1.朝起きられない小6娘に「生活リズムだけでも戻したい」と焦っていました
お母さんがご相談に来られたのは、
7月でした。
娘さんは、
朝、なかなか起きられない。
学校へ行けない。
勉強にも取りかかれない。
そんな日が続いていました。
お母さんは、こうして迎えた夏休み、
「生活リズムだけでも
戻した方がいいのでは」
「勉強がますます遅れてしまう」
「6年生なのに、このままで大丈夫?」
と心配し、
朝は何度も起こし、
少しでも勉強を進められるように
声をかけていました。
もちろん、
娘さんを困らせたくて
していたわけではありません。
学校へ戻ったときに困らないように。
勉強についていけるように。
将来の選択肢を減らさないように。
娘さんを守りたいからこその
関わりでした。
ところが娘さんは、
声をかけられるほど動けなくなり、
「わかってる」
「今は無理」
と会話も減っていきました。
2.「毎朝起こす」「勉強させる」を手放し、自分で選ぶ余白を増やしました
そこで7月に学び始めてから、
お母さんが変えたのは、
娘さんを動かすための
声かけではありませんでした。
まず、
朝、起こすことをやめました。
そして、
勉強をさせようとすることも、
いったん手放しました。
学校へ行けないのだから、
せめて勉強だけでも。
6年生だから、
今のうちに遅れを取り戻したい。
そんな思いを横に置くのは、
簡単ではなかったと思います。
それでも、
今の娘さんに必要なのは、
正しい生活へ戻すことよりも、
安心して自分の感情を感じ、
自分の「好き」に心を動かせる状態を
取り戻すこと
だと考えたんです。
夏休みは、
「今日は何をしたの?」
「宿題は?」
ではなく、
娘さんの好きなことに興味を示し、
楽しそうに話したときには
その話を聞く。

「今日はやりたくない」と
言ったときには、
理由を追及せず、
「そうなんだね」
と受け止める。
外出するかどうかも、
何をするかも、
娘さんが自分で選ぶ余白を
少しずつ増やしていきました。
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3.「これをしたい」が増え、小6娘が自分で「週4日」を選びました
すると、
少しずつ会話が増え、
娘さんから、
「これをしたい」
「ここに行ってみたい」
という言葉が
出るようになっていきました。
大きく何かが変わったようには
見えなかったかもしれません。
それでも娘さんの中では、
自分の気持ちに気づく。
自分の希望を言う。
自分で決めて動く。
その力が、
少しずつ育っていました。
夏休みには一人で行きたがらなかった
祖母宅へお泊りに行き、
「なんだか明るくなったね」と
言われました。
あんなに怖がっていた病院にも行け、
採血までできました。
そして迎えた2学期。
お母さんが登校日を
決めたのではありません。
娘さん自身が、
「週4日、学校へ行く」
と決めました。
誰かに言われたからではなく、
自分の状態を考え、
自分で選んだ週4日です。
もちろん、
毎日同じように動けるわけでは
ありません。
体調や不安に波がある日もあります。
それでも、
「行かなければならない」
ではなく、
「私はこのペースでやってみる」
と決められたこと。
ここに、大きな成長があります。
もし夏休みに、
朝起きられるようにすることや、
遅れた勉強を取り戻すことだけを
ゴールにしていたら、
娘さんの中から生まれた
この選択は出てこなかったでしょう。
子どもを動かすことと、
子どもが自分から動き出すことは、
同じではありません。
最初に必要なのは、
「何をさせるか」ではなく、
この子は今、
どの段階なのか、
その現在地を見立てることです。
夏休み後半は、
2学期に何日登校するかを
決めさせるための時間ではありません。
子ども自身が、
「私はどうしたい?」
「今の私なら、どこまでできる?」
と考えられる土台を育てる時間です。
その土台があるから、
「行く・行かない」を
親が決め続けなくても、
子どもが自分の一歩を
選べるようになっていきます。



