ADHDの子どもに怒っても効果がないと分かっていても、ついイライラして怒ってしまうことはありませんか?「また怒ってしまった…。」と自分を責めてしまうママへそんな時に役立つ、自己共感の方法をお伝えします。
1.怒るのは逆効果!分かっていても止められないイライラした気持ち
我が家の次男は注意欠如・多動症(ADHD)のグレーゾーンです。
息子は幼い頃から、ADHDの三大症状と言われている衝動性の強さが特にあります。
自分の思った通りにならないと物を投げてしまう、ゲームに負けてしまうと怒ってしまうなどの衝動的な行動がありました。
ゲームをやっていてうまくいかないときや、負けたときに大泣きしながらゲーム機を投げて、それがパソコンの画面に当たって壊してしまったという出来事もありました。
私はこんな行動をしてしまう息子の姿を目の前にすると、「そんなことしないの!」と言い聞かせようとしてしまいます。

「この子はゲームでうまくいかないと怒ることがある」ということは頭の中では十分に分かっていても、咄嗟に出くわす衝動的な行動に対して、つい怒って対応することがよくありました。
息子に怒った後に冷静になって、「この子に怒っても効果がなかったんだ。また怒って言い聞かせようとしていたな。」と1人で反省会をすることも多くありました。
そこで私は、イライラが溜まってきたらストレスを発散しようと、カフェや買い物、マッサージに行ったりしていました。
1人時間を過ごせば、気持ちがリセットされて落ち着くと思っていたからです。
しかし、その時間も束の間、帰宅して日常に戻り子どもの問題行動を目の前にすると、再び子どもにイライラして怒ってしまうのです。
2.ダメだとわかっているのに…子どもへの怒りを抑えられないワケ
私は子どもが生まれるまでは、こんなにも自分がイライラしてしまう人間なんだと思ったことはありませんでした。
子どもが生まれてから、思うようにいかないことの連続で、子育てはこんなに一人の人間をイライラさせてしまうものなんだと心底感じたのです。
そもそも、なぜ私たちは子育てをしている時にイライラして怒ってしまうのでしょうか?
・子どもとかけ離れた理想がある
・本当はこうありたかったという思い
・自分の価値観に反する
このように、「子どもはこうあるべき」「こんな風に育ってほしい」「こんなママになりたかった」という理想と現実のギャップが起こることで「どうして?」とイライラした気持ちを感じてしまうのです。

さらに、子どもが癇癪を起こすと、そのイライラや混乱した感情に巻き込まれて、ママ自身も辛くなることがあります。
イライラしてストレスを感じている状態では、脳内物質の幸せホルモンの分泌が不足することも関係します。
それだけに、ダメだと頭では分かっていても、イライラを抑えられない…気づけば怒っている、ということになりがちです。
これは決してママのせいではありません。
今まで生きてきた中で「こうあるべき」と、培われてきたものであり、自然と生まれる感情だからです。
とはいえ、どうしてこれほどまでに怒りを抑えられないのか、自分でも戸惑ってしまうことがありますよね。
実はその背景には、脳の仕組みが関係していることもあるのです。
3.ママのイライラを生む脳の仕組みとADHDキッズの関係
イライラは脳の中の扁桃体という部分で起こります。
目や耳から入った情報は、まず脳の中にある扁桃体という部分に届きます。
扁桃体は、その情報が危険かどうかを一瞬で判断して、危険であると感じた場合には不快な一次感情が生まれます。
私たちはその一次感情を元に行動しています。
怒りは二次感情と言われており、その怒りの前に感じる「悲しい」や「悔しい」などの一次感情が引き金になって、怒りの感情として出てきます。
この怒りをコントロールするのが脳の前頭葉という部分です。
私たちは前頭葉が感情のコントロールをしてくれるおかげで、理性的な行動ができるようになります。
例えば、子どもに怒っている時に宅配便のインターフォンが鳴れば、私は「はーい」と穏やかに出て、今まで子どもに怒っていた声は出さずに対応します。
これができるのは「宅配便の人には怒りながら対応してはいけない」という理性がしっかり働いたからです。

つまり、イライラしている時でも、自分で怒るか怒らないかを選択していることもあるということです。
そこでママが「宅配便の人が来たら冷静になれる」ことに気付いて、気持ちを切り替えて子どもに話しかけたとしても、ADHDキッズは一度ネガティブな感情が騒ぎ出すと落ち着いて話を聞いてくれません。
なぜなら、ADHDキッズは前頭葉の働きが弱いことがあり、感情のコントロールが苦手な子が多いからです。
なんとかして子どもを落ち着かせようと冷静に話そうとするママも、なかなか落ち着かない子どもの怒りに巻き込まれてしまい、イライラを抑え続けるのが難しくなります。
そんな風にイライラしてしまうママに、私がやって効果が感じられた自己共感の方法をご紹介します!
4.つい怒って後悔していたママがイライラしなくなる自己共感の方法
イライラした時は、まず「なぜ自分がイライラしたのか」と原因を理解することが必要だと気づきました。
「怒る自分を責めるのではなく、自分の感情をありのままに受け止める」ことが大切なのです。
そこで、まず最初に自分がイライラした場面で、どんな時になぜイライラしたのかを書き出すことから始めました。
その次に、本当はどうしてほしかったのか、どうなれば自分はイライラしなくてよかったのかを書き出します。
ここで大切なことは、出てきた自分の感情にいいも悪いもなく、ジャッジをしないことです。
出てきた感情全てに、「そっか、私は○○な気持ちだったんだ」と感じることや、「本当は○○してほしかったんだよね」と自分自身に共感をすることが重要なのです。

その上で、次に同じ事態が起きた時に、自分がどんな行動を取ればよいかをスモールステップで書き出してみます。
この作業は地道ですが、書き出して繰り返していくことで、一時的な感情で咄嗟にイライラして怒ることが徐々に少なくなってきました。
さらに私の場合はプラスしてアロマオイルを取り入れてみました。
なぜなら脳科学的にリラックス効果が証明されていることが分かったからです。
共感しながらアロマオイルをディフィーザーで焚いたり、マッサージするとよりイライラがリセットされるように感じています。
いかかでしたでしょうか?
子どもに本当はイライラして怒りたくないのについ、イライラしてその時の感情で怒ってしまうママは、まずは自分の感情を整理して、セルフケアをしてみることを試してみて下さいね!
執筆者:くるまえり
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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