状況が読めない3歳吃音の子がすぐに癇癪になる原因はこれ

吃音がよくなる脳の育て方

 

3歳の吃音のある子に、「今のこの状況わかってないな」と感じることはありませんか?周囲の人がとっている行動の目的が理解できずに、自分のことしか考えていないからすぐに癇癪を起こす吃音の子に手を焼いているママへお伝えします。
 

3歳吃音の子の目で見て状況を理解する力がつくから癇癪がなくなる

突然ですが、このような状況を思い浮かべてみてください。
 
 
ママはショッピングモールに子どもたちを連れて買い物に来ていて、ママはずっと吃音のある子のそばにいたとします。
 
 
きょうだい児がどんどん走っていって見失いそうな状況下、ママはとっさに吃音のある子のそばから離れてきょうだい児の後を追いかける…
 
 
すると、「なんでママ置いていくの〜!!!」と吃音のある子が急にパニックを起こし、癇癪になる。
 
 
 
 
これは、自分のことしか見えておらず、目で見て状況を理解する力が弱いことで起こります。
 
 
このような時、ママは「癇癪を起こしている」という子どものアウトプットに目が行きがちです。
 
 
では、なぜ吃音のある子がこのような状況で癇癪を起こすのかというと、 脳が目で見たり聞いたりした情報を正しくインプットできていないから、その場の状況を正しく理解できていないからです。
 
 
つまり、目で見て状況を理解する力を育ててあげれば癇癪はなくなるということになります。
 
 

吃音を良くするには先に困りごとを解決する

吃音を良くするには、まず困りごとを解決することが先です。

 
 
なぜかというと、癇癪を起こすということは少なからずストレスを抱えているからです。
 
 
 
 
吃音はストレスが原因で悪化する特徴があります。
(※ストレスだけが吃音の悪化要因ではありません。)
 
 
ですから、脳の成長を早めて癇癪を起こさなくて済むようにしてあげましょう
 
 

周りの状況が理解できずにすぐにパニックになっていた娘

わが家の当時3歳だった吃音のある娘ときょうだい児でお散歩していた時のことです。

 
 
吃音のある娘は三輪車、きょうだい児は自転車に乗っていました。
 
 
はじめは、私を含め3人とも同じペースだったのですが、自転車のペースが徐々に早くなり距離が開いていったので、危険回避のため追いかけようと、とっさに三輪車に乗っている吃音のある娘の元を離れました。
 
 
すると、「ママー!!なんで行くの〜!!!」と突然、癇癪になったのです
 
 
 
 
 
このようなことは当時、度々起こっていました。
 
 
ですが、脳科学に基づいた関わりを続けることで、「ママは今から○○をするんでしょ。だから行ってきていいよ」と言語化できるようになり、癇癪が減っていきました
 
 

3歳吃音の子の先を見通す力を育てる方法

では、どのようにして3歳の吃音のある子の目で見て状況を理解する力を育てていくのか、日常生活バージョンと実際に困りごとが発生したバージョンでお伝えしますね。

 
 

◆日常生活バージョン

たとえば、どこか買い物に出かけた時に 女の子が嬉しそうにお人形を抱っこしてお店から出てきたとします。

 
 
女の子の隣にはママがいて、女の子とママがニコニコ笑顔で何かお話をしている様子が見えたとしましょう。
 
 
そこで、吃音のある子に
「あの女の子、嬉しそうにしているね。どうして嬉しそうにしているのかな?」
と問いかけてみます。
 
 
すると吃音のある子は、その様子を目で見て状況を把握しようとします
 
 
「お人形を抱っこしてる。買ってもらったんじゃない?」
 
 
「ママにありがとうって言っているのかも」 といった感じで子どもにどう思ったのかをアウトプットさせてみます。
 
 
わかんない、と言われたら
「あのお人形を大事そうに抱っこしてるね」「お気に入りなのかな?」と誘導してみてもいいでしょう。
 
 
このように、日頃から目で見て状況を理解する力を育ててあげることがおすすめです。
 
 

◆実際に困りごとが発生したバージョン

実際に困りごとが発生して癇癪が起こった場合は、癇癪が落ち着いた後に、状況の理解をお子さんと一緒に進めてみましょう。

 
 
たとえば、 私の経験談を例にあげると、 「ママね、自転車に乗っているお姉ちゃんのことが心配でとっさに追いかけたんだ。」など前置きをしておいて、
 
 
「ここは道路だね。道路って何が走っているかな?」と聞き、 「車が走ってる」と答えさせます。
 
 
答えてくれたことをすかさず肯定し、「ママは何とぶつからないか心配でお姉ちゃんを追いかけたでしょう?」といった感じで子どもが答えやすいようなクイズを出して、 「車」と答えてもらいます。
 
 
 
 
「そう!ママはお姉ちゃんと車がぶつかったりしないか心配だったから走って追いかけたんだ〜」 などと、その場の状況理解を促す会話をしてあげるのがおすすめです。
 
 
すると、少しずつ目で見て理解する力がついてくるので、「ママは○○だから、あっちに行くんだね」とその場の状況を目で見て理解したことを言語化するようになり、癇癪も減っていきました
 
 
いかがでしたか?
 
 
何か困りごとが起きた時、私たち大人は癇癪を起こしたことばかりに注目しがちですが、実はこのような癇癪が起こる理由は、脳がインプットの情報を正しく受け取れておらず、正しくインプットできていないから正しい理解ができていないということがあります。
 
 
目で見て理解する力を育てることができたら、癇癪を起こす頻度がかなり減っていきますよ。
 
 
執筆者:はせがわかすみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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