作業済み 子どもの将来が心配…「夢はない」と言うADHDの子どもが未来を話し始めた質問の仕方

子どもに夢を聞いても「ない」と返されて、どうにか夢を持たせたい!と感じていませんか。そんな時は聞き方を変えてみるのがおすすめ。ADHDの息子が未来を語り始めた”好きなこと”から始める声かけをお伝えします。
 
 

1.将来について「夢はない」という息子が心配だった私

 
 
「将来何になりたい?」 親なら一度は子どもに聞いてみる質問ではないでしょうか。
 
 
うちの子はどんな大人になりたいんだろう。
 
 
どんなことにワクワクするんだろう。
 
 
子どもの未来をのぞいてみたくて、私もよく息子に聞いていました。
 
 
 
 
ところが、我が家の注意欠如・多動症(ADHD)の息子にこの質問をすると、「ない」 と答えたり、黙ってしまったり。
 
 
会話が続かないことがほとんど…。
 
 
ゲームの話や犬の話はたくさんするのに、将来の話になると急に言葉が少なくなりました。
 
 
そんな息子の様子を見ているうちに、
「このまま将来やりたいことが見つからなかったらどうしよう」
「将来に希望が持てていないのかな」
と、私は少しずつ不安を覚えるようになっていました。
 
 

2.「夢がないのかな」と思った時に知っておきたいADHDの子どもが答えにくい理由

 
 
ADHDの子どもが「夢」を聞かれて答えにくいのはなぜなのでしょうか。
 
 
ADHDの特徴を持つ子どもは、今目の前にあることに意識が向きやすいので、「今、やりたい!」「今、欲しい!」という気持ちが強く出ることが多くあります。
 
 
その一方で、まだ起きていない未来のことを頭の中でイメージしたり、数年先の自分を思い浮かべたりすることには負荷がかかりやすい傾向もあります。
 
 
そのため、聞かれても答えることが難しいのです。
 
 
さらに、頭の中で考えを整理したり、自分の想いを言葉にすることに苦手さがある子どももいます。
 
 
 
 
実は、「将来何になりたい?」という質問には、
・将来を想像すること
・考えを整理すること
・思いを言葉にすること
が必要になり、ADHDの子どもにとっては一度にたくさんのことを求められる質問となっているのです。
 
 
また、息子のように不登校の期間がある子は、学校や進路につながる話題そのものを避けることもあります。
 
 
つまり息子は、将来を考えていなかったのではなく、将来をどう考えたら良いのか分からなかったのかもしれません。
 
 
そんな風に思えたとき、私は将来の夢を聞くのではなく、息子が答えやすい聞き方を探してみようと思うようになりました。
 
 

3.「ない」しか言えなかった子どもが未来を語り出す”好き”から夢を引き出す質問

 
 
では、将来の夢を話せないADHDの子どもが、未来を描けるようになるにはどうしたら良いのでしょうか。
 
 
私がやってみたのは、将来の夢を直接聞くのではなく、息子の“好き”から話を広げることでした。
 
 
息子は飼い犬が大好きだったので、
「次はどんな犬を飼いたい?」
と聞いてみました。
 
 
すると息子は、
「ゴールデンレトリバー!」
とすぐに答えました。
 
 
さらに、 「その犬とどこへ行きたい?」 と聞くと、 「ドッグラン!」 「公園!」 と楽しそうに話してくれました。
 
 
その流れで、
「犬が好きな人ってどんな仕事があるかな?」
と聞いてみたのです。
 
 
すると息子は、
「犬の動画を撮る人とか、ブリーダーさんとか」
「俺はトレーナーとかもしてみたい」
と、自分から未来につながる話を始めました。
 
 
 
 
 
息子には、
「将来何になりたい?」
と聞くよりも、好きな犬の話から始める方が答えやすかったようでした。
 
 
犬としたいことを話しているうちに、犬に関わる仕事まで話は広がっていきました。
 
 
夢を聞くのではなく、好きなことから一緒に話す。
 
 
その小さな聞き方の違いが、息子が未来を言葉にするきっかけになりました。
 
 

4.「トレーナーになりたい」好きから夢を描き始めた息子の嬉しい変化

 
 
そんな会話を続けているうちに、息子に起こった変化があります。
 
 
それまで将来の話を避けるようにしていた息子が、 「ドッグトレーナーってかっこいいよね」 と言うようになったのです。
 
 
そしてその小さな夢に対して、
「俺、そのために勉強だけはやっておこうかな」
という言葉まで飛び出してきました。
 
 
以前の息子は、将来について聞かれると会話が止まっていましたが、好きな犬の話から未来を想像できるようになったことで、 「どんな仕事があるんだろう」 「そのためには何が必要なんだろう」 と考えるようになりました。
 
 
将来の話になると黙っていた息子が、自分の未来を言葉にするようになったのです。
 
 
そして、将来の姿を具体的にイメージできるようになったことで、
「トレーナーになるには何が必要なんだろう」
と、今やるべきことにも目を向けるようになりました。
 
 
将来の姿を少しイメージできたことで、息子の中で「今やること」の意味がつながり始めたのだと思います。
 
 
親が「勉強しなさい」と言うよりも、自分で見つけた目標の方が息子を動かす力になるのだと感じました。
 
 
 
 
 
 もしお子さんが将来の話になると黙ってしまうなら、
「今、一番好きなことは何?」
と聞くところから始めてみてください。
 
 
 好きなことから始まった会話が、「夢はない」と言っていた子どもの未来につながっていくことがあります。
 
 

執筆者:百瀬さちこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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