子どもの発達診断受けるべき?発達障害の診断基準・診断方法と向き合い方

お子さんの発達が気になるとき、発達診断を受けるべきかどうか迷いますよね。この記事では小児科医であり、5歳年長でADHDと診断された子どもの母でもある私が発達障害の診断基準と診断方法、そして診断との向き合い方をお伝えします。

 

 

発達障害のチェックリストにいくつ丸がついたら相談に行った方がいいですか?

 
インターネットで検索していると「発達障害 チェックリスト ◯歳」というワードが検索窓に並びます。
 
あなたも、もしかしたらわが子の発達が気になって、発達障害のチェックリストを検索したり、実際にチェックをつけてみたりしたことがあるかもしれませんね。

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巷に出回っているチェックリストはそのほとんどが

 

・ADHD(注意欠如・多動症)
・ASD(自閉スペクトラム症)
・LD(限局性学習症)

 

の3つの診断名についてつくられています。

 

 

例えば

ADHDのチェックリストを見てみると

・食事の時や授業中など、椅子にずっと座っていられず立ち歩いてしまう

・気になるものがあると衝動的に動いてしまい道路への飛び出しなど危険な場面が多い

忘れ物や失くし物が多い

空想にふけり、ぼーっとしてしまうことがある

 

ASDのチェックリストでは

・一人遊びを好み、周りの子供に興味を示さない

スケジュールが急に変わるとイライラしたり、パニックになったりする

・自分の好きな話を一方的にする

特定の質感の服を嫌がる

 

LDのチェックリストでは

・文字を指でなぞりながら読む

・形の似た文字を書き間違える

繰り上がり・繰り下がりの計算ができない

枠の中に文字をおさめることができない

 

こんなチェック項目が挙げられています。実際にチェックしてみたママから、

 
「チェックリストにたくさん丸がついたらまずいんですよね」
 
「これにいくつ丸がついたら発達相談に行った方がいいとかってありますか?」
 
という質問を受けることがあります。
 

 

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チェックリストにたくさん丸がついたら発達相談に行った方がいいのかというと、この答えは、半分YES、半分NOです。

 

 

神経発達症(発達障害)の診断基準と診断方法

 
 

発達相談に行くべきかの判断

チェックリストにいくつも丸がつく場合、イコール発達障害かもしれない?と考えて、なかなか冷静になれずに慌ててしまうこともあるかなと思います。そんな時は、わが子のことを客観的にみることを試してみてください。
 
 
一番はじめに考えるべきは「その行動がどこで見られているのか」ということ。一般的に、発達障害という診断がつく方はどこにいてもが見られることが多いです。
 
 
ですので、家では落ち着いているんだけど、園や学校では落ち着かない。とか、家での様子ではあんまりチェックリストに丸がつかないけど園や学校の様子でつけるといくつも丸がつく場合は、いきなり発達相談に行くよりもまずは担任の先生に相談して園や学校での様子をしっかり聞く必要があります。

 

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なぜなら、お子さんの問題行動には3つの原因があるからです。
 
1つめの原因はお子さんの特性です。
 
これは本人の脳の発達が進んでいる部分と未熟な部分があるせい。つまり脳の発達が凸凹していることによります。特性が原因になる問題行動は
今すぐに解決することは難しい場合が多いです。なぜなら、特性を変えるには時間がかかるから。発達障害の診断がつくお子さんはこの「特性」に課題があるわけなので、この場合は発達相談に行くことを検討してみてもいいのかなと思います。
 
2つ目の理由は環境です。
 
例えば
クラスの人数、
クラスの中にやんちゃな子、
気をそらす子が何人いるのか、
先生の性格、
あと盲点なのが、お子さんが座っている座席などです。
 
環境は変えられるものもあれば変えられないものもあります。例えば、感覚過敏などがお子さんの問題行動の原因であれば、環境を変えることで問題行動が解決する場合もあるのです。
 
そして3つ目は対応です。
 
お母さん、お父さんのお子さんに対する対応や、先生の対応お友達の対応。対応によってお子さんの問題行動は大きくも小さくもなる。だけど対応って、変えようと思えば100%変えられますよね?
 
