学校から電話が来るたび、ADHDの子どもを問い詰めて親子で疲れていませんか。トラブル後すぐの反省会は実は届いていないかも…その理由と、行動改善につながる意外な対応法を解説します。
1.学校から電話が来るたび「また?」と怒っていた私
夜7時。お決まりのように学校から電話がかかってくる。
スマホの画面に表示される「学校」という文字に一気に気持ちが重くなる…。
スマホの画面に表示される「学校」という文字に一気に気持ちが重くなる…。
これは約7年前の私の日常でした。
「友達を叩きました。」「暴言を言いました。」「先生に反抗しました。」
そんな報告を毎日のように聞いていました。
そんな報告を毎日のように聞いていました。
電話でひたすら先生に謝り、終わったあとは
「またなの?」「なんでそんなことをしたの?」「何回言われたら分かるの?」
と息子を問い詰める。
「またなの?」「なんでそんなことをしたの?」「何回言われたら分かるの?」
と息子を問い詰める。
怒りたくないと思っていても、学校や相手に迷惑をかけたことへの申し訳なさや、何回言い聞かせても変わらないことに腹が立って、強い言葉も出てしまっていました。

そして、「家でしっかり言い聞かせなければ」と、その日のうちに反省会。
そのときは反省しているかのような姿を見せる息子に、「次こそ大丈夫」と思うのに、繰り返される学校からの電話に本当に疲弊していました。
夜のこの時間は苦しい時間になり、親子関係もボロボロ…。
もし今、私と同じように学校からの報告電話に悩んでるお母さんがいたら、電話を切ったそのあとは絶対に反省会はやらないでほしいと思います。
学校からの電話を受けた直後のお母さんも、ネガティブなことを言われそうだと感じている子も、このまま話すと、脳の状態から見て1ミリも解決しないからなんです。
2.電話のあとの反省会がADHDの子どもに届きにくい理由
学校から電話が来て、その内容を確認しようと思うと、子どもは
・何が起きたかを思い出す
・出来事を順番に並べる
・自分と相手の立場を分けて考える
・次はどうするかを決める
といった考える力が必要です。
・出来事を順番に並べる
・自分と相手の立場を分けて考える
・次はどうするかを決める
といった考える力が必要です。
これは、考える、覚えておく、行動を切り替えるといった「実行機能」というはたらきが関係しています。
ADHDタイプの子どもは、この「実行機能」のはたらきと、実行機能と連携している「感情を調整する力」に苦手さがあることが多いです。
学校で注意された直後や気持ちが高ぶっているときは、考えを整理する力もはたらきにくくなっています。
その状態で「なんでそんなことしたの?」と聞かれても、冷静になれません。

さらに「なんでそんなことしたの?」という質問は範囲が広すぎて、はたらきが落ちている脳では整理が追い付かずどこから説明すれば良いのかわからない…という状態にもなりやすいです。
その結果、
「分からない」「やってない」「向こうが先にやった」「もう話したくない」
といった反応になり、お母さんが「この子反省してない!」と誤解してしまうことにも繋がるのです。
「分からない」「やってない」「向こうが先にやった」「もう話したくない」
といった反応になり、お母さんが「この子反省してない!」と誤解してしまうことにも繋がるのです。
3.実は学校だけで起こるわけではない トラブルや問題行動の本当の原因
今度はお母さんの視点でのお話をします。
学校から電話が来ると、どうしても「学校で起きた行動」として、どうにか直さなきゃ!と感じますよね。
私も、目の前にある困りごとは学校で起きているのだから、学校での態度を改めさせれば変わると思っていたんです。
ところが、発達や脳の仕組みを学ぶ中で、今していることは学校で限界だった子に家に帰って来てすぐもう一度“学校の反省会”をさせている、これでは改善するはずがないと気付きました。
どういうことかというと、ADHDタイプの子どもは、学校生活の中で、座る・聞く・待つ・切り替える・友達との距離を考える、先生の指示を聞くなど、たくさんの苦手な力を使っています。
その力を一日中使ってヘトヘトになって帰ってきた子どもに、帰宅後すぐ反省会をすることは、脳にとってさらに負荷をかける時間になるので、残念ながら学びにはならない、ということなのです。

ここで大事なのは、学校で起きたトラブルは学校だけで起きているとは限らない、という視点。
寝る前に不安や刺激が残っていたら、翌朝は動きにくくなっているかもしれない。
朝から怒られて登校したら、学校に着く前から脳が疲れているかもしれない。
朝から怒られて登校したら、学校に着く前から脳が疲れているかもしれない。
学校で見えている行動は、1日の中で積み重なった脳の疲れやストレスが表に出た結果かもしれないのです。
ここに気づくと、学校で起きたトラブルの見え方が変わります。
4.電話で問題を報告された日にお母さんにやってほしい意外な対応
学校から電話が来た日に、お家でお母さんが最初にやってほしいのは…子どもを回復させること!
意外かもしれませんが、トラブルや問題の事実確認をして、話して聞かせることではないんです。
電話があって問題報告を聞いたあとは、帰ってきた子どもにすぐに確認したくなると思います。
「今日、何があったの?」「なんでまたやったの?」「昨日約束したよね?」
同じことを繰り返してほしくないからこそ、聞きたくなりますよね。
同じことを繰り返してほしくないからこそ、聞きたくなりますよね。
けれども、覚えておいてほしいのは、ここで問い詰めることは、子どもにとって家が安心できる場所ではなく、もう一度責められる場所という認識になってしまうということ。
だからこそ、まずは帰宅後すぐの反省会はやめましょう!
水を飲む。おやつを食べる。ぼーっとする。好きなことを少しする。
たったこれだけで、子どもの脳は少しずつ落ち着きを取り戻していきます。
たったこれだけで、子どもの脳は少しずつ落ち着きを取り戻していきます。
私も、帰宅後の最初の対応を変えてテストしてみたことがあります。
帰って来てすぐに責めるような声かけをしない。
振り返りのような反省会をしない。
振り返りのような反省会をしない。
家で「回復させること」を優先して、集中的に実践してみました。
結果は…忘れもしません。実践した次の日、学校からの電話がかかってきませんでした!

もちろん、その一日で全てが変わって改善したわけではありません。
それでも、学校から電話が来るほどのトラブルがなかったのだ、と思えたのが大きかったです。
その後も帰宅後すぐの反省会をやめる対応を続けました。
それだけで、親子バトルが減り、学校からの連絡も少しずつ減っていきました。
学校から電話が来た日こそ、怒ったり反省会をする前にまずは回復を優先する。
家での時間を整えることで、子どもの脳の負担が減り、学校での行動が変わり始めますよ!

水本しおり
A.反省会をしないことは、そのままにするという意味ではありません。
大切なのは、タイミングです。まずは回復させて、落ち着いたあとに「何があったのか」「次はどうするか」を一緒に整理していきましょう。

水本しおり
A.学校トラブルの解決のためには、情報共有や環境を整えるための連携など、家庭だけでは難しいこともありますが、まずは子どもの回復が優先です。家庭で整う時間が増えると、子どもの負担が減り、学校での行動も変わり始めます。そのあとで残ってしまったトラブルに対する対応を相談するといいですね!

水本しおり
学校から電話が来ると、色々な感情が一気に湧き出てきますよね。
その状態で子どもと話そうとすると、うまくいきません。子どもを回復させるためにも、まずはお母さん自身の心を落ち着けることが大切です。
学校からの電話のあとの気持ちの立て直し方を知りたい方は、STELLA*channelの動画もあわせて見てみてください。ヒントをお話ししています!
執筆者:水本しおり
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)

