【ひろこ先生の本棚】わが子が見ている世界を知りたいママへ

 

今日は日曜日。

「ひろこ先生の本棚!」

の日です!

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毎日頑張ってるママたちに

少し頭を休めて
新しい価値観に出会う日にしてほしい!

 

 

そんな思いで、毎週楽しみに
書いています^^

 

 

初めて読む方のために説明しておくと、

「ひろこ先生の本棚」コーナーは

私が、小児科医の視点から、
凸凹キッズの母親の視点から、

そして、脳科学と発達診断のプロ!
としての視点から

 

選りすぐりの1冊をお届けする企画です。

 

 

私は、毎日早朝30分間
1日1研究!を実践しているのですが、

 

 

ここ数ヶ月、毎回のように
私の検索に引っかかってくる
ある本があります。

 

私の専門である「発達診断」にも関わる本。

 

しかも、「発達診断」に対する考え方が
私の考えていることと近い!

 

 

と言うことで、
内容がとっても気になってしまい、
1ヶ月ほど前についに購入しました。

 

それがこちらの本

 

発達障害の人が見ている世界.jpg

 

発達障害の人が見ている世界

精神科医
岩瀬利郎 著

 

発達障害は脳の特性です

 

発達障害の人は、
決して能力が低いわけでも

人間性に問題があるわけでもありません

 

 

そんな、私が声を大にして
いつも伝えていることが
冒頭に書いてあるんです。

 

 

「発達障害」という言葉の認知が
広がった影響で、

 

ちょっと変わっている、
ちょっと付き合うのが大変な人たちを見て

 

「あの人発達障害系?」

 

なんていうことを言う人がいます。

 

同じように考えたこと、
きっと皆さんもあると思います。

 

そんな風に考える人の頭の中ではきっと

その人は
自分とは全然違う人なんだ、

という思いがあることでしょう。

 

 

発達障害の人は

・空気の読めない人
・だらしないひと
・人の気持ちがわからない人
・能力が低い人

そんな風になんとなく思われていることが多い。

 

そして、多くの場合、
そう思われていることは
本人にも伝わっています。

 

 

例えば、昔出会った子の中に
脳の特性でものすごく
記憶力の良いお子さんがいました。

 

その子は、数字や文字などを
とてもよく覚えていて

円周率なども気が遠くなるところまで
言えるとのことでした。

 

だけど、私が

「記憶力がいいってすごい力じゃない!」

と言ったら。

 

「だけど、嫌だったこともずっと覚えてるんです。
僕は、記憶力が良くなくてよかった。

普通の方が良かったです」

 

と、悲しそうな笑顔で教えてくれました。

 

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発達障害の当事者が大人の場合は
このように自分がしんどい場面に
当たったら、

 

自分一人でそのしんどさを
乗り越えていかれます。

 

 

ですが、当事者が子どもの場合は
子どもだけでなく

辛い思いをしている
わが子を見ているママも
しんどい思いをしますよね。

 

 

「僕はなんだか人と違うんだ」って

疎外感を感じているわが子に
何にも言ってあげられない。

 

できることなら、わが子と変わってあげたい。
そう思って胸が張り裂けそうな思いに
なるママもいると思います。

 

 

特に、他の子と違う様子は
学校行事などでは顕著に現れます。

 

もうすぐ授業参観や運動会があるよ、
というママたちは、

 

周りのママたちからどんな風に見られるんだろう、
周りの子どもたちは、わが子に対して
どんな風に接するんだろう。

 

そう考えるだけで
胃がキリキリ痛んでしまいますよね。

 

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私も、わが子の運動会の時に、
一生懸命走っているわが子を見て

 

「あの子支援級の子かな?」

 

ってこそこそ言っている他のママを見て
胸がチクリと痛んだ経験があります。

 

 

だけど今は、
わが子が、他の人とは違う光景を
見ていることを知っているし、

 

そんな光景を見られるわが子のこと、
すごいな、って思うことも
増えてきました。

 

 

だから、今なら、

「だからなに?」って
思えると思うけれど、

やっぱり理解してもらえないかもしれない
わが子の姿を想像して

不安になることもあります。

 

 

こちらの本の中では、
一つの困りごとに対して、

 

・周りからはこう見える

・実は本人はこう感じている

 

という2つのパターンを
イラストで分かりやすく解説してくれています。

 

そして次のページには

じゃあどう対応してあげたらいいのか?
という具体策が載っているんです。

 

大人のケースと子どものケースが
バランスよく載っているので、

 

お子さんの言動で悩むママだけでなく、
例えば会社の部下の言動に悩むパパにも
きっと役立つ1冊なのではないかな。

 

 

さらに、先生からのヒントとして、
自分もこういう特徴があって悩んでいる!
という当事者の方向け

楽に生きられるヒントが
書いてあります。

 

「発達障害」とどどーんと
書いてはありますが、

 

同じようなケースで悩むお子さんと
一緒に見ながら

 

「あなたはどんな気持ちなの?」
「どうしてもらったらうれしいの?」

 

と会話のきっかけにすることも
できますね。

 

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そしてあとがきには
こんな風な言葉が書いてあります。

 

(以下引用です)

 

発達障害なのか
グレーゾーンなのか
定型発達なのか

 

そういった診断的な側面だけに
とらわれず
誰もが持つ脳の特性・傾向から
くる困りごとを解決するツールとして

 

この本を活用していただけたら
これほどうれしいことはありません。

(引用ここまで)

 

 

わたしも、「ママカルテ」を
そのような位置付けと考えています。

 

診断名をつけるのではなくって、
お子さんのことを、
そして自分のことを
知るツールとして使って欲しい。

 

同じ思いを持って活動している
素敵な先生がいらっしゃるんだなあ、って

すごく嬉しくなりました。

 

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今日の1冊は

発達障害の人が見ている世界を
知ることで

 

どんな人も生きるのが
楽になる

 

そんな世界を創ることができる
素敵な本をご紹介しました。

 

わが子のことを知りたいな、って
思う方は
ぜひぜひ読んでみてくださいね^^

 

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