「返事がない!」それって過集中かも…話が聞けない子への笑顔のダブル作戦

何度呼んでも返事がない子に困っていませんか。ついイライラしたり怒ってしまいがちですが、ADHDタイプの子の話が聞けない理由は過集中かもしれません。我が家でやってみて効果抜群だったオススメのママとの関わり方をご紹介します。
 
 

1.「返事をしてね」は効果なし!話が聞けない息子の対応に困っていた私

 
 
我が家の小学3年生の注意欠陥多動性障害(ADHD)の息子は、何度呼んでも全く気づかず返事がない子でした。
 
 
声をかける時は、目を見て声をかけた方がいいとは知っていましたが、家ではいつもYouTubeとゲームばかりなので目を見て声をかけることができません。
 
 
 
 
YouTubeやゲームをやっていない時を見計らって「呼んだら返事をしてね」と何度も言うのですが話が聞けない子でした。
 
 
何度呼んでも返事がないので、顔を覗き込んだり、肩を軽くポンポンと触れて意識をこちらに向かせようとすると「さっき聞いた、うるさい!」と逆ギレされてしまうので、どう対応すれば良いのか困っていました。
 
 

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2.ADHDタイプの子が話が聞けない理由

 
 
ADHDの特性には、多動性・衝動性・不注意・この3つが混合されているミックスの4タイプに分かれます。
 
 
そして、ADHDタイプの子は人の話を聞くのが苦手です。
 
 
その理由は、
 
 
・多動性タイプは、落ち着きがなく、手足がそわそわしていてじっとしていない特性があるので、長い話や静かにしなければならないという環境で聞くことが特に困難です。
 
 
・衝動性タイプは、相手が話し終わる前に話し始めてしまったり、前置きがなく出し抜けに話を始めたり、融通が利かない特性があるので、他人が話している内容に追いついて理解するのが難しいことがあります。
 
 
・不注意タイプは、気が散りやすかったり、呼びかけても応答が弱く、注意を向ける対象がコロコロと変わり、細かいことに注意を持続できない特性があるので、一つのことに集中して聞き続けるのが難しいです。
 
 
・ミックスタイプは、この3つの特性全てが目立つということがあります。
 
 
 
 
どのタイプにも「過集中」といって自分の好きなことに対しては集中しすぎてしまい返事ができない場合があります。
 
 
返事がないのは、過集中により実際に聞こえていなかったり、聞こえていても自分に話しかけられていると気づかない、音としては認識していても内容を理解できていない、または現在行っていることから意識を移せずに返事ができないことなど、さまざまな状況が考えられます。
 
 
その中でも、名前を呼ばれても反応できないという状態は聞こえているけど返事ができない、つまり本人が無意識のうちに起こるのです。
 
 
慎重にしなくてはならない場合や細かい作業などはこの集中力が役立ちますが、日常生活で過集中が何度も起きると、このように困りごとにつながることもあります。
 
 
また、返事をしたときにママからネガティブな感情を受け取ってしまい嫌な記憶になっているということもあるかもしれません。
 
 
例えば、がんばって返事をしたのに、ママの怖い顔や困った表情を見たり、ママに怒られたなど良くない記憶があると、「また怒られるかもしれない」と思って返事をする気がなくなってしまいます。
 
 
なぜなら、発達障害・ADHDタイプの子は、良い記憶より良くない記憶の方が記憶に残りやすいからです。
 
 

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3.あのまま放置しなくて良かった!困りごとが二次障害を起こす危険性

 
 
もし返事をしない息子を放置していたら、私は息子に怒ってしまうことが日常になり、それをきっかけに二次障害を起こしていたかもしれません。
 
 
ADHDタイプの子は、叱られたり、非難されることが繰り返されると、自分を認めてくれない社会や大人に対して反抗心を抱くようになります。
 
 
 
 
また 、怒りをぶつけたり劣等感を抱いたり、対人関係がうまくいかないことなどから過度のストレス を受け、精神的に不安定になる可能性もあります。
 
 
合併症を発症しなくても、自分を理解してもらえずうまくいかないと感じる経験は良い未来を創りません。
 
 
このような困りごとを抱えているママたちは、今すぐ行動に移すことをお勧めします。
 
 

4.声をかけるタイミングと返事をする度感謝が上手くいく!笑顔のダブル作戦

 
 
では、過集中で話が聞けない子が返事をするにはどうしたらいいでしょうか。
 
 
私がやったことは声をかけるタイミングを図ることと、返事をしてくれたことに笑顔で感謝の言葉を言うことの2つです!
 
 
1つ目は子どもがやっていることを見て声をかけるタイミングを図ることです。
 
 
息子がゲームをしている時に声をかけると、「うるさい」と言ったり、返事がないことがありますが、それ以外では「うるさい」と言わないのです。
 
 
これはゲームに集中しているから邪魔されたくないとか、過集中のため聞こえていないのではと思いました。
 
 
つまり、ゲームの時以外に声をかければいいとタイミングがわかったので、子どもそれぞれのいいタイミングを見つけてあげることが大事です。
 
 
2つ目は子どもが返事をしたことに感謝を伝えて、返事をするといいことがあると覚えさせることです。
 
 
思い起こしてみると、普段は私から質問したときだけ「教えてくれてありがとう」と笑顔でお礼を言っていたことに気づいたのです。
 
 
また、返事をすることはADHDキッズにとっては当たり前ではないと思ったので、返事があった時はいつも笑顔でお礼を言うようにしました。
 
 
笑顔でお礼を言うことは、子どもにとっては良い記憶として残ります。
 
 
 
 
つまり、返事をする度に笑顔で感謝を伝えることで、良い記憶が育まれるのです。
 
 
このダブル作戦で声をかけると息子は「何?」と必ず返事をするようになりました。
 
 
息子にとって返事をすることが徐々に良い記憶になったんだと思います。
 
 
そして、以前話したことを行動に移しているところを見つけたら、すかさず「お母さんが言ったことを覚えていてくれていたんだね、ありがとう」と伝えたり、指示したことをすぐにやろうと動いた瞬間に「すぐ動いてくれるんだね、ありがとう」と言うようにしました。
 
 
すると、今までは全く返事をしなかった息子が「そうだよ、覚えているよ」とか「できるよ、早いでしょ」とどんどんうれしい返事をするようになりました!
 
 
返事がないお子さんに困っているという方は、このダブル作戦をぜひ参考にしてくださいね。
 
 
 
 

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執筆者:長谷川摂理
(発達科学コミュニケーション STELLA*Schoolアンバサダー)
 
 
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