だから、対応が原因の問題行動は発達相談に行く前に真っ先に対応を変えることを試してみるべきです。現代の子どもたちは、全く違ういろいろな環境の中で生きています。
 
家や園・学校だけでなく、習い事、学童、おじいちゃんおばあちゃんのおうち。お子さんに合う場所、合わない場所があります。
 
だからこそ、「チェックリストにいくつも丸がつく」という場合はもしかすると、わが子を取り巻く人や環境のせいで行動の課題がでてきているんじゃないかな?ってちょっとだけ立ち止まって考えてみて欲しいです。

 

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神経発達症(発達障害)の診断基準と診断方法

 
次に、発達障害の診断基準と診断方法についてお伝えします。
 
ほとんどのお医者さんが参考にしているのがDSM-5という診断基準。アメリカ精神医学会が発行する「精神障害の診断と統計マニュアル」第5版がDSM-5です。これが専門家たちにより日本語に訳されて、各病院で使われています。
 
発達診断の時に参考にするのが症状を並べたチェックリストですが、チェックリストだけでは発達障害と診断していません。発達障害の場合、他の病気のように検査の値がいくつ以上だから、とか、目で見て明らかに異常があるから、という理由では診断できません。
 
・自閉症スペクトラム症・ADHDなど、2つ以上の診断が併発していることが多い
・1つの診断名の中でも、症状の濃さ薄さがある
・その時のお子さんのコンディションで診断基準に当てはまらないこともある
・成長とともに困りごとが変わっていく
・他の原因で症状が出ている場合がある(虐待を受けて育った子はADHDっぽく見えるなど)
 
などがあるため、1つの診断名だと診断することって本来とても難しく、発達障害かどうかの診断は医療機関で、医師のみができるようになっています。
 
だから、実際は発達障害の医学的な診断って単独で診断するだけでは、あまり意味がないのではないか。それが私の考え方です。
 
「診断名がついたことによりなんでもかんでも診断と結びつけて症状にしてしまう、など診断をつけたことで起こるデメリットもあります。
 
逆に、診断がつくほどではないけど、だからと言って、困りごとがなくなる訳ではないので、どう解決すればいいのか分からず、途方にくれるママもいらっしゃいます。
 
発達診断がついてもつかなくても、ママが必要なのは困りごとの解決策なんですよね。

 

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子どもの発達相談や発達診断を受けるのは何のため?

 
あなたは、発達障害の診断がつくのが怖くて、発達相談に行くのを不安に思っていますか?
 
あるいは発達相談をしても困りごとが解決せずに悩んでいらっしゃるかもしれません。
 
そもそも、子どもの発達相談や発達診断って、何のために受けるのでしょうか?
 
「子どもの味方をつくるため」
 
これが、子どもの発達相談や発達診断を受けるたった1つの理由だと考えています。
 
にもかかわらず、私の元にいらっしゃるママたちは、発達相談に行ったことでよけいにママの心がしんどくなってしまったり、お子さんのことがわからなくなってしまった。そんな辛い声が多いです。
 
そこで、受診や診断を勧められてしまう、わが子の診断に納得いかない凸凹キッズのママが、自分とわが子を知り、それぞれにぴったりあった対応を知ることができるワーク「ママカルテ」を開発しました。
 
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親子の未来を創る発達診断『ママカルテ』でできること

 
わが子の発達凸凹が気になったとき、いろんなところに相談に行きますよね?自治体の相談窓口、園や学校、病院、療育。
 
ですが、今までいろいろなところに相談に行って、それで何かお子さんがすごく変わったなあと感じた点はありましたか?
ママの願いは相談や診断で満たされたでしょうか?
 
この質問をすると、大抵のママはNO!と答えます。
 
今も昔も、そして日本でも世界でも。発達診断、という分野を引っ張ってきたのは専門家。今の発達業界の当たり前を作っているのは専門家たちなんですね。
 
ですがそんな専門家たちは、発達凸凹子育てのリアルを知らないんです。今一番子どものことをみているのも、一番子育てに悩み、困っているのもママたち。相談に行っても、なんだか分かってもらえてないな~と感じませんか?実はこの発達業界のあたりまえに違和感を感じているママがたくさんいます。
 
そんなママたちが欲しい「診断」って、「診断名」ではないんですよね。
 
こんな風にすればわが子が成長していけるよ、という「成長の鍵」になる具体策が欲しいだけなんです。診断名だけでは見えないわが子のタイプを知って、子供を発達させる成長の鍵を手渡す、それがオーダーメイドの発達診断『ママカルテ』です。
 
ママカルテでは、ママは自信を持ってわが子の脳を伸ばす関わりができるようになりますし、お子さんは薬に頼らず、ポイントにフォーカスした対応をすることで脳がぐんぐん伸びていきます。
 
そしてその結果、何よりもママも子どもも、楽に、楽しく成長できますよ!
詳しくはこちらの小冊子で紹介しています▼
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