「学校って、なんで行かなきゃいけないの?」
小学生のお子さんから、そんなふうに聞かれたことはありませんか?
行き渋りや不登校予備軍のお子さんを育てているママにとって、この一言はとても重たいものです。
「学校は行くものだよ」
「みんな行っているよ」
「将来困るよ」
「先生も待っているよ」
そう答えたくなることもあるかもしれません。
けれど、子どもの「なんで学校に行かなきゃいけないの?」という言葉は、ただの反抗やわがままではなく、本当は“自分が動く理由”を探しているサインかもしれません。
学校で聞いた、ある男の子の質問
先日、PTAの本部役員の会長として学校に行った時のことです。
教室に入れず、教頭先生が付き添っていた4年生くらいの男の子が、とても大事な質問をしていました。
「学校の勉強なんてやっても意味ないじゃん。
どうして学校に来ないといけないの?
家でもタブレットで勉強できるし。
友達とは学校帰ってから遊んでるから話せるし。」
私はその言葉を聞いて、なんて正直で、なんていい質問なんだろうと思いました。
その子はきっと、ただ反抗したかったわけではなくて、学校に来る意味を大人に教えてほしかったのではないかと感じたのです。
けれど、その質問に対して返ってきた言葉は、
「あのね。義務教育だからだよ」
でした。
もちろん、間違ってはいません。
けれど、その言葉を受け取った男の子の心には、何が残ったのだろう。
そう考えずにはいられませんでした。
子どもは「正しい答え」よりも、動く理由を探しているのかもしれない
もしそこで、
「すごくいい質問だね」
「学校に来る意味を知りたいと思ったんだね」
「先生は学校のいいところをたくさん知っているから、そうやって聞いてくれてうれしいよ」
と、まず受け止めてもらえていたらどうだったでしょうか。
さらに、
「〇〇くんは将来、どんなことをしてみたい?」
「学校には、〇〇くんがまだ出会っていない世界や人や経験があるんだよ」
「それが、未来の〇〇くんにつながることもあるんだよ」
そんなふうに未来につながる言葉で返してもらえていたら、その子は自分の目線だけで見ていた学校とは、少し違う側面に気づけたかもしれません。
もちろん、学校の先生を責めたいわけではありません。
先生も、毎日たくさんの子どもたちに向き合い、どう関わればいいのか悩んでいるはずです。
けれど、子どもの「なんで?」に正論だけで返すと、子どもは「やっぱりわかってもらえない」と感じてしまうことがあります。
そしてこれは、家庭でも同じかもしれません。
行き渋りの子の「学校行きたくない」は反抗ではないことがある
行き渋りの子が言う、
「学校行きたくない」
「勉強なんて意味ない」
「なんで行かなきゃいけないの?」
という言葉。
それは、ただの反抗やわがままではなく、本当は「自分が動く理由を探している言葉」なのかもしれません。
けれど、朝の忙しい時間にわが子からそう言われると、ママも余裕がありません。
仕事に遅れる。
学校に連絡しなければいけない。
このまま不登校になったらどうしよう。
また私が休ませたことになるのかな。
そんな不安が一気に押し寄せる中で、子どもの問いをゆっくり受け止めるのは簡単なことではありません。
だからこそ、
「学校は行くものだよ」
「みんな行ってるよ」
「将来困るよ」
「先生も待ってるよ」
そんなふうに、正論で返したくなることがあります。
もちろん、ママは子どもを傷つけたくて言っているわけではありません。
学校に行ってほしい。
この子の将来が心配。
このまま不登校になったらどうしよう。
そんな不安があるからこそ、一生懸命伝えようとしているのです。
子どもが本当に欲しいのは「説得」ではなく「見立て」かもしれない
子どもが本当に欲しいのは、正しい答えよりも先に、
「この子は今、何に納得できずに止まっているのかな?」
「何が見えたら、少し動き出せるのかな?」
と見てもらうことかもしれません。
学校に行かせるために子どもを説得するのではなく、
この子は今、どこで止まっているのか?
どんな力が育つと、自分で考え、選び、動けるようになるのか?
ここを見る視点が、おうちの中にこそ必要だと私は感じています。
家では元気なのに学校だけ無理な子に必要な視点
行き渋りの子の中には、家では元気に見える子がいます。
ゲームはできる。
YouTubeは見られる。
好きな話ならできる。
友達とは学校の外で遊べる。
けれど、学校の話になると止まってしまう。
この姿を見ると、ママは混乱します。
「家では元気なのに、どうして学校だけ無理なの?」
「本当にしんどいの?」
「甘えているだけなのかな?」
そう思ってしまうのは自然なことです。
けれど、家で元気に見えることは、学校に行ける証拠ではないかもしれません。
むしろ、どんな場所なら安心できるのか、どんな条件なら回復できるのか、
何があると少し動き出せるのかを教えてくれているサインかもしれないのです。
「学校ムリ」の奥にある、止まりやすい場所を見つける
行き渋りの子どもたちは、同じように「学校ムリ」と言っていても、止まっている場所が違うことがあります。
学校で頑張りすぎて、家でエネルギー切れになっている子。
気持ちが言葉にならず、「わからない」としか言えない子。
音や人の多さ、教室の空気など、学校の環境で疲れている子。
家で安心して回復している途中の子。
どの子にも、必要な関わり方やサポートの順番があります。
だからこそ、行き渋り対応は「行かせるか、休ませるか」だけで考えると、親子で苦しくなってしまいます。
大切なのは、
「この子は今、どこで止まっているのかな?」
「次に育てる力はどこなのかな?」
と見ていくことです。
おうちにこそ、新しい教育の視点が必要です
学校に行けない日があると、ママはとても不安になります。
けれど、学校に行けない日も、未来は止まりません。
おうちで育てられる力があります。
自分の状態に気づく力。
困っていることを言葉にする力。
安心できる場所で回復する力。
見通しを持つ力。
小さく動き出す力。
これらは、将来の「自分で考え、選び、動く力」にもつながっていきます。
だから私は、行き渋りを「学校に行けない問題」としてだけで終わらせたくありません。
今の困りごとの中に、未来につながる力を育てる入口があると考えています。
子どもの問いに、未来につながる見方で答える
「なんで学校に行かなきゃいけないの?」
「学校行きたくない」
「勉強なんて意味ない」
そんな子どもの言葉は、ただの反抗ではなく、自分が動く理由を探しているサインかもしれません。
正論だけで返すのではなく、
「この子は今、何に納得できずに止まっているのかな?」
「何が見えたら、少し動き出せるのかな?」
と見てもらえた時、子どもはもう一度、自分で動き出す力を取り戻していけるかもしれません。
学校に行けない日も、未来は止まりません。
子どもの問いを、未来につながる見方で受け止められる大人が増えたら、子どもたちはきっと、もう一度、自分で動き出す力を取り戻していける。
そう信じています。
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