ADHDの計画力が育つ!サイクリングの効果とは?

ADHDのある息子は頭で分かっていても計画的に動くことができません。そこで、大好きなサイクリングの効果で計画力を育てられないか?と考え試してみたところ、時間を守り弟の送迎をしてくれるようになりました!その時のお話を紹介します。
 
 

計画的に動けない我が家のADHD男子

 

わが家には、小学校5年生と2年生の息子がいます。

 

二人とも注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断がおりており、特に長男は、毎日のルーティーンや計画を立てることが苦手です。

「もう5年生だし、計画的に動いてほしい」

と思っていた私は、

 

「何時から朝の支度をする?」

「何時から宿題をやり始める?」

 

と自分で決めて動けるように声をかけていました。

 

そうすると

 

「〇分になってから」

 

と決めることはできる息子。

 

しかし、時間になっても全く動く気配はなく、自分で考えてもらう声かけだけではあまり効果がありませんでした。

 

なぜ、決めた時間に動けないの?計画的に動けないの?と考えれば考えるほどイライラしていました。

 

 

「分かっているはずなのに計画的に動けない」

 

そんな息子の姿を見るのが苦痛になっていきました。

 

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なぜ計画的に動けないの?

 

小学生になってくると自分で考えて動けるようになってほしいと思いますよね。

 

ここではADHDキッズがなぜ計画的に動けないのかを説明したいと思います。

 

計画をすることが苦手

 

私たちの脳はいろいろなエリアに分かれています。

 

皆さんは、ワーキングメモリという言葉を聞いたことがありますか?

 

ワーキングメモリは「脳の黒板」と言われ、必要な情報を一時的に記憶しています。様々な情報が入って来た時に、この黒板が広いとたくさんの情報を整理することができますが、黒板が狭いと必要な情報がこぼれ落ちたり、うまく整理することができません。

 

そして、計画をするのに必要なのは、必要な情報を覚えておきながら優先順位が高い順番に並び変えたり、必要でない情報を忘れることなのですが、うまく並び変えることができなかったり、必要でないことを覚えていたりします。

 

ADHDのある子はもともとこのエリアの働きが未熟です。

 

そもそも計画をすることが苦手であるということを理解しておくことが必要です。

 

 

 

 

エンジンがかかりにくい

 

わが家の子ども達もよくあるのですが、宿題にはすぐ取りかからないのにゲームにはすぐ取りかかれるというような場面を見たことがありませんか?

 

ADHDのある子は

 

・興味のあること

・好きなこと

・楽しそうなこと

 

に対してはすぐ行動できるのですが、反対に

 

・キライなこと

・イヤなこと

・やりたくないこと

 

に対しては、中々行動できません。

 

例えば宿題をやる場面では、宿題を出してから終わるまでの間、宿題を出す、ノートを開く、問題を解くなど様々な工程があるのですが、その中に少しでも「めんどくさい、やりたくない」と思ってしまうとやりたくなくなってしまうのです。

 

脳は楽しいことや好きなことをやっている時に発達します!

 

ですから嫌々やっていることや動きたくないことをやっていても脳にとっては逆効果です。

 

いかに、楽しく行動させるかがポイントになるのです。

 

 

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サイクリングの効果で計画力を育てる方法

 

ここまでは、ADHDキッズの「計画性がないのはなぜか?」というお話をしてきましたが、「分かっているはずなのに計画的に動けない」息子をどうやって伸ばしてあげようか?と考えた結果、「大好きなサイクリングを通して脳を発達させることができないか?」という思いに辿り着きました。

 

ここから実際にわが家がやってみた方法をお話しますね。

 

それは

 

弟と一緒に自転車でお出かけする

 

です!

 

実は、弟といると喧嘩ばかりなのですが「やってあげたい」気持ちが強い子なので、「児童館に自転車で行きたい」という願いを叶えてあげるため「俺が一緒に行ってあげようか?」と言ってくれたのです。

 

それならば、長男が大好きな自転車を使って計画性を伸ばしてあげよう!と思った私は、お願いしてみることにしてみました。

 

もし、兄弟がいなかったり、自転車に乗れないお子さんでも大丈夫です!

 

・サイクリングのプランニング

→弟と自転車に乗って〇〇に行きたい!

 

・散歩のおでかけのルート

→あそこの公園に行って滑り台で遊びたい!

 

・お店までのルート決め

→お店に行って大好きなお菓子を買いたい!

 

ここでは「目的のために楽しく行動すること」がポイントなので自動車でも徒歩でも大丈夫です。

 

実際に、弟と児童館に行くまでのルートを計画してもらうために

 

①目的地の設定

②ルート決め

③目的地へ出発

 

の順番で取り組みました。

 

長男一人で行くときは自分だけのルートがあるようですが、今回は弟が一緒だったので

 

・わかりやすいルートであること

・危なくないルートであること

 

を条件に出しました。

 

すると、

 

「じゃあ、学校の北門の前を通って交番の方から行く」

 

と具体的な場所を使って私に説明をしてくれました。

 

そして、子ども達が出してくれた意見には「わかったよ」と答えるようにしました。

 

ここでしてほしいママの声かけは「共感」です。

 

もしママが思っていたルートでなくても、

 

「そのルートいいね!」

「自分で決められたんだね」

 

自分で計画することができたことを伝えてみてください。

 

訂正があれば、そのあと「ここは少し道が細いけどどうかな?」「道順はわかりやすいかな?」など、ママの意見も伝えてみてくださいね。他人の意見を聞きながら考えることで試行錯誤する力もつきます

 

実はどうしても心配だった私は、後ろからこっそりついていくことにしました。しかし、心配な私をよそに弟を無事に児童館まで連れていくことができたのです。

 

大好きな自転車を使った効果は絶大で、成功体験を作ることができました。

 

無事に弟を児童館まで連れていくというミッションに成功した長男に「ありがとう!」と伝えると「やりきった!」と清々しい表情をしていました。

 

 

 

 

時間を守って弟の送迎をしてくれるように!

 

一度、弟を連れて出掛けることができた長男は自信をつけた様子でした。

 

大好きな自転車に乗ってサイクリングがてら弟を友だちの家に送っていったり、「俺が迎えにいくよ」とお迎えまで行ってくれるようになりました。

 

友だちの家に送って行った時に「16時ごろ迎えにきますって言ってきた」と教えてくれた時には「そんなこともできるようになったんだ」と感心しました。

 

そして、「16時に迎えにいかないといけないから」と約束の時間の少し前に家を出て迎えに行く長男をみて感動したのを覚えています。

 

好きなこと、今回で言えばサイクリング効果脳がどんどん発達したのを感じました。

 

自分で動けるようになってほしい、計画的に動いてほしい、と思っているママは多いと思います。

 

計画力を育てるポイントは

 

・計画をすることが苦手であることを理解する

・脳は楽しいと感じる時に発達する

・目的のために楽しく行動する

 

です!

 

ぜひ、やってみてくださいね!

 

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執筆者:松田あいり

(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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