働くママの朝支度に余裕なし!イライラの原因は「子どもが朝起きない」問題ですよね。実は、脳を知ることで、朝バトルを回避し笑顔で過ごすことができるんです。朝のガミガミ母さんだった私が編み出した子どもの起こし方をお伝えします。
実録!発達障害の子どもvsガミガミ母さんの朝バトル
我が家の長男は発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの小学校1年生です。
共働きの我が家では、朝は毎日バタバタ大忙し。
保育園の頃は、怒りながらも準備をさせ、いざとなったら抱きかかえて車に乗せればOKでした。
しかし小学校では、遅刻せずに登校するために、保育園時代より早く家を出なければなりません。
「もう小学生なんだから!!」
というNGワードを連発しながら、毎日が朝バトル。
まずは目覚まし時計を試しましたが、すぐに飽きてしまい、ジリジリなる目覚ましに気づかず起きません。
次に、「〇時だから起きなさ~い!」と無理やり起こすようになりました。
でも、しっかり目覚めていないせいで、リビングのソファーでまた眠り込んでしまう息子。これも失敗でした。
最後は、自然に目が覚めるのを待とう!という作戦に出ましたが、起こさないといつまでも寝ていてしまい、余計朝の時間がなくなってしまいました。
結局は朝から大声で怒りながら無理やり準備をさせて、その勢いのままで子どもを送り出す私。朝からヘトヘトでした。
でも今では、子どもはすっきり自分から目覚め、ゆったりした朝時間を楽しめるようになったのです。
そんな魔法みたいな話あるの?と思われましたか?
脳を知り、ちょっと工夫をするだけで、朝の目覚めは驚くほどよくなっちゃうんです。
発達障害の子どもに睡眠の問題が出やすいワケとは?
最近の報告では、発達障害の子どもたちの約半数に睡眠の問題があるとされています。
・寝つきが悪い
・不規則な睡眠リズム
・昼夜逆転
・寝起きが悪く登校させるのに一苦労
など、お子さんの睡眠の問題に悩むお母さんも多いですよね。
なぜ発達障害のある子どもに睡眠の問題が多いのか、実ははっきりとは解明されていません。
しかし睡眠リズムのシステムづくりに問題がある、二次障害として睡眠障害があらわれる、などが原因として考えられています。
・寝ることよりも自分の好きなことを優先したいと思ってしまう。
・不安や緊張などの心理的ストレスを解消するために、寝る前にゲームやインターネット・動画視聴に集中しすぎてしまう。
・体内時計がうまく働かず、起きた後にも眠った状態の脳と覚醒した脳が入り混じっている状態が生じる。
こういった原因から、睡眠の問題が悪循環を生み、日常生活に影響が出てしまうこともあるんです。
「私が仕事をしてなかったら、余裕をもって朝時間を過ごさせてあげられるのかな?」
「夜寝るのが遅くなっちゃうから、睡眠時間が足りないのかな?」
「そうだとしたら、子どもに申し訳ないな…。」
以前の私は、子どもが起きない理由を見つけようとぐるぐる悩んでいたのですが、そんなことは関係なかったんです。
お子さんが朝すっきり起きられないのは、本人が怠けているからでも、お母さんのせいでもないんですよ。
さらに、
「〇歳の子どもに必要な睡眠時間は〇時間」
「睡眠不足は脳の発達に影響する」
などの情報も、お母さんの心配に拍車をかけてしまいますよね。
子どもの睡眠で問題なのは、夜寝る時間と朝起きる時間のリズムがバラバラになってしまうこと。
少し遅くても、だいたい同じ時間に眠れていれば、それがお子さんの今の睡眠リズムと考えて問題ないんです。
睡眠リズムがある程度安定しているのなら、お子さんが眠たくなるまでゆっくりした気持ちで過ごせるような工夫をしてみましょう。
年齢が上がると、安定した睡眠をとれるようになってくることが多いのです。
寝起きが悪い子どもの起こし方は「脳を起こす」作戦でいこう!
朝起きが苦手な場合、お子さんを早く寝かせることを気にするお母さんが多いです。
しかし、「決まった時間に起こすこと」を目指すほうが、睡眠リズムは安定しやすいと言われています。
決まった時間に起きることで、夜になると眠くなり早めに寝てくれるようになるからです。
では、寝ぼけまなこの我が子をどうやって起こすのか?その秘訣は、「脳を起こす」工夫にあります。
脳が眠っている状態だと、無理やり身体だけを起こしてもぼーっとしてしっかり目覚めてくれません。
脳を起こすには、脳を使うのがポイント。太陽光を浴びるとよいとよく言われますが、さらにお母さんの声かけで脳をシャキッと起こしてあげましょう!
