吃音の子どもと毎日ぶつかっていた日々
吃音のあるわが子は、発達科学コミュニケーション(以下発コミュ)と出会う前は、気に入らないことがあるとすぐ怒り、地団駄を踏む日々でした。
「また怒ってる…」
「何がそんなに気に入らないの?」
と、私は心の中で何度もため息をついていました。
子どもが感情を爆発させるたびに、こちらも疲れてしまって、優しく関わることがどんどん難しくなっていきました。
吃音がある子の小学校生活、本当に大丈夫?不安に押しつぶされそうな私
吃音を良くしたいけど、すぐ怒る子どもにどうやって接したらいいんだろう。悩む毎日でした。
やがてやってくる小学校生活に馴染めるのだろうか。
お友達とトラブルにならないだろうか。
何より、こんなに怒りやすい子どもと関わる自信がない!と、私自身憔悴していました。
褒めているつもりだったのに…吃音のある子の心に届かなかった褒め言葉
なぜ我が子は、あんなにも怒りやすかったのでしょうか。
それは、私の注目が否定的なことばかりに偏っていたから、そして、子ども自身がそのモヤモヤした気持ちを言葉にする力を、まだ持っていなかったからでした。
私は一生懸命褒めているつもりでも、日々の関わりの中で“できていない”部分ばかりが目立ち、自信を失わせてしまっていたのです。
心の奥にある不安や不満をうまく言葉にできなかった我が子は、怒ったり、地団駄を踏んだりすることで、必死に気持ちを伝えようとしていたのだと、今なら思います。
吃音のある子はこのようなストレスがあるとなかなか吃音が良くなりにくいのです。
したがって、私の娘はこの時期に吃音が良くなることはありませんでした。
子どもの「できたこと」に目を向けてみませんか?
このような私の価値観を大きく変えたのが、発コミュの「できているところに注目!」でした。
繰り返しますが、無意識に私は、子どものできていないところに注目していました。
食べ散らかしたおやつや脱ぎっぱなしのパジャマ。
最初は正直、戸惑いました。癇癪を起こすわが子の「できたこと」なんて、どこを見ればいいの?と思ってしまったのです。
ところが、否定的な注目を取り払うと、当たり前にできていることが浮き彫りになってくるのです。
当たり前にできていることが当たり前すぎて見落としていたことばかりでした。
食べ終わった食器をキッチンへ持っていく。
学校から帰ってきて手を洗っている。
おやつを食べる前は必ずいただきますと言っている。
など、たくさんできていることがありました。
それから私は、意識して「できていること」を見つけて声をかけるようにしました。
すると、最初は戸惑っていた子どもも、次第に私の言葉をまっすぐ受けとめてくれるようになりました。
不思議なことに、怒り出す頻度が徐々に減り、気づけば地団駄も少なくなっていったのです。
気持ちの安定が子どもの吃音にも影響する
感情が落ち着いてくると、吃音にも変化が現れました。以前は毎日のように詰まっていた言葉が、少しずつスムーズに出る場面が増えてきたのです。
そのためにはまず、「安心できる関係性」が必要だったのだと気づきました。だからこそ、できていることを見つけて伝えることが、安心と自信を育てる第一歩になるのです!
吃音があり困り事もあるお子さんと向き合う毎日は、簡単なことばかりではありません。
しかし、「今できていること」「少しでもがんばったところ」に目を向けられるようになると、親子の関係も必ず変わってきます!
ママが見つけた「できたね」という一言が、子どもの心をあたため、子どもの行動力がグングン加速していく一歩になるのです!
完璧じゃなくても大丈夫。ママが毎日そばにいてくれるだけで、子どもは安心して、前に進む力を育んでいます。
子どものできていることをぜひたくさん言語化してあげてください!
執筆者:いわもとあさな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)