さて今日は、
「家では元気になったのに、
なぜ学校や勉強には動けないの?
ネガティブ思考リセットが必須です」
というお話です。
起立性調節障害や
不登校のお子さんを見ていると、
こんな時期があります。
朝も少しずつ起きられる。
家族とはよく話す。
ゲームなら何時間でもできる。
好きなものなら食べられる。
買い物にも行ける。
友達とも遊べる。
旅行だって行けた。
ママから見ると、
「あれ?ずいぶん元気になったよね?」
と思える。
だから、
そろそろ学校の話もできるかな。
勉強も少しくらい
始められるかな。
そう思って、
「2学期どうする?」
「そろそろ少し勉強してみる?」
と聞いてみる。
すると急に、
表情が固まる。
「無理」
「その話しないで」
「学校は行かない」
とシャッターが下りる。
するとママは、
こんなに元気なのに、
なぜ学校だけできないの?
と思いますよね。
ここで、
「え?これってメンタルなの?」
「まだ回復していないの?」
と考えるママもいると思います。
もちろん、
今どの回復段階にいるのかを
見極めることはとても大事です。
身体だけの問題じゃないと気づくのも
大切です。
だけど、
実は絶対に
見落としてほしくないものがあります。
それが、
お子さんの中に残っている
「ネガティブ思考」です。
たとえば一度、
学校へ行こうとして
朝、具合が悪くなった。
教室に入ったけれど
途中でしんどくなった。
勉強を再開したけれど
思うようにできなかった。
友達の前で
自分だけ遅れていると感じた。
友だちとコミュニケーションが
うまくいかなかった。
そんな経験が重なると、
次に学校や勉強を考えたとき、
まだ何も起きていないのに、
「また具合が悪くなるかも」
「どうせできない」
「今さら行ったら変に思われる」
「遅れているからもう無理」
「ちゃんとできないなら
やらない方がいい」
と、先に“失敗する未来”を
予測するようになることがあります。

これが不安の強い子に
よく見られるところです。
家でゲームをすることには、
「また失敗するかもしれない」
という予測があまりない。
好きな買い物にも行ける。
家族旅行にも行ける。
だけど、
学校。
勉強。
テスト。
進路。
人から評価されること。
失敗できないと思っていること。
こうした
負荷の高いものになった瞬間、
脳の中では、
過去のしんどかった経験から
「また同じことが起きるかもしれない」
という予測が強くなる。
この予測が起きると
身体もストップしてしまうんです。
だから、
身体が元気になってきたことと、
学校に挑戦できることは、
必ずしも同じではないんです。
そして、
ここでもう一つ
知っておいてほしいことがあります。
それは学校や勉強を避けるほど、
「避けたから安全だった」と
動かないことを正解とする
行動パターンが固定化します。
不安なものを避けると、
その瞬間はホッとします。
学校の話をやめてもらえた。
勉強しなくて済んだ。
行かなくて済んだ。
すると、
一時的に不安は下がります。
だけどそれを繰り返すと、
「やっぱり避けた方が安全だった」
という記憶になりますます
うごけなくなるんです。
だから、
ただ休ませ続ければ
自然に全部できるようになる、
とは思っていけません。
反対に、
元気そうだからと
いきなり学校や勉強へ
戻そうとするのも違います。
ここに、
回復の難しさがあります。
休ませるだけでもない。
無理に挑戦させるのでもない。
必要なのは、
「どうせ無理」
「またダメになる」
と決めつけてしまう
ネガティブ思考を少しずつ緩めながら、
「思っていたよりできた」
「途中まででも大丈夫だった」
「失敗しても終わりじゃなかった」
という経験を
脳に積み重ねていくこと。
私はこれを、
ネガティブ思考リセット
と呼んでいます。
起立性のお子さんや
不安症のお子さんは
ここのサポートが難しく、
自己流ではうまく行かない部分です。
「前向きに考えよう!」
とポジティブに
言い換えることではありません。
毎日の会話の中で、
白か黒か。
できるか、できないか。
成功か、失敗か。
そんな極端な捉え方を少しずつ緩め、
「じゃあ、どこまでならできそう?」
と考えられる脳に
育てていくことです。
ここが育たないまま、
一時的に体調が良くなったからと
負荷の高い環境へ戻ると、
頑張れる子ほど、
また一気に頑張ります。
「せっかく戻ったんだから」
「みんなに追いつかなきゃ」
「今度こそちゃんとやらなきゃ」
と。
そして、限界がやってきて
一日休んだだけで、
「またダメになった」
テストで思うような点が取れなければ、
「やっぱり自分には無理」
となる。
すると、
せっかく挑戦できるようになったのに、
また自分を追い詰める方向へ
戻ってしまうことがあります。
繰り返すたびに
そがれていく自信…
代わりに膨らむ
自己否定感…
そして固定化される
ネガティブな記憶…
これがぶり返す不登校の正体です。
だから私は、
学校へ行けたら回復完了、
とは考えていません。
本当に見たいのは、
負荷がかかったときに、
以前と同じように
「全部無理」
「もう終わり」
と自分を追い詰めるのか。
それとも、
「今日はここまでにしよう」
「これはできなかったけど、
こっちはできた」
「次はやり方を変えてみよう」
と、自分を追い込まずに
次の作戦を考えられるようになったのか。
ここです。
新学期に行けるかどうかより、
私はこの力を育てる方が
はるかに大事だと
信じてやみません。
なぜなら、
この子たちがこれから出会うのは、
学校だけではないからです。
受験。
友達関係。
部活。
大学。
就職。
恋愛。
この先、
思い通りにならないことなんて
いくらでもあります。
そのたびに、
「うまくできない私はダメだ」
と人生を止めるのではなく、
「じゃあ、どうする?」と
次の一手を考えられる子にしておく。
そこまでが、
私が考える
不登校からの回復です。
だからこの親子で負荷の高い9月は、
回復段階の見極めだけではなく、
ネガティブ思考リセットに
力を入れてセミナーを開催します。
なぜ元気になっても
学校や勉強だけには動けないのか。
そして、
不安で動けない子の
「どうせ無理」を、
「それなら、やってみようかな」
に変えていくために、
家庭の毎日の会話で
何を変えていけばいいのか。
その仕組みを、
脳の発達の視点から
具体的にお話しします。
9月1日に行けなかった。
だから、
また休ませるしかない。
そんな二択で
2学期を終わらせないために。
おうち時間の中にいくらでもある
成長のチャンスを
存分に活かすために。

今のお子さんの中にある
「動けない理由」を知って、
次の「やってみる!」を
育てる2学期にしていきましょう。
9月7,8,9日、
予定を開けてお待ちください!
今日はここまでです。


