発達障害キッズの子育てと仕事を両立する忙しいお母さん。もっと一緒にいられたら、子どもにいろいろしてあげられるのに…と嘆いていませんか?親子が離れて過ごす時間を、子どもの発達につなげられる、「ママ宿題」をご紹介します。
発達障害キッズを育てる働くお母さん、時間が欲しい!と悩んでいませんか?
働くお母さんは、とにかく忙しい!
朝は出勤時間までに、自分の支度をしながら子どもを起こして、ご飯を食べさせ、園や学校に送り出す。
帰宅後は夕飯を作って食べさせ、お風呂にいれ、宿題もさせて寝かしつける。
私もフルタイムで働くお母さんですが、時々「ふうーっ」と声が出てしまうほど忙しい毎日を過ごしています。
特に、発達障害のお子さんを育てるお母さんはさらに大変。
お子さんのお世話、園や学校からの連絡、先生とのコミュニケーションなど、いろんなことに時間を取られてしまいますよね。
そして、働くお母さんが悩むもう一つのこと。
それは、「もっと子どもと一緒にいられれば、いろんなことをしてあげられるのではないか」というお悩みです。
発達障害キッズ向けの療育や習い事は、たいてい平日昼に行われます。仕事をしていると、子どもをなかなか通わせられないと自責の念を感じることもあります。
また、子どもとのコミュニケーションをしっかりとらなきゃ!と、仕事後頑張るお母さんもいるでしょう。
ですが、身体の疲れには勝てず、イライラして、逆にうまくいかないこともありますよね。
私も、同じような悩みを抱えていました。
一生懸命仕事をしているのに、そのせいで自分の子どもにうまく関われていない。その悩みは、ものすごくつらいものでした。
でも今は、一緒に過ごす時間を増やさなくても、子どもの脳を育てる方法があることに気づき、自分自身がものすごく楽になったのです。
発達障害キッズをうまく育てていくには、とにかく子どもと一緒にいる時間が必須!
そう思っているお母さん、その常識をひっくり返してみませんか?
一緒にいないのにコミュニケーション!?非常識な脳の育て方。
私が学ぶ「発達科学コミュニケーション」は、子どもへの声かけを工夫することで、子どもの行動を引き出し、脳を発達させていくメソッドです。
子どもの脳は、行動することで発達していくため、行動をうまく促すコミュニケーションが脳を育てると言ってもよいでしょう。
コミュニケーションというと、直接会って話すことが必須だと考えがちですよね。
でも、お子さんが目の前にいても、ただ指示を出すなど、一方的な情報伝達をするだけならば、それはコミュニケーションではなくインフォメーションなのです。
お母さんがお子さんのことを思い、逆にお子さんがお母さんのことを考え、相互にやり取りすること、それがコミュニケーションと言えるのです。
では、コミュニケーションは直接対面した状態でしか成立しないのか?答えはNOです。
自分が頭の中で考えたり思っていることや、うれしさ、興味、悲しみなどの感情をやり取りすることがコミュニケーションですので、電話や手紙、SNSを介してでも十分成立します。
お互いがお互いを思いやる気持ちは、距離や時間を超えることができるんですね。
このように、距離的に離れている親子や、祖父母と孫などが、言葉や気持ちのやり取りをするコミュニケーションスタイルを、「遠距離コミュニケーション」と呼びます。
最近のアメリカの研究では、親子間の遠距離コミュニケーションは、直接対面してのコミュニケーションと同様、親子関係を育み、維持する働きがあることが報告されています。
離れて暮らす親子の調査ですが、コミュニケーションの量よりも質が、子どもに与えるよい影響を左右していた、と結論づけられているんです。
この考え方は、働くお母さんとお子さんでも同じ。
一緒にいる時間が短くても、適切な声かけをしたり、会えない間にお互いのことを思い出せるような工夫をすることで、コミュニケーションの質を上げることができますよね。
そして、良いコミュニケーションを目指すには、しゃべる時間を増やすだけでなく、しゃべりたくなる環境を作る、という方法もあるのです。
離れていても子どもの脳を育てる非常識な方法、そのポイントは、
・お母さんの声かけで、一緒にいない間でもお子さんに行動させる
・お母さんが帰ってきたら話したくなるような行動を促す
この2つです。
離れていても脳を育てる「ママ宿題」のススメ。
