この記事ではそもそも隠れ学習障害って何?というお話をしますね!
学習障害とは発達障害のタイプの1つで、全般的な知的な遅れはないのに「あれ?これはできないの?」と思うところがあったり、「どうして何回も教えているのに習得できないの?」と感じる分野があったりと、学習のところどころでつまずきが見られるタイプです。
文部科学省の定義でも
・聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するの6つのうちどれか1つもしくは複数が苦手
・知的な遅れだったり感覚器の機能自体に障害はないが、全体的に理解力がゆっくりである
というように「学習障害=勉強が苦手なタイプ」という位置付けです。ですがこれは一般的な定義。実は脳科学の視点から考えると学習障害の定義は少し異なります。
勉強に限らず覚えて定着すること全般が苦手!これがLDの本来の定義です。
なぜならば学習障害の「学習」は新しいことを覚えて行動に役立てていくこと全てを意味するからです。これは学校の勉強であろうと日常行動であろうと同じ。
ですから学習障害の子は勉強でつまずきやすいだけでなく、対人関係を築くのが苦手だったり、生活行動がなかなか安定しないという特徴があります。
そしてもう1つ、学習障害は発達障害の中でも、病院に行っても見過ごされやすいという特徴があります。なぜならば学習障害の特性というのはADHD(注意欠陥多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム)に隠れてしまいやすいからなんです。
ADHDと学習障害を合併している場合は衝動性や多動など行動の特性が目立つため、学習の特性が見逃されやすいですし、ASDと学習障害の場合も同様に不安の強さやこだわりの強さなどASDの特性が目立っているとそちらばかり気になります。
さらに学習障害がメインであったとしても年齢が低い時には見つかりにくいところがあります。
私はこれまで600人以上の隠れ学習障害タイプの脳分析を行ってきましたが、ADHDやASDの可能性を病院で指摘されたことはあるけれど学習障害の話はされなかった、とおっしゃるママは結構います。
つまり病院ですら見過ごされてしまう、これが隠れ学習障害の現状なんですね。まとめると隠れ学習障害タイプは
・勉強でつまずきやすいだけでなく、人間関係を築くのが苦手だったり、日常行動が安定しにくい
・ADHDやASDの特性に隠れやすく病院でも見過ごされやすい
この2つがポイントです。ぜひ参考にしてみて下さいね。
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)