ここでは、我が家で効果のあった、すぐに試せる一手をご紹介します。
朝目覚めたらまずクイズ
なぞなぞやクイズの答えを考えるときには、「思い出す」という作業をすることになります。そのとき脳は記憶をさかのぼりよく働くため、脳を起こすことができます。
お子さんの様子を見ながら、簡単な問題から始めて、徐々に目が覚めてきたら難易度を上げていくのがコツ。
始めに「全部で5問出します!」などと宣言しておくと、もっともっと!とエンドレスなクイズ大会にならずにすむでしょう。
また、お母さんが「大正解!やったね!」や「ん-、惜しい!」と楽しく声かけをすることで、ゲーム性を感じ盛り上がります。
「楽しい!」「うれしい!」というポジティブな気持ちや、「解けなくて悔しい!」「次は正解しよう!」というやる気や意欲を感じることで、脳は刺激されるのです。
最後は「今日の朝ごはんのデザートはなんでしょう~か?」「答えはリビングで!!」なんて声かけをするとスパッと起きてくれますよ。
我が家では、この方法が功を奏し、最近は子どもの方から「問題です!」と私を起こしてくれることもあります(笑)
朝の「ときめき」を準備してから眠りにつく
2つ目は、寝る前に、翌朝の「ときめき」を準備することです。
大人だって、朝起きたら楽しいことが待っているとわかっていれば、張り切って早起きできますよね。
朝ごはんのデザートに大好きなフルーツを準備するよ、明日はお気に入りのワンピースを着ようかなど、お子さんのテンションが上がるとっておきのときめきを準備してみましょう。
我が家では、お料理好きの次男には、「今日の目玉焼きの卵割っていいよ」と言えばパパッと飛び起きてくれます。
この手は毎日は使えませんが、変化球として有効です。
寝る前ルーティンをつくる
最後に、なかなか寝てくれないお子さんには、寝る前ルーティンを作ることがオススメ。
スポーツ選手などは、試合前など自分を落ち着けたいときに、いつも同じ一連の動作をするという自分なりのルーティンを持っていますよね。
ルーティンの効果は、同じ行動を繰り返すことで、自律神経が整い、リラックスできること。これを寝る前の時間に応用することで、心身共に入眠に向かう準備が整いやすくなります。
この寝る前ルーティンにも、親子のコミュニケーションを取り入れてみましょう。
我が家では、寝室に行く前に自分で絵本を1冊ずつ選び、読み聞かせをして、電気を消します。
そのあと、家族全員で、今日うれしかったことや頑張ったことを1つずつ発表しています。
「今日保育園をがんばりました」
「今日縄跳びが10回とべた」
「今日はエレベーターでなく階段を使った」
「今日は定時に帰れた」
など、本当にちょっとしたことなのですが、それを家族と共有し、頑張ったねと声をかけてもらうことで、親も子どもも気持ちが落ち着くんです。
朝のタイムリミットがあるママは、「仕込み」を追加!
子どもが朝起きられるようになるいろんな一手をご紹介しましたが、朝のタイムリミットがある場合はこんなことしてられないよ〜、という方もいらっしゃるでしょう。
私もフルタイムのワーキングマザー。朝はとにかく時間がない!1分でも惜しい!起こす方法を考えてる暇なんてない!ということもあります。
そんな時にやるのは「カンニング」。
子どもに「明日朝、どうやって起こしてほしい?」ってズバリ聞いちゃうんです。
そして、お母さんが寝る前に、朝の仕込みをして寝ちゃいましょう。
例えば、朝クイズとの合わせ技として、「明日は何のクイズ出して欲しい?」とお子さんに聞いてみる。
自分の得意分野についてのクイズに答えられる、ということは子どもにとっては立派なごほうびになるんです。
お子さんによっては、ぎゅーって抱きしめて欲しい、好きな音楽をかけてほしい、マッサージして欲しい、こちょこちょ攻撃など、お母さんには思いつかない方法を伝えてくれることもあるでしょう。
大好きなお母さんが、自分の好きな方法で起こしてくれる。これを楽しみに眠りにつくことで、お子さんの脳に楽しみがインプットされます。
あとは朝から楽しみの目覚めスイッチを押すだけ。
単純な方法ですが、子どもが笑顔で起きてきてくれるだけで、その後の朝のルーティンは驚くほどスムーズに進んじゃいますよ。
いかがですか?
親子ともにご機嫌で過ごす朝で楽しい1日のスタートが切れますように。我が家の秘策がお役に立てればうれしいです。
こちらの記事では、お子さんが朝の時間の流れをつかむ方法をお伝えしています。
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執筆者:森中博子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)