ADHDキッズのダンドリ力が伸びる!親子で料理チャレンジのススメ

小学校の授業でもある調理実習。料理は最強の脳トレと言うほど脳にとって良いことですが、ADHDの子どもと一緒に料理をしようと思うとハードルが高いですよね。今回は「子ども先生」になってもらい親子で料理にチャレンジできる方法をお伝えします。

 

息子の発達のチャンスを逃していた私

 

子どもが「お手伝いをしたい」と言った時、皆さんはどうしていますか?

 

注意欠陥多動性障害(ADHD)があるわが家の長男はお手伝いが大好きです。

 

特に料理をしていると「何か手伝えることはない?」と言ってくれるのですが、いつもこんなことを思っていました。

 

・やってもらうと時間がかかる

危なくて見ていられない

 

仕事に行って、疲れて帰ってきて、息つく間もなく家のことをやらなければならない。

 

たまには親子でのんびり話しながら過ごしたいと思っているのですが、現実と理想はかけ離れていて毎日忙しい。

 

ついつい「またね」が口癖になってしまい、中々お手伝いをさせてあげられませんでした。

 

 

そんな時、小学校で調理実習の授業があり

 

「かつおぶしや醤油を持ってきてもいいんだって」

「三角巾とエプロンがいるんだって」

 

と始まる前から楽しみにしていました。

 

帰ってきてからも「おいしかった!」と喜んでおり、満足している様子。

 

実は、野菜嫌いなので食べられたのか心配でしたが、とても喜んでいたので良い経験になったのだと感じました。

 

小学校の授業でできるならわが家でもできそう!と思った私は、思い切って長男に夕食のお手伝いを頼んでみることにしました。

 

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ADHDタイプの脳に料理が良い理由

 

料理は、どの工程をとっても脳を発達させることができる最強の脳トレなんです!

 

その中で今回は、脳に良い理由を2つお伝えします。

 

段取り力を鍛える

 

料理は

 

・メニューを考える

・材料を切る

・煮たり炒める

・盛り付け

 

など、いくつか工程があります。

 

この工程を考える時に「ワーキングメモリ」が関係しています。

 

ワーキングメモリは「脳の黒板」のようなもので、

 

・情報を一時的に置いておく

・情報を処理して実際に作業にうつす

 

こんな役割をしています。

 

私たちは頭の中に入ってきた情報を常に整理しながら動いているのですが、ADHDキッズはワーキングメモリが小さく必要な情報が抜け落ちてしまいやすい傾向にあります。

 

次から次へと情報が入ってくると、情報整理ができず混乱してしまうのです。

 

料理を通して、時間を逆算したり、食材に合わせた工夫をすることで、段取り力を鍛えることができます。

 

親子のコミュニケーションが増える

 

コミュニケーションといっても方法はたくさんありますが、やはり大事にしたいのが「会話をすること」です。

 

私は、発達科学コミュニケーションをはじめるまで子どもと会話することやスキンシップが少なかったように感じます。

 

ついつい一方的に指示出しになってしまったり、「あれやった?」のような業務連絡のような内容になってしまったり、会話のキャッチボールが少ないことに気づきました。

 

親子で料理をすると食材について話をしたり、調理方法の説明をしたり自然とコミュニケーションを図ることができます。

 

「できたね」とできていることを伝えれば、子どもに自信をつけてあげられますし、「これはどう思う?」と聞けば考えてもらうことができます。

 

会話をすることで、言葉のレパートリーを増やしたり、自信をつけ、考える力や相手に共感する力をつけていくことができます。

 

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脳を発達させる料理の仕方のコツ

 

今回私が採用した方法は「子ども先生」です。調理実習でも作った「ほうれん草のおひたし」を先生役になってもらい作りました。

 

先生役になることで、やることを整理しながら話し、動くことができます。

 

ここではできるだけ口は出さず、調理実習でやった通りにしてもらいました。

 

1.材料の準備

2.お湯をわかす

3.塩を準備する

4.茹でたほうれん草を入れるザルと水の用意

5.水気を絞る

6.ほうれん草を切る

7.盛り付け

 

こんな工程があったのですが、本人なりに「塩を準備して…」「鍋にお湯をわかして~」「あ、ザルも用意しなきゃ!」とやったことを思い出しながら取り組んでいました。

 

全部の工程をやるのが大変ということであれば、1つの工程を分解してできたらOK!茹でてる間にザルを用意するだけでも、段取りに入ります。

 

「硬い部分は〇秒ゆでて、葉の部分は△秒茹でるんだって」と教えてくれたり「ちょっと柔らかいけど、このほうが味が染みるんだって」と教えてくれました。

 

ここでポイントなのが相づち実況中継です。

 

・そうなんだね。

・なるほど!

・上手に茹でれたね!

 

こんな言い方をしたら相手に伝わった、できた!という自信成功体験になります。

 

また、ADHDキッズは不注意があり、物事に集中できにくい・集中力が続かないという特性があります。そして、目と手を協力して動かすことが苦手な子が多い傾向があります。

 

目と手を協力して動かす=目で捉えた情報をもとに体を動かす

 

ことなのですが、ここが苦手だと板書が苦手なことが多いので学校生活にも影響します。

 

わが家の長男も書くことは比較的好きなのですが「黒板を写すのがうまくいかない」と言っています。

 

材料を切る時には集中して切ります。ジッと見ながら目から入ってきた情報を使い手先を使うので自然とトレーニングにつながります。

 

最後に、料理は年齢に合わせて作業内容を変えられることも大きなポイントです!

 

野菜を洗ったり、ちぎったり、盛り付けだけでも見ながら体を動かすことにつながります。

 

始めは「大丈夫かな?」と心配でしたが、とても上手にできていて、最後は一緒に味見をしました。「おいしい?」と聞かれ「おいしい!ありがとね」と伝えると、とても嬉しそうでした。

 

 

料理の効果!?相手に優しく伝えることができるようになった息子

 

長男はお手伝いが大好きなのですが、次男は、めんどくさいと思ってしまうタイプです。しかし、お手伝いをしている長男を見て「俺もやってみたい!」と言ってくれることが多くなりました。

 

ADHDキッズのよい所は、好奇心旺盛でやりたいことに対して集中してできるところです。次男は、まだ簡単なことしかできませんがお米をといでくれたり、子ども用の包丁を使いながら食材を切る練習をしています。

 

ある時、お米をとぐ次男を見て長男が「そんなに水を出したらだめ!」と言ったのです。喧嘩になりそうになったのですが、

 

「どうしたら弟に伝わるかな?」

 

こんな言葉を投げかけてみたところ「水を出しすぎるともったいないよ。ゆっくりね。」と優しく言っているのを見て感動してしまいました。

 

 

ママは毎日忙しいですよね。しかし、「またね」と言って成長する機会を奪ってしまっていることに気づいた私は、「やりたい」と言った時には極力やらせてみることにしています。

 

料理を通して、楽しい親子時間を作ってみてくださいね!

 

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執筆者:松田あいり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

 

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