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さて今日は、
「元・起立性息子
『普通に学校に行けることが
一番楽しい』」
というお話をさせてください。
起立性調節障害で
学校に行けなくなっていた頃、
息子は毎日、
とても苦しそうでした。
✔朝は起きられない。
✔起きた後も腹痛頭痛。
✔学校の話になると、
表情が消える。
「このままでいいのかな」
「いつ戻れるのかな」
「将来はどうなるんだろう」
そんな話をしようとすると、
黙り込んでしまう…
今まで仲が良かったと思っていたのに
カギをかけて部屋から出てこない。
私はその姿を見るたびに、
胸の奥がぎゅっと苦しくなっていました。
私は看護師であり、
発達のことも知っていた保健師。
夫は医師です。
体のことなら、
何かできるはずだと思っていました。
体調を整える。
休ませる。
病院に通う。
水分や塩分を意識する。
生活リズムを整えようとする。
できることは、
やっていたつもりです。
だけど、
現実はそんなに簡単では
ありませんでした。
体調が少し良くなっても、
学校の話になると動けない。
休日なら少し元気に見えるのに、
登校の朝になると止まる。
好きなことなら話せるのに、
学校や未来の話になると、
急に心のシャッターが下りる。
そのたびに私は、
何度も思いました。
「体は少し良くなってきているのに、
どうして学校だけは動けないんだろう」
「私の関わり方が悪いのかな」
「休ませすぎたのかな」
「でも、無理に行かせたら
壊れてしまうんじゃないか」
見守った方がいいのか。
背中を押した方がいいのか。
休ませた方がいいのか。
少しは促した方がいいのか。
毎朝、正解のない選択を
迫られているようで、
私の方が苦しくなっていました。

けれど、
その息子に先日こんな質問をしました。
「今、一番楽しいことって何?」
すると息子は、
少し考えてこう答えました。
「普通に起きて、
普通に学校に行けること。」
私はその言葉を聞いて、
胸がいっぱいになりました。
以前の息子にとって、
朝起きて学校に行くことは、
苦しさの象徴でした。
起きられない自分を責める時間。
行けない自分を感じる時間。
家族の空気が重くなる時間。
未来が見えなくなる時間。
それが今は、
友達に会える。
授業を受けられる。
放課後遊びに行ける。
自分で準備して出かけられる。
そんな当たり前の日常を、
「楽しい」と言えるようになったのです。
私はこの変化を見て、
強く思いました。
子どもは、
最初から大きな挑戦を
求めているわけではありません。
「毎日学校に行こう」
「遅れを取り戻そう」
「前みたいに頑張ろう」
そんな大きな目標の前に、
まず必要なのは、
「今日なら、これくらいできそう」
という小さな一歩を
もう一度、自分の中に取り戻すことです。
けれど、
先取りの不安のループが起きる子ほど、
この一歩がとても重たくなります。
さらにたとえ一歩踏み出しても、
また負荷がかかると、容易に
不安のループは回り始めるのです。

なぜなら、
頭の中で先の失敗まで
考えてしまうからです。
「行ってまた具合が
悪くなったらどうしよう」
「教室で変に思われたらどうしよう」
「途中で帰ることになったら恥ずかしい」
「先生に何か聞かれたら嫌だ」
「またできなかったら、
もう無理かもしれない」
まだ起きていない未来まで、
頭の中で何度も先取りしてしまう。
だから、
本当は力がないわけではないのに、
最初の一歩が出なくなるのです。
ここで必要なのは、
放っておくことでも、
無理に引っ張ることでもありません。
子どもの今の状態を見立てながら、
「今のこの子なら、
どこまでなら安心して動けるのか」
「何が不安のスイッチになっているのか」
「どんな声かけなら、
脳が“やってみても大丈夫”と
感じられるのか」
ここを一緒に探していくこと。
私はこれを、
“先導”だと思っています。
先導とは、
親の思い通りに子どもを
動かすことではありません。
子どもの不安を無視して、
前に進ませることでもありません。
子どもの中にまだ残っている力を
見つけて、
その力が出てこられる道を、
ママが少し先に照らしてあげることです。
息子が変わったのは、
根性がついたからではありません。
不安が完全になくなったからでも
ありません。
小さな挑戦を積み重ねながら、
「できなかった」よりも
「ここまではできた」
「やっぱり無理」よりも
「少しならできるかもしれない」
そんな感覚を、
家庭の中で増やしていったからです。
そして、ここで一番大切なのは、
子どもをどう変えるか、
だけではありません。
ママ自身が、
どんな母でいたいのか。
ここも深く関わってきます。
毎朝、子どもの顔色を見て、
機嫌を損ねないように言葉を選ぶ母
でいたいのか。
「また行けなかった」と、
子どもと一緒に落ち込む母で
いたいのか。
それとも、
この子の脳は今、
不安でブレーキがかかっているんだ。
だったら私は、
この子の力が出てくる関わり方を選ぼう。
そう思える母でいたいのか。
子どもを学校に行かせるために
声かけを学ぶのではありません。
子どもが、
自分で考え、
自分で選び、
自分で動き出す力を取り戻すために、
ママの関わり方を整えていくのです。
ここに気づけると、
ママの価値基準が変わります。
「どうしたら行かせられるか」
ではなく、
「どうしたら、この子の中にある
“動き出す力”を育てられるか」
を見るようになります。
「休ませるか、行かせるか」ではなく、
「今この子は、
ブレーキの状態なのか、
成長の準備が始まっているのか」
を見立てるようになります。
そして、
ママが自分の関わりを信じられる
ようになると、
子どもへの声かけが変わります。
焦りで押すのではなく、
不安に巻き込まれるのでもなく、
「大丈夫。
ここから一緒に動き出せる」
そんな土台を、
家庭の中につくれるようになります。
もし今、
お子さんが
「どうせ無理」
「行きたくない」
「めんどくさい」
と言っているとしても、
その奥には、
まだ言葉になっていない不安が
隠れているかもしれません。
本当は、
できるようになりたい。
本当は、
普通に過ごしたい。
本当は、
友達に会いたい。
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「自分も大丈夫」と思いたい。
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