兄弟喧嘩で手が出る様子にハラハラ···
兄弟がいると避けては通れない問題が兄弟(きょうだい)喧嘩の対応です。毎日のように起こる兄弟喧嘩の対応に手を焼いているというお母さんも多いかと思います。
ただでさえやっかいな兄弟喧嘩ですが、特に発達に凸凹のある子どもの場合は持っている特性によっては兄弟喧嘩が起きやすく、解決しづらい状況になりがちです。
兄弟喧嘩に関わる発達障害の特性として、例えば以下のような点が挙げられます。
・衝動性が強くすぐに手が出る、過剰な反応になる
・こだわりが強く意見をゆずれない
・他者視点での状況判断や感情理解が苦手
我が家には保育園に通う3歳差の男の子の兄弟がおり、保育園に通う長男はADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向が強いです。
下の子の自我がはっきりし出してから兄弟喧嘩が多くなり、お互いに手の出る激しい喧嘩が毎日のように起こるようになりました。加減をせずに手が出る様子を見るのはハラハラしますし、エスカレートしていったら怖いという気持ちもありました。
実は兄弟喧嘩は子ども達がコミュニケーションを学ぶ重要な機会にもなります。この記事では、危険な兄弟喧嘩は防ぎつつ、ソーシャルスキルを高めていくための対応ポイントをご紹介します。
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兄弟喧嘩はソーシャルスキルを伸ばすチャンス!
兄弟喧嘩はお互いが関わりを持っているからこそ起きますよね。衝突しながらも家族のなかで人との関わり方を学んでいくことは、社会生活の中で家族外の人と上手にコミュニケーションしていくことに繋がる重要な機会となります。
特に発達障害や発達障害グレーゾーンの子ども達は、衝動性の強さや不注意など、社会生活で他人とコミュニケーションを取る上で不得意な部分があり、さらにネガティブな記憶が残りやすいという特性があります。
コミュニケーションを取るのが苦手なお子さんは、いきなり集団のなかに放り込んで苦手の克服を強制するより、まずお母さんとの一対一のコミュニケーションを通して成功体験を積むことが大切。少人数でのコミュニケーションは兄弟間の関わりでも学んでいくことができます。
手が出る兄弟喧嘩への正しい対応4選
とはいえ、ただ兄弟間のやりとりだけに任せて兄弟喧嘩が起きても放任していると、手が出る場面などで危険を感じることもあるかと思います。また、できれば兄弟喧嘩にならずにコミュニケーションを取る方法を学んでほしいですよね。
ここでは兄弟喧嘩に対応する上で押さえておきたいポイントを4つご紹介します。
仲良くしているときに褒める
子ども達にとってお母さんから注目されるのは嬉しいことです。それが例え叱られるという注目でもお母さんからの関わりが無いより嬉しいと感じ、その行動をまた繰り返すことがあります。
ではどうすればいいかと言うと、兄弟喧嘩をせずに仲良くしている時に「仲良く遊んでいるんだね!ママ嬉しいな。」と伝えていってみましょう。
好ましくない行動に注目して叱るより、たとえ当たり前の行動でも好ましい部分を褒めることを続けたほうが、結果的に好ましくない行動が減るからです。
家族ルールを決める
「叩く、殴るはしない」「戦いごっこでも、相手や相手の持ち物に直接当てる攻撃はしない」「◯◯という言葉は使わない」など、家族内でのルールをあらかじめ決めておきます。
ポイントは親が一方的に決めるのではなく、子ども達もルール決めに参加してルールに納得しておくことです。親が兄弟喧嘩を制止する際にもルールを基本にするようにしましょう。
親が正しさを判断しない
兄弟喧嘩を仲裁する立場になると、事実がどうなのか、どちらが正しいのかを気にしがちです。どういう風に感じてどういう行動に出たか、まずはそれぞれの意見を受け止めてあげましょう。
そして、親が正しさを判断するのではなくそれぞれの意見が相手に伝わるように通訳として橋渡しすることで意思疎通を手伝ってあげましょう。
相手の言い分を聞いても「自分が正しい!」と主張することも勿論あると思いますが、相手の視点からどう見えていたのかを知る機会を増やしてあげることができます。
兄弟喧嘩の兆候を見付ける
子ども達の様子を観察していると、兄弟喧嘩がどういう場面・どういうきっかけで起きるかある程度予測ができるようになってきます。
例えば、習いごと帰りの疲れているときに弟側がちょっかいを出して兄弟喧嘩になりやすいと分かったら、そういう場面ではそれぞれを別の遊びに誘う等して衝突をあらかじめ避けるという方法を取ることができます。
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成長に合わせた対応で発達をサポート!
我が家が最初に兄弟喧嘩の対応を始めた時は、弟が兄にちょっかいを出して、邪魔されたと感じた兄が手を出してエスカレートすることが多かったです。その頃は兄は弟を敵対視するようになっていたので、弟がなにかする前に兄が攻撃的になることもありました。
弟は単純に兄に構って欲しいという気持ちでテレビを遮ったり、兄が遊んでるおもちゃを持ち上げたりしている様子だったので、弟側の注意を逸らすことと兄側に「弟はお兄ちゃんのこと好きで構って欲しいみたいだよ」ということを伝えるようにしていきました。
すると次第に兄が率先して弟のお世話をするようになり、弟にちょっかいを出されたときも以前よりも言葉で気持ちを伝えようと頑張るなど対応が優しくなりました。弟側も他の場面でも兄に構ってもらえるようになったので、ちょっかい行動は以前より減りました。
これは保育園に通う3歳差兄弟での実例ですが、子どもの成長は著しいです。成長しているからこそ、兄弟間の関係や周囲の環境の変化で兄弟喧嘩の内容も日々変化していて、前は有効だった声かけが子どもに響かなくなるということも起きてきます。
いつも同じ声かけで喧嘩が収まるわけではないからこそ、私もただ声かけを覚えるのではなく、対応ポイントをきちんと押さえてその時その時の子ども達の成長を応援していければと思っています。
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執筆者:北川阿弥
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)