ストレスから身を守るための仕組みが備わっています。
嫌なことや不安なことが起きると、それに対抗するための脳内物質(ノルアドレナリン)が分泌され、「なんとか乗り越えよう」と体を動かしてくれるのです。
この働きは本来は短期間であれば問題ありません。ところが、学校生活そのものが強いストレスとなり、学校を休むほどの状態が長く続いている状態となると話は変わってきます。
緊張や不安が毎日続いてしまうと、脳内で守るはずだったノルアドレナリンが今度は分泌されすぎた状態になってしまい、常に「頑張らなきゃいけない」という戦闘モードから抜けられなくなってしまいます。
実はこれが、とても厄介なのです。
過剰になったノルアドレナリンは、心と体を守るどころか逆に神経を過敏にし、ちょっとした刺激にも強く反応する状態をつくってしまいます。

そうすると子どもは、
・ちょっとしたことでキレやすくなる
・理由のわからない不安を感じる
・落ち込みやすくなる
など、精神的に不安定な状態に陥りやすくなります。
お母さんから見ると「前より荒れてきた」「学校を休ませているのに元気にならない」そんなふうに感じることもあるかもしれません。
それは、甘えでも反抗でもなく、 脳がこれ以上の刺激から自分を守ろうとしているサインなのです。
特に注意欠如・多動症(ADHD)グレーゾーンの子どもたちは、 感情や刺激をコントロールする脳の前頭前野のエリアがもともと発達途中にあります。
そのため、前頭前野のはたらきが効きにくくなり、 頭では分かっていても、気持ちや行動を切り替えられない状態が起こりやすくなります。
学校を休むほどストレスがかかっている状態のまま「行きなさい」「頑張りなさい」と無理をさせ続けると、回復までにより多くの時間が必要になってしまいます。
では、実際に学校を休んだら「好きにさせていいの?」「勉強はやらなくていいの?」と気になりますよね。
学校を休んだらどう過ごせば良いのか、ママはどう対応すれば良いかを紹介しますね!
3.実際に休んだときに大事な過ごし方 「インプット」と「アウトプット」
子どもが「行きたくない!」と言って学校を休むことを選択した日は、脳が育つ楽しいことをしながら、インプットとアウトプットが繋がるような対応をしてあげてください。
ADHDグレーゾーンの子どもたちは、 実はとても繊細で、刺激に敏感な一面を持っています。
そのため、音や映像、人の表情などを受け取りやすく、インプットが多くなりやすい傾向があります。
一方で、受け取ったものを整理したり、言葉や行動に変えて外に出すアウトプットは苦手という子も少なくありません。
脳が育つのは、インプットとアウトプットがつながったとき。「やらせっぱなしにしない」関わりが大切です。

例えば、料理ならレシピを一緒に検索して作り、感想を話しながら食事をする。ゲームなら「もし自分だったらどうする?」映画なら「どんなところが印象に残った?」と会話をしながら話すこと。
こうして、好きなことを取り入れながらアウトプットをすることで、脳は少しずつ整理と切り替えができるようになっていきます。
「わかってもらえた」「話してよかった」「やってみて楽しかった」、そんな小さな成功体験の積み重ねが、苦手さを抱えやすい脳のエリアをゆっくり、確実に育てていきます。
休む日は、決して止まる日ではなく脳を整え育て直す大切な時間なのです。
親にできる一番大切な役割は、ただ前に進ませることではなく「安心して立ち上がれる場所」を作ることです。
焦らず比べず先回りしすぎず、子どものペースを信じてあげてください。
お母さんの意識と関わり方が変わると、子どももどんどん変化が見えるようになり、自然と学校を休む選択は減っていきますよ!
執筆者:山本みつき
(Niccotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)
(Niccotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)
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