学校からの電話にドキッとしていませんか?
学校から電話がかかってくるたびに、
「また何かしたのかな」
「帰ってきたら、ちゃんと話を聞かなきゃ」
と、胸が苦しくなることはありませんか?
発達グレーの子を育てていると、
・先生に言い返した
・友だちとトラブルになった
・授業や活動に入れなかった
そんな学校での困りごとについて、先生から連絡が来ることがあります。
帰宅した子どもに、
「何があったの?」
「なんでそんなことしたの?」
と聞いても、返ってくるのは、
「知らない」「覚えてない」
という言葉ばかり。
話を聞こうとするほど不機嫌になり、最後には親子で言い合いになってしまう。
そんな負のループに悩むお母さんも多いのではないでしょうか。
「私の聞き方が悪いのかな」
「ちゃんと反省させなきゃ」
「このまま同じことを繰り返したらどうしよう」
そうやって、不安になってしまうこともありますよね。
なんとかしようと、理由を聞いたり、正しい行動を教えたり、何度も言い聞かせたりする。
それでも、また学校から電話が来る。
実は、子どもが学校で起きたことを話さないのには、理由があります。
この記事では、
✔ なぜ学校で起きたことを話せないのか
✔ 学校から電話が来た日にどう関わればいいのか
そのヒントをお伝えします。

学校から電話が来た日に、子どもが話せないワケ
学校で注意されたり、うまくいかないことが続いたりすると、子どもの脳はたくさんのエネルギーを使います。
その状態では、
・何が起きたのかを思い出す
・出来事を順番に説明する
・自分の気持ちを言葉にする
・次にどうすればよかったかを考える
といった力が働きにくくなります。
さらに、学校で先生から話を聞かれ、家に帰ってからもお母さんに同じことを聞かれると、
「また怒られるかもしれない」
「何を言っても責められそう」
「うまく説明できない」
という不安が強くなってしまいます。
すると、子どもの脳は自分を守ろうとして、
「知らない」
「覚えてない」
という反応になるんです。
つまり、話したくないのではなく、まだ話せる状態ではないんです。
ここで何度も理由を聞くと、子どもの中には、
「学校でも怒られた」
「家でも怒られた」
「どうせ自分はできない」
というネガティブな記憶が残りやすくなります。
だからこそ、学校から電話が来た日は、その場ですぐに原因を聞き出そうとするより、先に子どもの脳を休ませることが大切です。
学校からの電話のたびに理由を聞いていた私の過去
うちの息子も小学2年生の頃、学校から何度も電話がかかってきました。
そのたびに私は、息子に
「何があったの?」
「なんでそんなことしたの?」
と理由を聞いていました。
そして、あまりに私がしつこいと息子は、
「もういい!」
「知らないって言ってるじゃん!」
と怒り出していました。
学校から電話が来る→家で理由を聞く→息子が話さない
→私が不安になり、さらに問い詰める→最後は親子で言い合いになる
同じやり取りを何度も繰り返していました。
そんなとき、息子にとって帰宅後の質問は、学校で注意された嫌な記憶を、家でもう一度思い出す時間になっていたことに気づいたんです。
私は、理由を聞けば同じトラブルを防げると思っていました。
けれど本当に必要だったのは、学校で起きたことをすぐに聞き出すことではありませんでした。
まずは、疲れた脳を休ませ、安心して話せる状態に戻すこと。
「帰ってきてからどう聞くか」ではなく、
「帰ってきた子どもをどう回復させるか」
この視点に変わったことが、帰宅後の関わりを見直すきっかけになりました。

学校から電話が来た日に実践した3つの対応
学校から電話が来た日に、子どもが話せるようになるためには、
帰宅直後に理由を聞くのではなく、先に安心して休める状態をつくる
ことが必要です。
では、それはどのようにつくるのかというと、
家で「今は大丈夫」「今はできている」という感覚を増やしていきます。
ここでは、私が実際にやってみてよかった3つの対応をご紹介します。
帰宅直後は学校の話をしない
お子さんが帰ってきたら、まずは、
「おかえり」
「今日は暑かったね」
「ランドセル重かったね」
「喉が渇いたね」
と、普段通りの言葉をかけます。
以前の私は、息子の顔を見るとすぐに、
「今日、学校から電話があったんだけどね」
と話を始めていました。
学校で注意されたあとの子どもには、緊張や不安が残っていることがあります。
そのタイミングで学校の話を始めると、家に帰ってきても「学校で怒られた続き」が始まったように感じてしまいます。
だから私は、先に事情を聞くのではなく、
「家に帰ってきたから、もう安心していいよ」
と感じられる時間をつくることを大切にしました。
今できていることを実況中継する
少し落ち着いてきたら、
「ランドセル置いたね」
「手を洗ってるね」
「自分でお茶を用意したんだね」
「好きなおやつを選んだんだね」
と、息子が今している行動をそのまま言葉にしました。
実況中継は、評価したり質問したりせず、子どもの行動をそのまま伝える声かけです。
学校でうまくいかなかった日は、子どもの中に、
「失敗した」
「怒られた」
「できなかった」
という記憶が残りやすくなります。
そんな日に、
「今、ランドセルを置けたね」
「今、手を洗えたね」
と伝えることで、子ども自身も「今できていること」に気づきやすくなります。
学校でできなかったことを指摘するより、家で今できていることに注目する。
それが、次に動くための自信につながっていきました。

好きなことや落ち着く時間を先につくる
そのうえで、
・好きなおやつを食べる
・動画を見る
・一人で過ごす
・お風呂に入る
・布団でゴロゴロする
など、息子が落ち着ける時間を先につくりました。
学校から電話が来ると、親としては早く話し合いたくなります。
けれど、心も脳も疲れている状態では、話を聞く力や、自分の気持ちを整理する力が働きにくくなります。
好きなことをする時間は、学校で起きたことをなかったことにするためではありません。
自分の気持ちを整理し、話せる状態に戻るための時間です。
この関わりを続けていくと、
「今日さ……」
「本当は嫌だったんだよね」
と、息子の方から少しずつ学校のことを話すようになりました。
息子が学校のことを話せるようになると、家で見えていた困りごとが、学校での姿にもつながっていることに気づきました。
たとえば、
家では、嫌だった気持ちを言葉にできず、怒ってしまう姿と、
学校では、先生や友だちに強く言い返してしまう姿。
家では、宿題を始めるまでに時間がかかる姿と、
学校では、授業や活動に入る最初の一歩で止まってしまう姿。
場所は違っても、息子が困っているところは同じでした。
だからこそ、学校で起きたことを家で叱り直すより、家の中で小さく考え、選び、動ける経験を増やすことが大切です。
帰宅後の対応を変えてから、息子が自分の気持ちを話すことが増え、学校からの電話も少しずつ減っていきました。
学校から電話が来た日は、「なんでやったの?」と聞く前に、まずは話せる状態に戻す。
家を安心して回復できる場所にすることから、始めてみてくださいね。
執筆者:にいなあかね
(発達科学コミュニケーション トレーナー)