「遠距離コミュニケーション」の応用としておススメしたいのが「ママ宿題」です。
宿題といっても、ドリルなどをやらせるワケではありませんよ。
お母さんと離れている時間に、家族のことを思いながら、お子さんの好きな活動をさせる方法です。
まず、お母さんは、普段のお子さんの様子を観察して、何をやっているときなら嫌がらずに集中できるかを見極めます。
そして、お母さんが仕事に出かける前に、お子さんにこう伝えてください。
「お母さんがお仕事に行ってる間に、○○をやっててくれる?帰ってきたら見せてね。」
この○○には、お子さんが好きなことを入れます。
例えば、
・家族の似顔絵を描いてみて。
・好きなゲーム/キャラクターについて調べて、後で教えて。
・本を読んで、どんなお話だったか教えて。
といったように、家族を思いながらできる活動や、得意なことを家族に教えられる活動を選ぶのがポイント。
より年長のお子さんでは、インターネットや動画などを利用して、興味のあることを調べさせてみる、などもオススメです。
お子さんが、自宅や園、学童や放課後デイなど、どこで時間を過ごすかによってできる活動が限られるかもしれません。
できる範囲でお子さんがやれることを選ぶとよいでしょう。
また、ママ宿題の内容が自由すぎると、かえって何をしていいのか分からなくなるお子さんもいますので、その場合は具体的に示してあげてください。
我が家には、注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの小学校2年生の長男がいます。臨時休校の期間、自宅で祖父母やテレワーク中の夫と過ごしました。
私は出勤が必要な仕事だったので、よくこのママ宿題を利用していました。
ある日のお題は「好きなゲームについて教えて」というもの。落書き帳とペンを渡して出かけました。
その日帰宅すると、大きな紙いっぱいにゲームのキャラクターが描かれており、次のページにはゲームのマップがでかでかと書かれていました。
そして、その日どこまでクリアできたのか、どこが難しかったのかを、息子なりに一生懸命話してくれました。
一緒にゲームをやっていた夫も交え、息子の頑張りをほめつつ、息子の好きなものに興味を示す声かけをしたところ、また次の日も絵をたくさん描いてくれました。
自分の好きなことについて、うまくアウトプットできた。それを、親が共感して聞いてくれた。
この体験を通じて、息子は、好きなことについて人に説明できた、という成功体験を1つ得ることができたのです。
また、4歳の次男には、「家族のお顔を描いて」というお題を出しました。
仕事から帰ってくると、落書き帳を持った次男が玄関まで駆けてきて、絵を見せてくれました。
そこには、満面の笑顔の母と、周りを埋め尽くすたくさんのハート。
仕事の疲れも吹っ飛ぶ、うれしい出来事でした。
これを続けたところ、二人とも「今日のママ宿題なに?」と楽しみにしてくれ、家族を笑顔にしてくれる活動になりました。
また長男は、ママ宿題をきっかけに、戦国時代にハマり、すでに私も知らない武将について自分で調べ、家族に披露してくれるようになりました。
ママ宿題のポイントは
・好きなことが宿題になるので嫌がらない。
・親と離れている時間に、親のことを思いながら活動できる。
・帰宅後、その宿題をきっかけに子どもをどんどんほめられる。
つまり、お子さんとの質の良いコミュニケーションのきっかけを作ってくれるというワケなんです。
さらに、仕事で帰りが遅かったり、単身赴任中のお父さんにも応用できますね。
一緒に過ごせる時間が少なくても、工夫次第で子どもの脳を発達させることができる。そう思っておくだけで、働くお母さんの気持ちも少しラクになりますよね。
そう、ママ宿題は、お子さんを発達させるだけでなく、お母さんの気持ちにも効く、魔法のツールなのです。
お仕事の日は、ママ宿題を利用してお子さんとの遠距離コミュニケーションを楽しむ。
そしてお休みの日には、めいっぱいお子さんと一緒の時間を楽しむ。
お子さんと過ごす時間が少ないと悩む働くお母さん、「ママ宿題」をぜひ試してみてくださいね。
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執筆者:森中博子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)