さて今日は、
「夏休みを最大限に回復のチャンスに
変えるには「今」からのスタートが
必須のワケ」
というお話です。
1学期も終わりが近づいてくると、
不登校や起立性調節障害のお子さんの
ママは
こんなふうに思いませんか?
「このまま1学期が終わっていくのかな」
「夏休みに入ったら、
生活リズムはどうなるんだろう」
「勉強の遅れ、取り戻さなきゃな」
「2学期になったら、
また行けないままなのかな」
そんな不安が出てくると、
ママの声かけも強くなりやすいんです。
「夏休みまでには少し整えよう」
「少しは勉強しないと」
「このままだと2学期が大変だよ」
そう言いたくなる。
反対に、
何を言っても動かないわが子を見て、
「もう言っても無駄かな」
「どうせ夏休みも変わらないかな」
「私だけが焦っていて、もうしんどい」
そんなふうに、
あきらめモードに入ってしまい
ママのしんどさばかりが
増していくことがあります。
この揺れ、本当に苦しいですよね。

私も、息子が起立性調節障害で
不登校になった時、
同じように感じていました。
夏休みが近づくと、
学校のプレッシャーはいったん減る。
だから本当は、
「この時間で少しでも立て直したい」
と思うんです。
生活リズム。
勉強の遅れ。
体力。
2学期への準備。
やれることはたくさんあるように見える。
けれど、
こちらが焦って声をかけるほど、
息子は固まっていきました。
勉強の話をすると表情が曇る。
学校の話をすると黙る。
生活リズムの話をすると不機嫌になる。
私の言葉は、
息子を動かすための言葉のつもりでした。
だけど、
不安でいっぱいの脳には、
それがプレッシャーとして
届いていたんです。
ここが、夏休み前の大事なポイントです。
夏休みは、
学校という大きなストレスが
一度下がる時期です。
朝の登校時間。
教室に入る不安。
友達の目。
先生とのやりとり。
授業についていけない焦り。
欠席が増える不安。
こうした刺激が減ることで、
子どもの脳は少しずつ警戒を
下げやすくなります。
脳科学的に言うと、
不安や危険を察知する扁桃体の反応が
落ち着きやすくなり、
考える・選ぶ・切り替える働きをする
前頭前野が
使いやすくなっていきます。
つまり夏休みは、
不安で止まっていた子の脳が、
もう一度「考える」「選ぶ」
「やってみる」に
向かいやすい時期なんです。
だからこそ、
夏休みは回復の最大の
チャンスになります。
ただし、ここで順番を間違えると、
せっかくストレスが下がる時期なのに、
親子関係がこじれやすくなります。
たとえば、
「朝はちゃんと起きよう」
「宿題は早めにやろう」
「少しは勉強しよう」
「スマホばかりやめよう」
「2学期どうするの?」
どれも、ママとしては当然
気になることです。
けれど、
不安で動けない子にとっては、
その言葉が
「今のままじゃダメ」
「早く変わらないといけない」
「またできない自分を見せることになる」
というメッセージに
聞こえてしまうことがあります。
すると、
脳はまた防衛モードに入ります。
動かない。
反発する。
寝る。
ゲームに逃げる。
「無理」と言う。
「どうせできない」と言う。
ママから見ると、
「また悪くなった」
「やっぱり何も変わらない」
と見えます。
でも実際には、
子どもの脳がプレッシャーから
自分を守ろうとしていることがあります。
だから、夏休みに入ってから
いきなり生活リズムや勉強を
整えようとすると、
親子バトルになりやすいんです。
大事なのは、
夏休み前の今から、
脳が受け取れる関わりに
変えておくことです。
本当は学校に行く意欲を
取り戻してほしい。
勉強にも取り組んでほしい。
でも、夏休みに伸ばしたい力は、
いきなり勉強時間を
増やす力ではありません。
まず伸ばしたいのは、
「少しならやってみる力」
「途中でやめても戻ってこられる力」
「失敗しても終わりじゃないと思える力」
「自分で選んで動く力」
「不安になった時に立て直す力」
です。
この力が育つと、
学習意欲は戻りやすくなります。
なぜなら、
勉強に向かうには、
ただ知識や能力があるだけでは
足りないからです。
「間違えても大丈夫」
「分からなくても聞けばいい」
「全部できなくても、
今日はここまででいい」
「少し進めた自分は大丈夫」
そう思える脳の状態が必要です。
ここが整わないまま勉強を促しても、
子どもは動けません。
逆に、
夏休み前から関わり方を変えておくと、
夏休み中に小さな変化が
出やすくなります。
たとえば、
朝、カーテンを開けられた。
家族と朝マックに行けた。
買い物について来られた。
机の上に教材を置けた。
1ページだけ見られた。
「今日はここまでなら」
と自分で決められた。
こうした小さな行動は、
大人から見ると物足りなく
感じるかもしれません。
だけど、不安で止まっていた子の
脳にとっては、
「動いても大丈夫だった」
という大切な記憶になります。
この記憶が増えると、
2学期が変わります。
2学期になった時に、
いきなり登校できるかどうかだけを
見るのではなく、
「不安になっても戻れる」
「全部じゃなくても一部ならできる」
「完璧じゃなくても動ける」
「自分で選べる」
この力が育っていると、
学校・勉強・進路への向き合い方が
変わっていきます。
つまり、
夏休みは“休むだけの期間”では
ありません。
そして、
“遅れを取り戻すために追い込む期間”
でもありません。
夏休みは、
2学期に向けて、
子どもの脳に
「私はまた動ける」
「私は大丈夫」
という記憶を入れ直す期間です。
そのためには、
夏休みに入ってからではなく、
今からママの関わり方を
整えておく必要があります。
今の時期に、
何を言うとプレッシャーになるのか。
どんな言葉なら受け取れるのか。
どのくらいの一歩なら動けるのか。
今は安心が先なのか、
行動量を上げる時期なのか。
ここを見立てておくこと。
これが、夏休みを最大限に
活用する準備になります。
私の息子も、
最初から大きく変わったわけでは
ありません。
「二度と勉強しない」
「二度と学校に行かない」
そう言っていた時期に、
いきなり勉強や登校を戻そうとしても、
うまくいきませんでした。
必要だったのは、
息子の脳が今どんな状態なのかを
見立てること。
そして、
その状態に合う小さな一歩を
家庭の会話で作っていくことでした。
そこから5年、
今はなんと難関大学受験のために
勉強にいそしんでいます。
夏休み前の今、
ママがここを知っているかどうかで、
夏休みの過ごし方は変わります。
そして、
夏休みの過ごし方が変わると、
2学期のスタートも変わります。
この時期の大切さを知っているママは、
夏休みをただ不安に過ごしません。
生活リズムや勉強の遅れに
振り回される前に、
わが子の脳が動き出す順番を見立てて、
「やってみる力」を育てていきます。
夏休みは、
親子でこじれる時間にもなります。
けれど、
関わり方の順番を知っていれば、
回復を加速する時間にもできます。
どちらにするかは、
夏休みに入ってからではなく、
今の準備で変わります。

明日は、
起立性調節障害のお子さんが
どうやって少しずつ動き出したのか。
生徒さんのストーリーをお話しします。
夏休みを、
お子さんの「やってみる」が
戻る時間にしたいママは、
ぜひ明日のメルマガも読んでくださいね。
今日はここまでです。


